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インタビュー

『The Apples』に実った吉井和哉のルーツ&影響を受けているアーティストを紐解く

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年05月30日 17:03

更新: 2011年05月30日 17:03

ソース: bounce 330号 (2011年3月25日発行)

インタヴュー・文/金子厚武

 

吉井自身が〈中学生アルバム〉と語っているように、『The Apples』は彼のルーツが明確に反映された作品となっている。ローリング・ストーンズかプライマル・スクリームかといった感じのロックンロール・ナンバー“VS”、ジョイ・ディヴィジョンやエディターズを意識したというニューウェイヴ調の“イースター”、ジョニー・キャッシュを彷彿とさせるカントリー“HIGH & LOW”、そしてビートルズもしくはオアシスが背景にありながら、もはや〈吉井節〉といった印象を受けるミディアム・バラード“FLOWER”などなど、根底にあるのはやはり洋楽への憧れ。しかしそこは吉井和哉、〈昭和〉なエッセンスも多分に含まれている。

「“クランベリー”なんてSABBRABELLSですからね。ジャパメタ時代に戻ってますよ(笑)。“CHAO CHAO”は歌謡曲の淫靡な匂いがすごく出てると思うんです。ピンク・レディーの曲なんじゃないかって思いますもん。“ペッパー警部”じゃねえかって(笑)」。

そもそも新作の起点となったのは〈歌謡グラム〉を作ろうということだったらしく、“ACIDWOMAN”や“おじぎ草”といった曲が初めに作られたのだが徐々にアイデアが膨らんでいき、ヴァラエティーに富んだ作風に繋がったのだという。とはいえ、まさしく〈歌謡グラム〉な“ACIDWOMAN”、バンド時代に由紀さおりの“夜明けのスキャット”をカヴァーしていた吉井らしい昭和歌謡への愛情が伝わる“おじぎ草”の2曲は、さまざまな音楽を愛する彼にとっても根幹に近い位置にあるものだと思う。

「このアルバムっていうのは、いままで作ってきた楽曲全部の球根だと思うんですよ。“ACIDWOMAN”が“Tactics”や“BURN”(共にTHE YELLOW MONKEY)になったのかもしれない」。

そんな彼の最近のお気に入りは、やや意外なところで〈アメリカン・アイドル〉出身のシンガー、アダム・ランバートなのだという。

「歌ももちろん上手いんですけど、サウンド・プロダクションが最高だと思うんですよね。ものすごくわかってる人間が作ってる感じがして。ティーンエイジャーももちろん聴くだろうし、そのお母さんやお父さんも巻き込める楽曲の遺伝子っていうのがあると思うんですよ。世代を越えて何周かして、〈ああ、これアレだよね〉みたいな。だから今回のアルバムも2世代で聴いてくれたら最高だと思いますね」。

 

▼関連盤を紹介。

左から、ローリング・ストーンズのベスト盤『The Rolled Gold+』(Abkco)、プライマル・スクリームの91年作『Screamadelica』(Creation)、ジョイ・ディヴィジョンの79年作『Unknown Pleasures』(London)、 エディターズの2009年作『In This Light And On This Evening』(Kitchenware)、ジョニー・キャッシュのベスト盤『Wanted Man: The Johnny Cash Collection』(Sony BMG)、ビートルズの65年作『Help!』(Apple)、SABBRABELLSの83年作『SABBRABELLS』(EXPLOSION/キング)、ピンク・レディーの77年作『ペッパー警部』(ビクター)、由紀さおりの69年のシングル“夜明けのスキャット”(EMI Music Japan)、アダム・ランバートの2009年作『For Your Entertainment』(19/RCA)

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