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インタビュー

Def Tech 『Mind Shift』

 

 

 

あのヴォイスハーモニーが戻って来る、あのクールなサウンドと熱いエネルギーが戻って来る――
Def Techの復活は、この国のポップ・ミュージックにとって幸福な奇跡だ。
 復活アルバムとなる4thアルバム『Mind Shift』は、彼らのダウン・トゥ・アースなサウンド&リズム、
さらに彼ら最大の武器である<天声>が高く高く響き渡る<新マスターピース>だ!

 

 「僕ら少し時間が経って年を取って、色々な見方が変わって、音楽作りながら楽しめるようになったんですよ(Shen)

 

 ―久しぶりの復活にして再開、おめでとう!

Shen「やっぱりDef Techいいなって(笑)。
僕達の声を重ねるとなんとも言えない声になるんですよね。
癒されるし、パワーも入ってるし、本当に<生きててよかったな>って思える
ハーモニーが久しぶりなのにすぐに生まれて。
僕ら少し時間が経って年を取って、色々なことへの見方が変わって、
音楽作りながら楽しめるようになったんですよ。
だから変な話、一度解散してよかったとも思うんです(笑)。
それによって次のステップにいけたので。
あと、子供ができたのは大きなきっかけになりましたね。
<赤ちゃんに会いたい>ってMicroが会いに来てくれて、
そこで久しぶりに話したんですけど、
2人とも生まれ変わったなぁって……今は最高っ!!」

 

Micro「Shenの赤ちゃんが生まれた時に、
奥さんから<仕事とか抜きに、この子のために子守唄をふたりで作ってくれませんか?>って
言われたんです。で、Shenを見たらやる気がある目をしていたから、
もう一度ここから始めようって作ったのが“Rays of Light”っていう曲だったんです」

 

 

 

 

 

 ―Def Techは巨大な結果を残してきたユニットです。再び始めるにあたって、
今度は結果が出せなかったらどうしようとかいう不安があったんじゃないかなと思うんですが。

 

Micro「音を作りながら、これが本当に人に伝わるのか? っていうことは思ってました。
やっぱり4年っていう時間が経ってしまったことは凄く残酷だし、
ソロやってる時にも「私は今高校生なんですけど、
Def Techを聴いてた時は小学生でした。懐かしいです」とか言われたりもして。
僕の中の悪魔サイドは<絶対無理だよ>と言うわけですよ。
「4年経ってCDも売れない時代になったことは、レーベルやってるお前ならわかってんだろ?」って。
でもかたやフロントマンとしての自分は、「俺らはやっぱり浮動票を動かしてきたし、
人生で2枚しか買ったことのないCDの1枚がDef Techだっていう人に何人も会ってきたんだから」
って言うんです。だから日々、葛藤がありましたね」

 

Shen「やり始めた頃<本当にカッコいい曲を作れるのか?>っていう不安があったんだけど、
“Emergency”って曲を作った時に、俺らやっぱりなんでもできるなって自信になったんです。
完璧なバランスが取れてるし、マネージャーだったり、ディレクターだったり、
音楽に対してもデザインとかに対しても、いろんな人のアドヴァイスを聴くことが
できるようになったんです。だからみんなのおかげでこういうアルバムができたんじゃないかな。
その考え方が前とは一番違います」

 

Micro「ある人のインタヴューを何回か受けている中で、200万枚売れた時に
「君達は人を幸せにすることができたのか?」って言われたのが凄く刺さったんです。
「果たして君は世界を変えることができたのか?」って、
あの問いかけから今に至る僕の戦いはまた始まったんですよね。
音楽でやるべきこと、自分のプライベート、
<僕は変えられたのか? 、変えられているのか?>っていうのは
1日1回でも思わない日はなかったんです。
だからShenとも今は哲学とか思想の話をよくしてるんですよね。
……僕らの音楽は最初からお金のことも関係ないし、予算とかも考えたこともなくて……
このアルバムも1万2千円のマイクで完成してるし(笑)、一番シンプルな形でやっていて。
今回はCDの値段も原点回帰で1500円だし、<究極の9曲>って誰かが言ってましたが(笑)、
どちらかと言うと<求極の9曲>にしたいなと思ってて。
僕らはCDという盤で100万人の人に届けたいっていう思いと、1000万の共感っていうのを
ずっと言ってきているんですけど。
今度はこの音楽を聴いた子が、自分のフィールドでこの音楽と一緒に立ち上がっていくっていう、
プラスのスパイラルを生み出したいんです」

 

 

 

 

 

 

―時代はDef Tech全盛期よりもみんな切羽詰まってるし、何百倍もノイジーになってます。
そこに対してこの純粋な歌が刺さるのかどうか、リリースされてからが楽しみですね。

 

Micro「ほんと俺、100万枚か1万枚かどっちかだと思うんですよ(笑)」

 

Shen「でも今は<マインドシフト>するべき時だから、これを聴いた人の人生は変わると思う。
これまでの間、戦争とかいろんなことがあって、世界はぐちゃぐちゃになっているじゃないですか。
だからみんながちょっとマインドを変えないと、終わっちゃうと思うんです。
自分の子供達のためっていうより、まずは自分達のために今やらないと……
そのためにはたぶん、スマイルが一番力があると思うんです。
笑いながらみんなで動けばきっと変えれると思うんです」

 

―OK。これからもやってくんですよね?

 

Micro「はい。次辞めるって言ったら、罰金ですから!(笑)」

 

Shen「その罰金、ファンに払います(笑)」

 

 

■SONG LIST……『Mind Shift』

01.A-1
02.The Come Back
03.Catch me if you can
04.Surfer's Paradise
05.おんがく ♬ MUSIC
06.The Dub Dichotomy
07.Rays of Light
08.Dream
09.F.M.B!!

 

■LIVE……

Def Tech TOUR 2011 “The Come Back!!”
2/08(火) Zepp Tokyo
2/10(木) Zepp Nagoya
2/15(火) Zepp Fukuoka
2/17(木) Zepp Osaka
2/25(金) Zepp Sendai
2/27(日) Zepp Sapporo
3/03(木) Zepp Tokyo

 

■PROFILE…Def Tech(デフ・テック)

 ShenとMicroの二人によるクリエイター・ユニット。
1stアルバム『Def Tech』(2005)、2ndアルバム『Lokahi Lani』(2005)、
3rdアルバム『Catch The Wave』(2006)を発表し、3作連続で驚異的セールスを記録。
 

 

   
記事内容:TOWER 2010/10/20号より掲載

カテゴリ : COVER ARTIST

掲載: 2010年10月20日 11:57

ソース: 2010/10/20

鹿野 淳(MUSICA)