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Dragon Ash、約1万人が視聴した7人編成ラスト・ライヴ「DRAGONASH LIVE “DEPARTURE”」ライヴ・レポート

Dragon Ash
Photo by TAKAHIRO TAKINAMI

Dragon Ashが9月4日にTACHIKAWA STAGE GARDEN(立川ステージガーデン)で行った7人編成でのラスト・ライヴ「DRAGONASH LIVE “DEPARTURE”」のオフィシャル・レポートが到着した。

 

Dragon Ash

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Photo by TAKAHIRO TAKINAMI

「ロック・バンドがライヴをやれないより千倍いい」
新たな道を切り開くため、ダンサー2名の「旅立ち」を祝う7人編成でのラスト・ライヴを敢行!

 

ダンサー2名を含む7人編成で活動を続けていたDragon Ashが、9月4日、7人編成でのラスト・ライヴ「DRAGONASH LIVE “DEPARTURE”」を、TACHIKAWA STAGE GARDENで開催。当日はリアルタイムのオンライン配信も行われ、可能な限りの感染予防対策を行いながらの有観客とオンラインによる、ハイブリッド・ライヴとなった。

「DRAGONASH LIVE “DEPARTURE”」は、メンバーとして共に歩んできたダンサー、ATSUSHIとDRI-Vのふたりがバンドを離れて新たな道を進む、「DEPARTURE=旅立ち」のためのラスト・ライヴだ。ふたりがDragon Ashに正式加入したのは、2003年。開演前の場内には、その時代の空気が蘇るネオヒップホップやR&Bが流れ、壁面には歴代のツアーでATSUSHIが使用したツアー・フラッグが飾られていた。3密回避のため、この日の会場への入場人数は、通常のキャパシティの半分以下に制限。座席は全席指定。ステージ上のスクリーンには「新型コロナ感染症拡大防止対策のお願い」として、マスクorフェイスシールドの着用、指定の席のみでの観覧、大声禁止、終演後の規制退場などのアナウンスが流れる。ステージと観客の自由と一体感を信条に、ライヴハウスにこだわり活動してきたDragon Ash。それだけに、自分たちの信条の真逆とも言える条件下で行われる7人編成でのラスト・ライヴへの思いが、並々ならぬものであることは容易に想像ができる。

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Photo by TAKAHIRO TAKINAMI

19時を少し過ぎた時、このライヴのために書き下ろされたアンビエントな曲“DEPARTURE”が流れ、未公開のレア映像を含む、様々なダンス・シーンで構成された映像がステージ上のスクリーンに映し出された。静かにスクリーンが上がると、そこには赤いフーディ姿のダンサー、ATSUSHIが。着席が義務づけられた2階&3階席を除き、アリーナの全観客が席から立ち上がると同時に場内から大きな拍手が沸き起こる。いつもならこの瞬間、場内には割れんばかりの大歓声が響いていたはずだ。ATSUSHIに続いてダンサー、DRI-Vが同じく赤いフーディ姿で登場。やがて各々のダンスがシンクロし、ステージの背後に「LIVE “DEPARTURE”」のロゴが浮かぶ。そしてバンド・メンバー5人がステージに現れると、客席の拍手が手拍子に変化。Kj(Vo/Gt)が笑顔で、「(もっともっと!)」というジェスチャーで観客をうながす。一気に高まる手拍子の中、音楽への強い思いを謳う“A Hundred Emotions”がスタート。ATSUSHIとDRI-Vの旅立ちに捧ぐ宴の始まりだ。

Dragon Ash

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Photo by TAKAHIRO TAKINAMI

この日のセットリストは、ATSUSHIとDRI-Vの思いが込められたスペシャルなものとなった。“Aim High”、ふたりが正式加入した2003年発表の7thアルバム『HARVEST』収録の“Harvest”、ポストロックな匂いを放つ“Shade”、ラテン期の名曲“Beautiful”など、近年のツアーやフェスでは滅多に演奏されない楽曲や、ダンサーの動きが鍵となる楽曲が多数披露された。Dragon Ashのロゴやアイコンが浮かぶグラフィックポイのパフォーマンスをDRI-Vが見せたあと、ファンからのメッセージが書き込まれたフラッグを使ってATSUSHIが踊った“Ode to Joy”。ステージ中央に設置されたお立ち台の前にLED照明の檻が出現した、仮面をつけたDRI-Vがアグレッシヴに踊る“Blow Your Mind”。とりわけ圧巻だったのが、オレンジ色に染まるステージの上、リズムに合わせてダンサーが足を踏み鳴らす“Neverland”のアウトロのドラムが、いつしか“陽はまたのぼりくりかえす”のイントロへと繋がるシーンだ。98年と14年の楽曲が融合していく様が体感できたあの場面は、バンド×ダンスを追求してきた7人編成でのDragon Ashの集大成、と言っても過言ではないほど、勇壮で美しいものだった。

97年のデビュー以来、作品毎に音楽性やスタイルを進化させ、シーンに多大な影響を与え続けているDragon Ash。特にダンサーが正式メンバーとして加わったことは、2003年当時の邦楽シーンではあり得ないことであり、ファンの間でも賛否が分かれた。そのことはダンサーふたりも十分にわかっていた。それでも加入直後のインタビューで、「ここでしかできないことをやりたい」、「ダンサーとして新たな道を切り開きたい」と語っていたふたり。アウェイな状況では率先してオーディエンスを扇動し、ステージの最前線でDragon Ashの音楽を身体で表現。どんなときもライヴを華やかに盛り上げ続けるふたりの姿は、いつしかDragon Ashに欠かせないものとなった。格闘技のようなキレのあるブレイクダンスを魅せるDRI-V。ミクスチャー・ロックにコンテンポラリー・ダンスを持ち込んだATSUSHI。骨太なロック・バンド&ユニークなダンサーズという唯一無二の存在感で、Dragon Ashは邦楽ロック界が誇るライヴ・モンスター・バンドとなった。

“Fantasista”はそんなバンドの最強のライヴ・アンセムであり、ダンサー加入後の約20年、ライヴで欠かさず披露され、ATSUSHIの背中姿でスタートする定番のキラーチューンだ。その曲が、ここ最近の無観客や制限のあるフェスでは一切披露されていない。
「もともとみんなのシンガロングでやってきたバンドだし、今日みたいにそれがないと、俺、こんなに歌うとこあるんだって思った(笑)。でも、(制限があるなかでライヴを行うことは)ロック・バンドがライヴをやれないより千倍いいと思ってる。次の曲は、今までみたいなライヴができるようになる日まで二度とやんないから。でも今日は7人のスペシャルだから、やらせてください」(Kj)
観客のシンガロングやモッシュありきのDA流パーティー・チューンだからこその封印。それを解き、披露されたこの夜の“Fantasista”では、いつもなら観客の歌声が響く箇所をドラムの桜井誠とターンテーブルのBOTSが代理で熱唱。「腹の底から声あげろ~!」とふたりに向かってKjが叫ぶと、「(お前こそ!)」とばかりにKjを指差すBOTS。その傍ら、故 IKÜZÖNEと編み出した跳び箱パフォーマンスを、T$UYO$HIの背中を飛び越えて披露するDRI-V。KenKenとも繰り広げたDRI-Vの跳び箱パフォーマンスを目撃できるのも、もうこれが最後だ。

Dragon Ash

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Photo by TAKAHIRO TAKINAMI

本編ラストに披露されたのは、次の人生を歩む友に捧ぐ曲“TIME OF YOUR LIFE”だった。観客のシンガロングに代わり、Kjと櫻井がデュエット状態で歌い合うレアな場面では、「響け親愛なる人へ♪」というフレーズを、「響け親愛なるダンサーズ♪」にチェンジ。旅立つふたりへのはなむけのようなその歌に応えるように、ATSUSHIがエモーショナルなダンスを披露し、DRI-Vが躍動感あふれるステップを踏む。

「Dragon Ashに関わらせてもらえて20年。他では味わえない特別な経験がたくさんできました。今の自分があるのもDragon Ashのおかげ。みんなが支えてくれたことが自分のパフォーマンスに繋がっています。今までありがとうございます」
“Dance with Apps”で始まったアンコールでは、DRI-Vが思いを綴った手紙を読み上げ、続けてATSUSHIがDragon Ash全員と、故 IKÜZÖNE、KenKen、現在のサポート・ベーシスト、T$UYO$HIへの感謝を告げたあと、新たな決意を語る。
「それまで道端で踊っていたから、Dragon Ashとして初めて野外フェスで3万人を前にした時は武者震いしました。建志(降谷建志/Kj)の作る曲と言葉で踊るのはとても心地よく、やりがいがありました。これからはソロ・ダンサー、舞踏家として、コンテンポラリー・ダンスの次を生み出したい。難しいと思うけど、日本人ダンサーとして世界最高峰を目指したい。男たるもの、楽な道より茨の道を選びたい。これからもよろしくお願いします」

ふたりの言葉を受け、「悲しい別れをいっぱい経験してきたバンドなんで、最後は笑顔で終われたらと思います」とドラムの櫻井。7人編成でのラスト・ライヴのファイナル曲は、“Viva la revolution”。会場の照明がすべてともされ、IKÜZÖNEが作り出した両腕をV字に挙げるVivaポーズを、ステージと観客が笑顔でキメる。客席からは笑顔しか見えないが、オンラインの画面越しにはきっと、ダンサーの温かな涙が映し出されていることだろう。ふたりの旅立ちは、5人組としてのDragon Ashの新たな一歩でもある。
「ない知恵絞ってこういう形で開催して、これが正しいかはわからないけど、何もしないよりはずっとマシだと思う。例えばいつの日か、この場所がモッシュピットになって、もみくちゃになるまでバンドは続けようと思います。その日まで、みなさんも音楽をずっと好きでいてください」
最新曲“ダイアログ”の演奏前にそう語っていたKjの言葉が蘇る。別々の道を歩む5人とふたりがそれぞれ次の夢をつかむ日まで。汗まみれの笑顔でいつものように楽しめるライヴができる日まで。その道のりが例え茨の道だとしても、彼らなら必ず、力強い音を歌い奏でながら切り開いてくれるに違いない。

 

TEXT:早川加奈子

Dragon Ash

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Dragon Ash「DRAGONASH LIVE "DEPARTURE"」ダイジェスト映像公開

 

▼ライヴ情報
「DRAGONASH LIVE “DEPARTURE”」
アーカイヴ配信 視聴期間:~9月13日(日)23:59
詳細:https://www.dragonash.co.jp/news/news.php?news_id=802

■DRAGONASH LIVE “DEPARTURE” at TACHIKAWA STAGE GARDEN プレイリスト
https://dragonash.lnk.to/20200904

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カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース

掲載: 2020年09月08日 13:10

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