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インタビュー

Panic At The Disco(2)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年04月24日 17:00

更新: 2008年04月24日 17:27

ソース: 『bounce』 297号(2008/3/25)

文/インタヴュー・文/山口 智男、キーワード解説/宮原 亜矢

おのずと音楽だって変わるんだよ

 2005年にリリースしたデビュー・アルバム『A Fever You Can't Sweat Out』のたった1枚で、エモ・シーンにダンサブルなエレポップ・ブームを巻き起こしたこの4人組は、あっという間にブレイクを成し遂げた。そのセンセーショナルな人気は、まさにロック・シーンの寵児という言葉が相応しいだろう。

「デビュー・アルバムに比べて、今回の新作を耳にする人が増えることはわかっていた。正直、ちょっと怖いとも思ったよ。だけどそれが新作に影響したかというと、しなかったと自信を持って言えるね」(スペンサー・スミス、ドラムス)。

 その言葉どおり、彼らはダンサブルなエレポップ・サウンドをあっさりと切り捨てて〈脱エモ〉を図ったと共に、全編にオーケストラを配したサイケ・ロックな音作りに挑んでいる。

「両親の影響でビートルズを聴いていたから、もともとそういう曲を作りたいとは思っていたんだ。いかにもなバンド・サウンドじゃなくて、もっとスロウな曲をね。デビュー・アルバムを作った時もそういうアイデアはあったんだけど、時間とオーケストラを雇う予算がなかったんだよ(笑)」(スペンサー)。

「今回は自分たちが思うように曲を作ることができたよ。ビートルズ、ゾンビーズ、クイーン……昔のロックもたくさん聴き、凄いと思えるスタイルはどんどん吸収していったんだ」(ブレンダン)。

「自分たちが楽しいと思える楽曲を、ただひたすら作ったって感じかな」(ライアン・ロス、ギター/キーボード)。

『Magical Mystery Tour』を意識したと思しき“Nine In The Afternoon”に顕著なように、中期ビートルズからの影響はあきらかだ。しかし、本作にはそういったサイケ・ロック・ナンバー以外にも――例えばバウンシーなソウル・チューン“She's A Handsome Woman”、オールド・タイミーなジャズ曲“I Have Friends In Holy Spaces”、ミュージカルの名残が聴き取れる“Behind The Sea”、カントリー・フレイヴァー濃厚な“Folkin' Around”、クラシカルなチェンバー・ポップ“She Had The World”、ファンキーなロックンロール“Mad As Rabbits”などなど――バンドの目論見どおり多彩な楽曲が収録されている。だが、それだけいろいろな曲が揃っているにも関わらず、不思議なほど統一感を感じられるところが本作の完成度の高さと、そして何より彼らが確固たる世界観を持ってサウンド作りに臨んでいることを物語っているのではないだろうか。

「これを聴いたら、ファンはきっとビックリすると思うんだよね。でも僕たちもずいぶん成長して、考え方も変わったんだ。前作と同じようなサウンドを作ることはファンに対しても自分たちに対しても偽ることになる。バンドが成長すればおのずと音楽だって変わるんじゃないかな」(ライアン)。

 新作における変化と著しい成長は、ロック・シーン全体を驚かせるに違いない。しかし、新しい音楽を作り上げる喜びをたくさんの人と分かち合いたいと願うメンバーのポジティヴなヴァイブが作品全体から滲み出ているこの『Pretty. Odd.』は、驚き以上に多くのリスナーを虜にするはずだ。

「前よりもいいと思える作品が完成したという意味で、『Pretty. Odd』はデビュー・アルバムよりも気に入っているよ。だからこそ、みんなに聴いてもらいたいんだ」(ブレンドン)。

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