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インタビュー

メンバー個々の多彩な活動から、『anonymoss』への道程を読む

 〈YMOのカヴァー集が完成〉という知らせを聞いたanonymassのファンは、ひょっとすると驚きよりも納得のほうが大きかったかもしれません。権藤知彦はYMOの面々のサポートとして活躍し、HASYMOでは編曲も手掛けているほど御大たちから絶大な信頼を得ている音楽家(LOVE PSYCHEDELICOからコトリンゴまで、さまざまなタイプのアーティストとも共演している)。なのでYMOのファンからもアトム・ハート(セニョール・ココナッツ)同様にエールを送られる存在なのだろうと想像するわけです。

 で、他のメンバーの活動のなかからYMOとの接点を見てみると、まず湯川潮音やハナレグミのバックでも名を馳せる山本哲也は、鈴木惣一朗や高田漣のライヴ&レコーディングでその手腕を奮っています。つまり彼は近年の細野晴臣をサポートする〈チルドレン〉たちと共に活動する音楽家なのです。次に、フェイ・ウォンやbirdとの仕事でも知られる徳澤青弦は、YMOチルドレン、どころか教授の実娘である坂本美雨のプロデュースを手掛けている人。そして、CMや映画音楽の世界で数多くの仕事を残している神田智子(Saigenjiも在籍していたブラジリアン・バンド、バスタンチの一員でもあった)は、といぼっくすによるYMOカヴァー集に参加し、歌声を披露しています(なお本作には細野も参加)。

 最後に一言。anonymassの面々がYMOから大きな影響を受けたのは、その音楽性だけでなく、いまもさまざまな分野で多彩な仕事を行っている〈お三方〉のヴァイタリティーそのものなのでしょう。彼らもまた多彩なソロ活動を行いつつ、音楽シーンを活気づけているのですね。
▼メンバーたちの参加作などを紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年03月13日 23:00

ソース: 『bounce』 296号(2008/2/25)

文/桑原 シロー

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