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インタビュー

group_inou 『DAY』

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年10月17日 17:59

更新: 2012年10月17日 17:59

ソース: bounce 348号(2012年9月25日発行)

インタヴュー・文/澤田大輔



独自のフィジカルな電子ポップに乗せて割り切れない謎を投げ掛けてきた2人が、ついに新作を完成!



group_inou_A



「自分たちは日々の積み重ねで着実にやってきただけですけどね。一夜にして何かが変わったわけではないし、ドラマティックなこともあまりないんです」(cp、MC)。

そう飄々と語ってはいるものの、目下のgroup_inouからは並ならぬ勢いを感じずにはいられない。自身のレーベル・GALを軸にインディペンデントな活動を展開し、エレクトロニックでフィジカルな独自のポップ・ミュージックを放出してきた彼らは、いまやワンマンで東京・恵比寿LIQUIDROOMを満杯にし、メジャーなフィールドにも届き得る知名度を獲得している。

「マイペースってことにはこだわっていて、なるべく制約を排除して、自由に制作できる環境を作ってきたんです。そのためには大変なこともたくさんありますけど、自分たちが楽しいって思えることが本当に大切なんですよね。そうやって作ったものだからこそ喜んでもらえると思うし、それによってもっと大きなところでライヴができて、また楽しいっていう」(imai、トラックメイカー)。

2年半ぶりの新作『DAY』においても、デビュー以来の一貫したスタイルは変わらない。imaiはシンプルでファットな電子音を繰り出し、cpは歌とラップの狭間で禅問答のようなフレーズを投げ掛ける。「お互いのやることには干渉しないけど、出来上がったものでは干渉し合ってる」(imai)という両者のコンビネーションに磨きをかけ、より緻密なサウンドを作り上げている。

「アルバムごとに〈〜に挑戦!〉みたいな目新しい要素を採り入れるパターンってありますけど、それは不自然かなと。僕らは続けていくことと、ちょっとずつ技術を上げていくってところで努力してる。それによって、これまでは作れなかったようなタイプの曲もできるようになって」(imai)。

「だから今回のアルバムは相当に幅がある。誰が聴いてもおもしろいものが出来たんじゃないですかね」(cp)。

そう語られる通り、本作にはこれまで以上に多様な楽曲が投げ込まれている。ディスコティークな“JUDGE”に、スロウなビートからドラムンベースへと転じる“KNIFE”、アーバンな浮遊感を湛えた“STORY”、ライヴでお馴染みの高速チューン“KNUCKLE”……そのヴァリエーションもさることながら、ミックスを手掛けたmatsu & takeの存在も、本作の親しみやすい感触に大きく貢献しているという。

「matsu & takeさんは前作にも関わってるんですけど、今回はもっとがっちり参加してもらってます。やっぱり第三者にミックスしてもらうことで客観的になれるし、自分たちの曲に対して堂々と文句が言える(笑)。それによって風通しの良いポップなものになったんじゃないかなと」(imai)。

スキルに磨きをかけ、客観性を保つことでポップに自立した作品を作り上げつつ、そこに割り切れない謎を持ち込んでしまうところがまた彼ららしい。「演歌を自分なりに解釈した」(cp)という“CRISIS”では、コブシの効いた歌を披露したかと思えば、場末の呑み屋でクダを巻いているような独白が挿入される。“ORIENTATION”は、静謐な音のなかでペアルックを呪詛する言葉が吐き出され、やがて寂寥感と狂気に場が呑み込まれていくような展開を見せる。人懐っこいけど掴みどころがない……そんな両立することのない要素を何食わぬ顔で同居させてしまっているのが恐ろしい。

「いまって音楽に限らず、最初から答えが出ているものばっかりじゃないですか。自分たちは〈これはなんなんだ〉って思わせるものを作りたいんですよね」(cp)。

「誰も聴いたことのない新しいもの=ポップだと思うんです。それがこのアルバム(笑)。そう言っちゃうくらい自信があるんですよ。ずっとやってきて、ようやくこのレヴェルで形になったなと」(imai)。



▼group_inouの作品。

左から、2008年作『FUN』、2010年作『_』、2012年のシングル『MONKEY/JUDGE』(すべてGAL)

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