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インタビュー

The Coral

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2005年06月16日 12:00

更新: 2005年06月30日 19:03

ソース: 『bounce』 265号(2005/5/25)

文/北爪 啓之

サイケでストレンジな持ち味はそのままに、格段の音質向上を実現させたコーラル渾身の一撃!!


 サイケの魂百まで。21世紀のUKシ-ンが誇る最良にして最若(平均年齢22.4歳!)の温故知新的ロック・バンドが早くもサード・アルバム『The Invisible Invasion』を上梓。まずなによりも特筆すべきは、ポ-ティスヘッドのエイドリアン・アトリー&ジェフ・バロウズがプロデュースを手掛けていることだ。

「サウンド的にはまったく結びつかないよね(笑)。でも以前から彼らのような奥深く質の良い音で僕らもレコ-ディングしてみたらおもしろいかも!って思ってたんだ」(リー・サウゾール、ギタ-:以下同)。

 確かに表層的なカラ-はまるで異なる両者だが、ポ-ティスヘッド特有のアシッドな酩酊感を〈ヒップホップ世代のサイケデリア〉と解釈すれば、実はそう遠い関係でもない。

「ブリストルのスタジオでデモを録ったときから息が合ってたんだ。意見や発想も似ていて、いまやとてもいい友達だよ」。

 では彼らの影響は具体的にはどのようなカタチで表れたのだろうか。

「ふたりの手に掛かるとサイケなギター・ノイズも浮き過ぎないで、他とのバランスが抜群に良くなる。ベ-スラインや下位の音を活かすのも巧みで、いい意味でボトムスが目立つんだよ。それと不思議なテクスチャーを持った音像を散りばめるのも得意だよね」。
 これまでの作品に比べてもサウンドの奥行きが広がり、音の立体度が格段に高まっているのは一聴瞭然。そのぶん空間を浮遊するアシッド感も3割増しだ。ところで影響という点ではもうひとり興味深い人の名が挙がっている。

「“Arabian Sand”はサルバドール・ダリ(時計グニャリの絵でお馴染みの前衛画家)にインスパイアされているんだ。彼は想像もできない事柄を絵にする人。想像しない音を音楽にする僕らと近いものがあるよね」。

 ダリのシュール極まりない作品群は当然サイケの源流でもあるから、やはりコ-ラルはあきらかに〈サイケ・バカ一代〉なのである。では彼らにとって〈サイケ〉とは一体なんなのであろうか。

「一言でいえば〈ストレンジ・ノイズ〉かな。サウンドスケ-プ全体のことであるのと同時に、不思議なギターのエフェクトであったり、キーボードが変な音を出していたり……、つまりキレイに収まってない感じ。サイケデリックでも〈イイ方向〉な人と〈ちょっと勘違い〉な人がいるんだよね。勘違い組は単に音を派手に詰め込んでるだけの連中。でもジミ・ヘンドリックスやピンク・フロイドはちょうどいいバランスを保ってるんだ」。

 そうそう、確かにサイケとド派手を履き違えている輩は多い。コ-ラルの音楽性は(特に日本のリスナ-からは)少し地味に思われているようだが、注意深く耳をそばだてれば、その印象は大きく変わるはずだ。

「僕らは派手な衣装で派手なパフォ-マンスをするわけじゃないしね(笑)。でもそういったファッション性や一過性のものとして捉えられるよりは、ずっと特異な存在であり続けたい。今作も簡単な言葉で表現するのは難しい。長い時間をかけて作ったアルバムなので、むしろリスナーのほうが客観的にキ-ワ-ドを見つけられるような気がするよ」。

 豊潤なテクスチャ-が編み込まれた、現在進行形リアル・サイケデリックの逸品。それがいかに〈イイ方向〉に邁進しているかを、ぜひアナタの耳で確かめていただきたい。
▼コーラルの作品を紹介。


2003年のミニ・アルバム『Don't Think You're The First』(Deltasonic)

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