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インタビュー

最注目の音楽都市、ポートランド・シーンの成り立ちとナイスな現状――(1)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年03月04日 20:00

更新: 2010年03月04日 20:02

ソース: bounce 318号 (2010年2月25日発行)

選・文/村尾泰郎

 

アメリカ西海岸北部、オレゴン州の懐深い自然に囲まれたポートランドには、代々〈インディー精神〉が受け継がれてきた。70年代、すっかり俗っぽくなったサンフランシスコやLAを見限って北上してきたビートニクやヒッピーたちが、ポートランドにコミューンを形成。やがて、西海岸一リベラルな気風と美しい自然に惹かれて、全米中からアーティストが移り住むようになったのだ。

そんななか、ポートランドのロック・シーンが活性化しはじめたのは90年代頃。シアトルでサブ・ポップ、オリンピアでKやキル・ロック・スターズなど、近隣の街で次々とインディー・レーベルが立ち上がると、ミュージシャンが続々とポートランドにも集まりはじめた。その代表的な存在が、エリオット・スミスやスティーヴン・マルクマスだ。そして、そこで形成されたインディー・シーンが成熟を迎えて、2000年代には世界的なブレイクを果たしたガレージ・バンドのゴシップをはじめ、M・ウォードやローラ・ギブソンといったシンガー・ソングライター、〈ポートランド音響派〉のイーサン・ローズなど、さまざまな顔ぶれが注目を集めるようになる。その多彩さこそがポートランド・シーンの特徴であり、東のブルックリンに対して、ポートランドは西海岸でもっとも注目される音楽都市になったのだ。では、10年来の住人からナマの声を。

「この街は音楽をやるには最高の場所だよ。いろんなバンドがここに移って来ては、また出て行く。だから特定のシーンがあるというよりは、小さなシーンが混在している感じなんだ。活気があって、ずっと生き残っていくアート・コミュニティーだと思うね」(ジェイソン・ビューラー)。

 

▼ポートランドを語るうえで欠かせない面々の作品。

左から、エリオット・スミスの95年作『Elliott Smith』(Kill Rock Stars)、スティーヴン・マルクマスの2001年作『Stephen Malkmus』(Matador)

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