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インタビュー

DATASPEAKER(2)

メジャーでやるなら、いろんな人を呼ぼうと

――アルバムは全曲にフィーチャリングのヴォーカリストやMCを迎えているわけですけれども。そういうアルバムにしようという構想は最初からありました?

「そうですね。メジャーでやるのにインストの意味もないかなと思って。せっかくできるなら、いろんな人を呼んでやろうかな、と」

――そして、集まったメンツが非常に豪華なわけですけれども。まず最初に声を掛けたのはどなたでした?

「Kjですね」

――Kjさんとの制作作業はどんな感じだったんでしょう?

「俺がデモを作って渡して、〈いいじゃん! じゃあ、いつスタジオに入る?〉みたいな感じでしたね。前から付き合いもあったし、プライヴェートでセッションしたりもしてたんですよ。お互いの音がわかっていたのでそういうこともできたんだと思います。歌詞もKjに書いてもらおうと思ったんですけれど、〈アイニが言いたいことあるなら、俺が歌うよ〉って言ってくれて。〈いいヤツだな〉って(笑)。そんな感じでスムーズにいきました。2人でビートの話をしたり、ギターのアルペジオの曲が気持ちいいよねっていう話をしたりして。適当に弾いて〈これヤバいね! 俺にも弾かせて〉みたいなノリですね」

――この“VIVID IN LIFE”という曲には、最近のDragon Ashに通じるテイストもあって。単にアイニさんのトラックでKjさんが歌うだけじゃなくて、いっしょにクリエイトした感じがあるんですよね。

「そうですね。以前からの付き合いの流れがあったんで、お互いにやりたいことができたんじゃないかと思います」

――Kjさんも付き合いは古いですけれども、RIZEのJESSEさんとも付き合いは古いですよね。

「JESSEもそうだし、LOONIEも元mach25だったんで、古いですね。10-FEET、山嵐、B-DASHもsmorgas時代から対バンしてましたから」


――曲ごとにフィーチャリングのやり方は違いました?

「違いましたね」

――じゃあ曲ごとに訊こうと思いますけれど。まず10-FEETのTAKUMAさんとの“LOVE ME TRUE”は?

「最初に2~3曲作っていて、TAKUMAには聴いてもらっていたんですけれど、10-FEETが忙しくてなかなかスケジュールがとれなくて。結局いちばん最後にレコーディングしたんです。ということもあって、このアルバムのなかの曲としてどういうアレンジをして、TAKUMAがどう歌ったらいいのかをずっと考えてましたね。いちばん揉んだ曲だという感じがします」

――では、BREMENのElyさんとの“FIBERSCOPE”は?

「Elyちゃんにも2曲くらい書きましたね。最初はレディ・ガガみたいな感じの曲も作ったんです。それを歌ってもらったりして、それはそれでもちろん良かったんです。でも自分としてはしっくり来ないなあと思って。結局、ワン・コードでザックリ作ったのがこの曲だったんです。Elyちゃんに〈これやってみない?〉って言ったら、彼女なりの解釈で歌ってくれた。それがすごく良かったんですよね。それまで彼女はクラブ・シーンの人だと思ってたんですけれど、前はバンドをやってた、ロックで歌ってた、という話を聞いて。だったら激しい音もいいかなって思って、そのままのアレンジになりましたね」

――TAKUMAさんとElyさんとの曲は、Kjさんとの曲とは対照的に、その人の〈味〉にはあえて寄ってないですよね?

「そうですね」

――それで言うと、B-DASHのGONGONさんとの“BUT I CAN SAY”もそういう印象がありますけれど。

「GONGONとの曲は、最初はいわゆるアメリカン・ロックみたいな感じだったんです。ポップなスリー・コードの明るいパーティー・チューンみたいな感じで作って渡して、仮歌を入れてもらったんです。そのメロディーをそのままに、トラックをマイナー・キーにしてアレンジしてみたら、この感じもいいなと思った。セクシーな感じにしたんですよ。それでガラッと変わったデモを渡したら〈おっ、いいね〉って言われて。結局元の曲とは全然変わったんですよね」

――“BABY, BABY”でフィーチャリングしている壱岐尾彩花さんはどういった経緯で参加したんでしょう?

「彼女はたまたまiTUNESを見ていて知ったんです。ハードなエレクトロの感覚を持った子がなかなかいなくて。曲のコンセプトとしては硬い感じの音だったんで、そういう感覚に合う人を探していたんです。それで参加してもらった感じですね。実際に話してみたら彼女もそういうイメージの音楽が好きだったので。音楽的なセッションというよりは、俺の作ったものに詞を書いてもらって、声を乗せてもらったという感じです」

――“CITY TO THE JUNCLE”に参加している山嵐のSATOSHIさんとKOJIMAさんとはどんな制作でした?

「まず〈やってくれないかな?〉って言ってトラックを渡したんです。基本的にはそのトラックを元にして進んでいきましたね。他の曲は全部東京のスタジオで録ったんですけれど、この曲は湘南のライヴハウス、善行Zのスタジオで録ったんです。家も近いし、〈そこでいいんじゃない?〉ということになって。それで、SATOSHIが〈普通にしたくないんだよね〉って言って構成のアイデアを出して、その場で曲を組み替えたリリックを作ったりした。ヒップホップ的な作り方でしたね」

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2009年10月21日 18:00

文/柴 那典