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第7回 ─ GSL

レーベル・ディスク・ガイド──GSL、とっておきの10枚をご紹介!!

連載
U.S. LABEL GUIDE
公開
2001/11/15   00:00
更新
2002/07/22   16:37
ソース
『bounce』 226号(2001/10/25)
テキスト
文/小林 英樹

I AM SPOONBENDER
『Sender/Receiver』(1998)


ポップ・パンク・バンド、パンシー・ディヴィジョンとカブのメンバーを中心に結成された最高のキテレツ・ミラクル・バンド。カン、ディス・ヒート、ゲイリー・ニューマン、クラフトワーク……などが浮かんでくるけど、難しいこと考えないで笑顔で接するのがイチバン。とにかくセンスがイイ!80年代から現在のエレクトロニカ・シーンまでを凝縮したような唯一無比のスリル・ポップ!のちに憧れのカンのメンバーとも連んでいました。

THE LOCUST
『The Locust』(1998)

すでに来日も2回(アット・ザ・ドライヴ・インとの共演も!)。いまやハードコア・キッズからOLのお姉さんにまでリスペクトされているバッタ君たちの1作目。20曲収録だけど、とにかく速い短い。なんたってCDは3インチ・サイズですからね。ボアダムズ~ネイキッド・シティーもビックリのキテレツ・ファスト・サウンドに、ピロロ~ンとキーボードが舞う舞う~。いままでに2万枚以上のセールスを挙げているというから、世の中恐ろしいモンです。

PHYSICS
『Live 2-7-98』(1999)


ヘヴィー・ヴェジタブル、ピンバック、シンギー、オプティガナリー・ユアーズなどなど、さまざまな活動で現在のシーンを揺るがしちゃってる奇才ロブ・クロウ。コレも彼のプロジェクトのひとつ。今作は2曲30分のライヴ作で、超ドローンなサイケデリック・ミュージックをフワフワ、クラクラと。スペースメン3~ソニック・ブームのラインから、ゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー~ウィンディー&カール辺りにまで通じるトリップぶり。

VUE
『The Death Of A Girl』(1999)


元ポートレイツ・オブ・パストのメンバーで結成。しかしこれまたサウンドは進化……っちゅーか、退化!? きらきらグラマラス・ロッキ~ンなあんばいは、ローリング・ストーンズ、ストゥージズ、T・レックス、メイク・アップなんかに負けないほど輝いちゃってます。〈ベイベ ベイベ〉がとても似合うなぁ~。なんと、今年になって2作目をサブ・ポップからリリース!今後もこんな感じで、GSLから羽ばたくアーティストが増えそうな予感。

THE CONVOCATION OF...
『The Convocation Of...』(2000)


ボーン・アゲインスト、モス・アイコン、UOAなど、激コア・ファンにはお馴染みのバンドを通ってきたトニー・ジョイの最新バンド。クールでダークに展開するサウンドは、爆発一歩手前のところで踏ん張るカオティックさも相まって、実にヒリヒリビリビリ緊張だらけ。シェラック、ジーザス・リザード、アンセイン、スリントなんかが浮かぶけど、こっちのほうがもっと繊細で痛々しい気がする。つぎの作品はタイガー・スタイルからリリースするそう。

THE BEAUTIFUL SKIN
『Revolve』(2000)


これまた元ロースチャーチという激コア・バンドから派生。バリバリの80年代UK~ジャーマン・エレクトロニクス・サウンド・スタイルで、そのピロピロスカスカ具合は時代の錯覚に陥ること間違いナシ。ゲイリー・ニューマン、バウハウス、ワイヤー、OMD、クラフトワーク、スーサイドと、挙げたらキリがない! かなり彼らを意識しているものだと思っていたけど、実は本気で素なのよねぇ。その受け止め具合で聴き方が変わるかも。

VARIOUS ARTISTS
『Well I'll Be A Monkey's Uncle』(2000)


アルバム『The Locust』だけでもビビッちゃったのに、調子にのってリリースされた今作は、なんとローカストのリミックス作。変態が変態に料理されているさまは、なんとも美しくて神々しいなぁ。キッド606、バスタード・ノイズ、アイ・アム・スプーンベンダー、ウィザーズ・オブ・ウォー、クリストフ・デ・ババロン、シンキング・ボディーがグチャグチャにしております。ノイズ!ビート!電気電気!ただいま超高速で工事中~たいへんご迷惑を~。

!!!
『!!!』(2001)


バンド名の読み方はシックシックシックとかパウパウパウでイイそうです(笑)。コレは本当に最高!聴くたびに身体が疼いてしょうがない! ファンキー!グルーヴィー!ソウルフル!そんでもってスカスカっ!80年代ポスト・パンクのいちばんスリリングな部分が、このアルバムには詰まってます。クラッシュ、ピッグバッグ、ア・サーテン・レイシオ、リキッド・リキッド、ギャング・オブ・フォー、そしてもちろんシック、そしてJBだぁっっ!踊ろう!

DE FACTO
『Megaton Shotblast』(2001)


現在活動停止中、アット・ザ・ドライヴ・インのメンバーによる新プロジェクト。そのままメジャー展開するのではなく、以前から交流のあるGSLからのリリースってことだけで嬉しくなったんだけど、音聴いたらさらにビビっちゃった──バリバリ攻めてるやんけ!インスト主体のエクスペリメンタル・ダブ~ラテン・スタイルはシーンの喧騒を放っておいて、己の音楽を探求あるのみ。間髪入れずにこの道を選んだ彼らに心から拍手。帰ってきたときは凄いぞ。

HEART OF SNOW
『Endure Of More』(2001)


見てください、このジャケット!まったくもって2001年の作品とは思えん!バーゲン・コーナーに埋もれているネオ・サイケ・バンドでしょ、コリャ。もちろん音の方も負けてはおらん。情熱セクシー系姉ちゃんヴォーカルと、暗黒味シャリシャリ・ギター~ズンドコ・ビートは見事としか言えません。スージー&ザ・バンシーズ、バースデイ・パーティーとか……。プロム・パーティーの隅っこに固まってるゴス・キッズにはタマラン一枚でしょう。

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