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インタビュー

Jamie Foxx(2)

エッジの効いたものを作ってみた

 ジェイミーはすでにコメディー俳優としてキャリアを踏み出した94年に、最初のアルバム『Peep This』を自主リリースしている。残念ながら廃盤となっている同作は、鍵盤を主体にさまざまな楽器を操ったセルフ・プロデュースによる楽曲にロマンティックな歌を乗せた、とても余技とは思えないほど本気度の高い内容だった(というか、当時の日本で俳優としての彼はほとんど知られていなかったはずだ)。筆者が2000年にインタヴューした際には、〈セカンド・アルバムをディアンジェロやルーツと制作中だ〉と嬉しそうに語ってくれたものだが、その後の大出世もあってか一向に音沙汰はなく、先述の前段を経てようやく登場したのがおよそ11年ぶりのセカンド・アルバムとなった今回の『Unpredictable』ということになる。先行シングル“Extravaganza”に迎えたカニエ、トゥイスタやリュダクリスのような馴染みの面々をはじめ、スヌープ・ドッグやゲーム、コモン、メアリーJ・ブライジらが助演し、制作陣にはティンバランド、マイク・シティ、Mrコリパーク……とキャスティングは予想どおり豪華。セルフ・プロデュース曲がほとんどなくなったのは残念だが、これ以上望めないほどの贅沢な内容に仕上がっている。

「エネルギーに満ち溢れた作品になってるはずさ。ルーサー・ヴァンドロスやブライアン・マックナイトの路線ではあるけれど、もう少しエッジの効いた音楽をやってみたんだ。自分がファンだったアーティストたちといっしょにやることで、ただ思いのままやればいい、ってことを学んだよ。そういう経験は何事にも変えられないね。みんなが参加してくれたおかげで本当に楽しく音楽を作れたよ。スヌープなんて普通はリリックを書きとめたりしないでラップするのに、特別に今回は俺のために紙に書いてくれた。だからその紙を額に入れて飾ってるんだ。メアリーも最高だった! 彼女と歌って、そのソウルを感じて……長年この世界にいながら、いまも音楽への情熱が消えず、これからもベストであろうとする意欲に感動したよ」。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年03月23日 17:00

更新: 2006年03月23日 23:38

ソース: 『bounce』 273号(2006/2/25)

文/出嶌 孝次