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インタビュー

Caravan (J-Pop)(2)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年05月18日 18:00

更新: 2006年05月18日 20:36

ソース: 『bounce』 275号(2006/4/25)

文/鈴木 智彦

〈旅人目線〉って感じですかね

 人生は旅のようなもの。あらゆる人の一人旅がクロスして、出会っては別れていくようなイメージ。それは友人であっても、恋人であっても、家族であっても同じことなのかな、と。最期はひとり旅──それがわかっているからこそ、偶然の出会いやほんの束の間の二人旅や三人旅が大切なものだと知る。Caravanの音楽、特に今回のアルバムを聴いているとそんなことが次々と心に浮かんでは消えていく。

「生まれてすぐ南米に行って、その後もあちこち引っ越しを繰り返していたんですよ。いま住んでいるところも地元とかそういう感じではなくて、自分がどこの人なのかずっとわからなくて、そんなところから生まれている〈旅人目線〉って感じですかね。その旅の中で、いろんな象徴的なことやいろんな比喩になることがいっぱい起こる。それをとおして人生とか魂とか精神とかをカジュアルに伝えられたらなと思ってます。メロディーがあって、自分で歌うことができるからこそ、音楽だからこそ、それが伝えられるとも思っているんです」。

 彼がなぜCaravenと名乗っているのか、なんとなくわかるような気がする(僕の勘違いかな?)。

「自分がやりたいのは、歌詞が先とかメロディーが先とかではなくて、すべてがあってひとつの音楽。纏っている空気みたいなものを音楽にしたいと思ってます。〈歌詞が良い〉とか、〈メロディーが良い〉〈声が良い〉〈ギターが巧い〉とかっていうのは実はどうでもいいんですよね」。

 そうは言うけれど、そのすべてがひとつとなった彼の音楽は、多くの人の心を揺さぶりはじめているのではないかと感じている。リリースされた瞬間に爆発的にヒットするというタイプではなくて、ゆっくり静かに、でも確実に、時間はかかるけれど気がつけばいつまでも新しいCaravenのファンが増え続けているという立ち位置は、なんだかとても彼の音楽に似合っているとも思うし、今作もきっとそうなるだろうという確信もある。

「ライヴってその瞬間、そこにいる人たちと同じものをシェアしているっていうのがすごいな~と思うんです。スタジオで録音したものの発表会ではなく、ステージ(演奏者/歌い手側)と、聴いている人たちとの間で起こるコール&レスポンスの素晴らしさこそがライヴの素敵なところ。ツアーを通じて自分の音楽を伝えたい人たちというのが、以前よりも明確になってきた。自分の身近な人たちに向かって音楽をやっている、歌いかけているというイメージが以前よりもはっきりしてきてますよ」。

 昨年の〈Surf Rock Trip〉ツアーでの経験が、「歌詞とか、良いテイクの選び方とか……今度のアルバムのレコーディングにもいろんな部分で影響を与えていると思います」と語るCaraven。

「〈自分がやりたいことはなんだ? 綺麗にこじんまりとまとまったものではなくて、時には声がひっくりかえっちゃっててもいいじゃないか!〉というようなところなんかもそうですね」。

 旅の過程で出会った「佇まいやミュージシャンとしてのあり方に共鳴できる人たち」がたくさん参加して出来上がった今作。そこには、「一人でいることの大切さ」をしっかりキープし続けながら、いまこの瞬間に同じ空気をシェアしている多くの人たちと共に、さらにニュアンスを豊かにした音楽を奏で始めた彼の姿がはっきり刻印されている。

 別掲のコラムで挙げられている彼が影響を受けたというアーティストの数々を、僕も大好きであるという偶然に喜びを感じつつも、それらの作品以上にきっと長く聴き続けるであろう作品に出会えた喜びのほうが遥かに大きい。

 Thank You, Caravan! またどこかで会いたいね。
▼Caravanの作品を紹介。

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