追悼・志村正彦――フジファブリックが日本の音楽シーンに刻んだ鮮やかな軌跡を辿る

先日12月24日に急逝したフジファブリックのギター/ヴォーカル、志村正彦。15歳の頃に富士急ハイランドで観た奥田民生のライヴに衝撃を受けてミュージシャンを志すようになったという彼は、その奥田にも引けを取らないソングライティング力で、多くのロック・ファンを魅了してきた。その早すぎる死に哀悼の意を表して、bounce.comでは同バンドが日本の音楽シーンに刻んだ軌跡をここで改めて振り返りたい。
志村を中心として2000年に結成されたフジファブリックは、都内におけるライヴ活動でその名を広め、2002年にミニ・アルバム『アラカルト』でCDデビュー。2003年1月に金澤ダイスケ(キーボード)と加藤慎一(ベース)が正式加入し、同年6月に発表したセカンド・ミニ・アルバム『アラモード』では、独特のポップセンスを効かせたバンド・アンサンブルで一気に評価を高めた。2004年1月には山内総一郎(ギター)と足立房文(ドラムス)が加入。同年2月には上述の2作品から選曲した編集盤『アラモルト』でメジャー・デビューを果たし、11月には片寄明人(Great 3)のプロデュースによるファースト・フル・アルバム『フジファブリック』をリリースする。

2005年11月には初のセルフ・プロデュース作品となったセカンド・アルバム『FAB FOX』でさらに支持層を広げ、2006年3月に足立が脱退して以降もその勢いは留まるところを知らず、2007年1月のシングル“蒼い鳥”ではオリコンの週間チャートにおいて初登場9位を記録。2008年1月には、スペイシーなダンス・ロックから珠玉のバラードまで、多彩なサウンドが詰め込まれたサード・アルバム『TEENAGER』を発表し、その人気を不動のものに。今年5月にリリースされた最新アルバム『CHRONICLE』では、志村が〈パワー・ポップ〉をテーマに全曲の作詞作曲とアレンジを手掛けるなど、ますます精力的かつ才気溢れる活動を展開していた。
謹んでご冥福をお祈りします。
▼各作品に関する詳細記事
・2003年作ミニ・アルバム『アラモード』(レヴュー)
・2004年作フル・アルバム『フジファブリック』(インタヴュー)
・2004年作フル・アルバム『フジファブリック』(レヴュー)
・2005年作フル・アルバム『FAB FOX』(レヴュー)
・2008年作フル・アルバム『TEENAGER』(レヴュー)
・2009年作フル・アルバム『CHRONICLE』(インタヴュー)
・2009年作フル・アルバム『CHRONICLE』(レヴュー)







