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インタビュー

Bloc Party(2)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年10月30日 01:00

更新: 2008年10月30日 17:07

ソース: 『bounce』 304号(2008/10/25)

文/村上 ひさし

新しいことにトライしたい

 アルバムの共同プロデュースを手掛けているのは、デビュー作『Silent Alarm』のポール・エプワース(フューチャーヘッズ、マキシモ・パーク他)と、2作目『A Weekend In The City』のジャックナイフ・リー(U2、スノウ・パトロール他)の2人。つまり、デビュー作に漲っていたポスト・パンク~ニューウェイヴを彷彿とさせる蒼い精神性と、2作目でのダイナミックなグルーヴ感とが合体したとも言えそうで、彼ら自身も「僕らにとっては、いままでの集大成みたいな感じかな」とコメント。だが、深く洞察して練り込んだというよりも、バンドの持つ勢いや瞬発力がそのままサウンドへと転化されている。その際に有効だったのがエレクトロニックなビートやプログラミングだった、というニュアンスだろうか。そもそもデビュー当時からキーボード使いがユニークだったし、ブレイクビーツをブツブツと刻んでいた彼らのこと、実は本人たちにとってはそれほど驚くような変貌でないのかもしれない。

「音楽的影響って意味でいうと、ポップ・ミュージックにはここ最近あまり変化が見られないよね。ただ、去年くらいからUKで盛り上がってきている〈ベースライン〉ってムーヴメントがあるんだけど、以前よく聴いていた2ステップ/ガラージの変化型みたいなもので、いまはそれをよく聴いている。ここ数年でおもしろいと思える唯一のムーヴメントなんだ。でもまあ、聴いている音楽はそれほど変わっていないかな。ディジー・ラスカルやビョークやミッシー・エリオットとか。たぶん僕らは……というか僕は、ミュージシャンとして何か新しいことにトライしたいと思う時期にきているのかもしれないね」。

アルバムに付けられたタイトルは『Intimacy』。人の〈温もり〉という意味を持つ言葉が掲げられている。

「う~ん、曲の多くは、人と人との関係性をテーマにしていて、だからこのタイトルがピッタリだと思えたんだ」。

  前作では、ドラッグ問題や移民問題、人種差別といった社会のダーク・サイド、恥部にメスを入れる曲が大半を占めていた。だが、そんななかにあって少年同士のロマンスを回想した、いわゆるケリーのカミングアウト・ソングである“I Still Remember”や“Sunday”などで少しだけ開いてみせていた心の扉を、今回はついに開け放っている。『Intimacy』はケリーにとって、終わった恋をテーマにした〈別離のアルバム〉であるらしい。ちなみにジャケット写真は、男性同士がキスをしていたスウェードのデビュー・アルバム『Suede』がモチーフとなっている。これまでいまひとつ明確ではなかったブロック・パーティーの立ち位置や美学、アート・ロックを体現するバンドとしての自負を感じさせてくれる一枚が完成した。彼らの肉声が聴こえる。実像が見えはじめた。

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