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インタビュー

山嵐

全13曲にフィーチャリング・アーティストを迎え、山嵐の〈New〉な面がこれでもか!と映し出されたニュー・アルバム『COLORS WATER MUSIC』到着!


 山嵐といえば、やはりゴツッとしたヘヴィー・ミクスチャーなサウンドのイメージが強かったりする。しかし実際のところ、枠に囚われないさまざまな音楽のエッセンスを採り入れ、バンドの可能性を広げてきたバンドなのである。たしかに前作『マウンテンロック』は、彼らの根っこにあるヘヴィーさを全面に押し出した作品だった。自分たちの初志を存分にひけらかして、次への準備に取り掛かるかのように。そして案の定、山嵐が新作『COLORS WATER MUSIC』で映し出した世界は、前作とはガラリと趣を変えたものになった。全曲にフィーチャリング・アーティストを起用してのアルバムなのだ。

「以前からベースの武史が、音楽を通しての友達と〈今度いっしょにやろうよ!〉って話をしてたんです。それをきちんと形にしようとしたら、結局全曲やることになって(笑)」(SATOSHI、ヴォーカル)。

「山嵐の音楽に乗っかってもらうっていうより、一曲ごとに新しいユニットみたいな気持ちで作ったんです。それぞれの音楽に対する捉え方とか、勉強になりましたね。いっしょにやって、いろんなもん引き出されて、こんなになっちゃった!みたいな(笑)。不思議な体験ができましたね」(KOJIMA、ヴォーカル)。

『COLORS WATER MUSIC』に参加した13組のアーティストは、ほとんどが彼らの友人、知人たち。同じ地元の湘南乃風、大蔵(ケツメイシ)をはじめ、UZI、NG HEAD、SELMON、SOFFet、BAMIUDA、HAB I SCREAM(SOUL SCREAM)、MOOMIN、ラッパ我リヤ……山嵐とのコラボレーションで、生バンドのグルーヴというものを初めて堪能したというメンツも含め、その、楽しげな空気感はアルバムからバッチリ伝わってくる。さらにMONGOL800のキヨサクも参加。AKEEYに至ってはストリート・ファッション・ブランドのデザイナーだ。そして、唯一の初対面となったLeyona。シングル・カットとなった彼女との“La La Singin' Music”は、これまでの山嵐では考えられないメロウなナンバーとなっている。

「以前は女性アーティストとやるなんて考えもしなかったですね。もう、声のきれいさに感動しました」(KOJIMA)。

 ところで、アルバム・タイトル『COLORS WATER MUSIC』にはどんな思いが込められているのだろう。

「キヨサクと武史が、〈水〉の話をしてたんです。水は深いものだって。〈ありがとう〉って声をかけると結晶が出来るけど、〈バカヤロー〉って言ってると出来ないとか。ちゃんと気持ちを込めれば良いものができる、それはステキだなと(笑)。人も地球も水だし、そこにいろんな色があって、それ全部を繋げるのが音楽。このタイトルつけて、アルバム全体がリンクしてくると思えたんです」(SATOSHI)。

 ゴリ押しよりもメロディー感の強いナンバーが占め、歌詞でも初のラヴソングがあったり。山嵐のなかの新しい引き出しがいくつも開けられた本作は、彼らのキャリアにおいて大きなものとなるに違いない。リスナーには『COLORS WATER MUSIC』の、どんな部分を感じ取ってほしいのだろう。

「例えば、以前のイメージを強く持ってる人も、Leyonaとの曲だけでアルバムの色を決めつけるんじゃなく、トータルで表してるものを感じ取ってくれたらうれしいな。楽曲もカラフルだし、どの曲も欠けてほしくないって作ったんで、そこを聴いてほしいですね」(KOJIMA)。

「オレ自身も作り始めたころ、いままでになかった色に一瞬戸惑って。でも、そこを取っ払って、人と出会って音を作るってところから素直になれたんで、そういう気持ちで聴いてもらえたらうれしいです。素直に自然に」(SATOSHI)。

▼山嵐のアルバムを紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年02月12日 12:00

更新: 2004年02月12日 18:02

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/土屋 恵介