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インタビュー

マイケミに刺激を与えた(かもしれない)作品を通じて、〈Danger Days〉の持つ普遍性と同時代性を探ろう!

 

DAVID BOWIE 『Diamond Dogs』 RCA/EMI(1974)

ジョージ・オーウェル著「1984年」に触発され、恐怖の近未来を描いたコンセプト・アルバム。ジェラルドによると〈Danger Days〉は本作の影響下にあるそうだが、ボウイのロック盤のなかでもUS、とりわけサザン臭の強い作りで、言われてみれば確かにそんな感じも!?

MAROON5 『Hands All Over』 Octone/ A&M(2010)

ロック界一のモテ男、アダム・レヴィーン率いる5人組が、AC/DCやフォリナーを手掛けたロバート“マット”ラングと共に80sメインストリーム・ロックの再解釈に挑んだ最新作。曲調こそ違えど、その試みは〈Danger Days〉におけるマイケミの挑戦に通じるものだ。

OASIS 『(What's The Story) Morning Glory?』 Creation(1995)

オアシスが〈ビートルズっぽさ〉をバンドの個性に変えた2作目。〈Danger Days〉収録のバラード“S/C/A/R/E/C/R/O/W”におけるメロディー展開やゴージャスなコーラスは、あきらかにオアシスやビートルズから影響を受けているような気がする。

ADAM LAMBERT 『For Your Entertainment』 19/RCA(2009)

ロブ・キャヴァロが関与している作品だけあって似ているのは当然かもしれないが、ハード・ロック好きなアダムの音楽趣味が窺えるグラマラスかつキッチュなポップ・チューンは、改めて聴き返してもやはり〈Danger Days〉的だ。

EARL GREYHOUND 『Suspicious Package』 Future Sounds(2010)

〈Danger Days〉収録の“Destroya”はレッド・ツェッペリン由来のファンキーなグルーヴがたまらない逸品だが、もちろんそこには単なるルーツ回帰に止まらない眼差しも感じられる。同じくツェッペリン魂をモダンに蘇らせるこのNYの3人組も然り。

MC5 『Kick Out The Jams』 Elektra(1968)

プロト・パンクの影響を反映させたロック作品を作るというアイデアのもと、マイケミはアルバム作りに着手したそう。結果は想像以上に多彩な仕上がりとなったものの、当初の志はいくつかのナンバーに反映されており、ライヴ録音された本作の激しさをしっかり継承。

SCISSOR SISTERS 『Night Work』 Polydor(2010)

〈Danger Days〉の大きな特徴として、80sのエレポップ~ディスコを思わせるシンセ音とダンサブルなビートを大胆に採り入れたことが挙げられる。それはある意味シザー・シスターズの成功法を確信犯的にマネた、非常にいまっぽいアプローチとも解釈可能。

TINTED WINDOWS 『Tinted Windows』 S-Curve(2009)

いまの時代には珍しい正統派のパワー・ポップを新作で披露したマイケミ。その背景には、アダム・シュレンジャーの号令でテイラー・ハンソン、ジェームズ・イハ、チープ・トリックのバーニー・カルロスが集結したこのバンドの初作が大いに影響したのではないだろうか。

JERRY LEE LEWIS 『Live At The Star Club, Hamburg』 Philips/Rhino(1964)

〈Danger Days〉の本編ラストを飾る“Vampire Money”は、まさに〈パンク版ジェリー・リー・ルイス〉な爆走ロックンロール・チューン。〈ザ・キラー〉と恐れられたピアノマンの魅力を封じ込めた本ライヴ盤とタメを張る熱量を発している。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年11月24日 17:59

更新: 2010年11月29日 20:34

ソース: bounce 327号 (2010年11月25日発行)

ディスクガイド/山口智男

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