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インタビュー

ONE DIRECTION 『Take Me Home』

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年12月12日 17:59

更新: 2012年12月12日 17:59

ソース: bounce 350号(2012年11月25日発行)

インタヴュー・文/新谷洋子



少年はまっすぐ大人になるけれど、この勢いはもう止まらない! 大西洋を跨いで大ブレイクを果たした5人がまたしてもまっすぐな新作を届けてくれたよ!



OneDirection_A



友達になることを最優先した

若くてキュートで、歌って踊れる男の子たちから成るボーイズ・バンドというものは、ポップ・ミュージック史を通じて脈々と受け継がれてきた古典的様式であり、時代ごとに少しずつアップデートされた新顔が登場してきた。そんななかで、目下世界の頂点に立つワン・ダイレクションは、間違いなく〈いま〉のボーイズ・バンドと言えるのだろう。

まず彼らは踊らないし、お揃いの衣装は着ないし、リード・シンガーはおらず、全員がフロントマン。各自の歌声とキャラを強調する民主的なスタイルは、ちょっと前例がない。それに、オーディション番組出身だという点においても、5人は21世紀型だ。2010年の英国版「The X Factor」にそれぞれソロ・シンガーとして応募した見ず知らずの少年5人が、審査員たちの思いつきでグループを結成——というユニークな出自は、ご承知の通り。それでいて現在では固い結束と友情を誇っており、「僕らがこんなに仲良くなれたのは幸運だったとしか言いようがなくて、すごく自然なことだった」とのルイ・トムリンソンの説明に、ハリー・スタイルズは次のように加える。

「結成当初の僕らは、歌の練習のために1週間の猶予を与えられたんだ。でも歌に費やしたのは全部で1時間ほどで、残りはサッカーをしたり映画を観て過ごしたのさ。仕事仲間になる前に、友達になることを最優先したんだよ」。

番組では結局3位に終わった彼らは、審査員のひとりだったあのサイモン・コーウェルが主宰するサイコと契約。本国では昨年11月にデビューし、番組放映中から熱狂的ファンを獲得していたため予想通りのブレイクを果たすのだが、その後の世界制覇へのプロセスもやはり21世紀型。何よりもソーシャルメディアを介して猛スピードで支持層を広げ、今年3月にUS盤が出たファースト・アルバム『Up All Night』の全米チャート初登場1位であっと言わせ(英国出身グループのデビュー作としては史上初)、以来17か国でNo.1を記録。アルバムとシングルが通算1,200万枚を売るという快挙を達成し、ロンドン五輪閉会式出演、MTVアウォード3冠……と次々にニュースを提供してきた。そして、その勢いに乗って畳み掛けるようにセカンド・アルバム『Take Me Home』を送り出してきたというわけだ。



いまを楽しむこと

「多くのアーティストがセカンドを作る時に、ファーストと違うことをやろうとするよね。だからセカンドは難関だと言われるんだろうけど、〈うまく行ってるのに路線を変える必要はない〉と思ったんだ」とリアム・ペインは語るが、本作はなるほど、前作の路線を自然にスケールアップさせたアルバム、と評するのが妥当なのかもしれない。そもそもワン・ダイレクションは、生楽器の音を多用した、どこか古風でメロディックなポップソングを志向してきた。主流のエレクトロニックなダンス・ポップから距離を置いたことが勝因のひとつで、今回もそれは変わっておらず、ラミ・ヤクーブやDrルークといった馴染みの名前に混じって、同郷で同じく生音志向のエド・シーランやマクフライもコラボレーターとして参加。ただアゲるだけではなく、ホロ苦さ、優しさ、繊細さにも同等のスペースを与えており、なかでもエド作の簡素なアコースティック・バラード“Little Things”は、確実に磨かれた5人の歌唱力とハーモニーの妙を存分に見せつけるハイライトだろう。「過去1年の大半をツアーに費やしたってことだけを考えても、声が磨かれたのは当然だよ」とゼイン。もうひとつ、リアムが「ファーストとの最大の違い」と指摘するのは、本人たちが曲作りに積極的に関わっていることだ。

「アルバムのカギはそこにあって、どの曲も本当にパーソナルなんだ。そういう曲をファンに聴かせたいし、みんなそういう曲を聴きたがっているはず。ツアー中に故郷にいる特別な人を懐かしむという内容の曲もあるし、僕らについてより深く知ってもらえると思うよ」(リアム)。

そんな彼らの目下の心境を知るには、先行シングル“Live While We're Young”を聴くのがいちばん早い。リアムいわく「いまを思い切り楽しむこと」を歌う、人生最高の時を過ごす若者ならではのアンセムである。

「『The X Factor』が終わってからの僕らは、とりあえずどうなるか様子を見ようって気持ちで活動を始めたんだ。成功するためにやるべきことはやるけど、活動を楽しめなくなるくらい物事をシリアスに捉えるのはやめようって。だから、自分たちが常に楽しみながら、人々に愛されるグッド・ミュージックを作っていけたら最高だね」(ゼイン)。



▼ワン・ダイレクションの2011年作『Up All Night』(Syco/Sony UK)

 

▼『Take Me Home』に参加したアーティストの作品を一部紹介。

左から、エド・シーランの2011年作『+』(Atlantic)、11月26日にリリースされるマクフライのベスト盤『Memory Lane: The Best Of McFly』(Island)

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