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インタビュー

畠山美由紀 with ASA-CHANG & ブルーハッツ

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年10月18日 22:00

ソース: 『bounce』 291号(2007/9/25)

文/桑原 シロー

彼女には歌いたい歌があった――その願いを叶えるために、一夜限りだったはずの青い帽子を被ったビッグバンドがふたたび集結! より団結力を増した、ひと味違う個性的なビッグバンド・サウンドを聴かせてくれるぞ!!


 昨年の2月8日に一夜限りのライヴを行って、僕たちの前から姿を消したあのブルーハッツが復活すると聞いて、〈こりゃめでたい〉と喜んだものだが、そこに畠山美由紀が加わると知った時には、思わず息を呑んだ。何て素晴らしい組み合わせだろうかと。そして、その時に得た胸の高鳴りはアルバム『わたしのうた』を聴きはじめてふたたび蘇った。予想を超える素晴らしい作品だったからだ。

「スタッフから〈畠山さんといっしょにやりませんか?〉って声をかけていただいた時は、簡単に〈やりましょう〉とは言えなかった。ビッグバンドを動かすのはどれだけ大変かってことを訥々と話しましたよ。ひょっとしたら〈何て腰の重い人だろう?〉って思われたかもしれない。でも最終的に〈ブルーハッツで歌う畠山美由紀を聴いてみたい〉っていうスタッフのシンプルな言葉が僕を動かした」(ASA-CHANG、ドラムス)。 

 さまざまな方面で活躍しているメンバーたち。が、今回ひとりも欠けずに集合しているのだ。「まさか、こんなに早く再結集できるとは」というASA-CHANGのひとことはきっとメンバー全員共通の思いだったろう。そして16人+1へ。ところで、畠山美由紀は今回メンバーの半分くらいと初顔合わせだったそう。

「このプロジェクトが動き出す前、ブルーハッツのメンバーの皆さん宛に手紙を書いたんです。皆さんとしても〈一夜限りはもったいない〉って思っていた方が多かったみたいです。今回私はすごく温かく受け入れていただいたな、って感じがしてるんです」(畠山美由紀、ヴォーカル)。

 レコーディングは基本的に一発録りを実践。ホーン・セクションや他の楽器をセパレートしない録音スタイルを採って、生々しく勢いのあるサウンドを生み出すことに成功している。

「管楽器主体の集団だからってわけじゃないですけど、〈息〉が合うって表現がありますよね。あと心意気の〈意気〉。どっちの〈イキ〉も合ってくるモノなんです。そこがビッグバンドをやることの醍醐味ですから」(ASA-CHANG)。 

 本作にはゴージャスかつ芳醇な音が満載で、聴くたびにウットリしたりドキドキさせられたりする。ただ、彼らは単に娯楽性をウリにするバンドではない。かといってシリアスにアカデミックな風を吹かせてマニアを喜ばせるバンドでもない。

「歌謡曲なイメージだけでなく、しかも正統派っぽさだけでもない、ブルーハッツならではの絶妙な質感が欲しいなと思っていたんです」(畠山)。

「ラモーンズだってそうだけど(笑)、音楽の様式を飛び越えたバンドは格好良い。ブルーハッツもビッグバンド的な様式美のなかにあると思うけど、飛び越えてるじゃないですか、あきらかに。過去だの未来だの関係なく、いまここに実在するブルーハッツの音が生まれたってことを彼女は実感したんじゃないかな」(ASA-CHANG)。

「精神的な意味で〈裸〉な彼女を出せているんじゃないか」とASA-CHANGが言うように、畠山は本作で高らかに〈わたしのうた〉を歌っている印象を抱かずにはいられないし、またメンバーの演奏からもまた、これは〈わたしのうた〉ですという強い思いが伝わってくる。いまはとにかくこの17人による奇跡の一夜を、つまりライヴを観たくて仕方ない。この夏、〈フジロック〉での真昼の奇跡を観逃しちゃったもので。

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