外国人写真家が〈大阪オルタナティヴ〉を記録した写真集(from OSAKA)
20世紀以降の音楽の歴史とは〈記録の歴史〉でもあるわけで。ライヴの一夜限りの気持ち良さもイイんだけど、やっぱり記録に残すって大事ですよね、と改めて実感させてくれる写真集が出た。それが「MISONO DAYS」。大阪きっての〈早い場所〉と噂の味園ビルの日々を、写真家のジョン・ハートが撮影したもの。ペラリとページをめくると、ライヴハウスのスタッフやお客さんに混じってZUINOSIN、1★狂、DoDDoDO、ガルペプシ、BABYQ……といった濃ゆい面々がズラリ(被りモノ率高し!)。ライヴの一瞬を捉えたラフなショットもあれば、アーティストのポートレイトを加工しまくったジャンクなコラージュ作品もあり。いずれも大阪の混沌としたパワーが誌面いっぱいに漲ってっていて、目を脳を、ビンビンと刺激してくる。さらにコンピレーションCDも付いて、耳まで大満足。本書の作者であるジョンはツァディックからリリースされたあふりらんぽ『KOREGAMAYAKUDA』のジャケット写真を撮影した人で、そのアウトショットを含む、あふりらんぽの写真集「あふりらんぽ in HONG KONG/JAPAN」も同時に出版。こちらは、すっぽんぽんの真っ赤な生き物=あふりらんぽとジョンの衝動とイマジネーションが爆発した、これまた強烈な一冊だ。(レポート/井口啓子)