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インタビュー

Elephant Man(2)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2004年01月15日 16:00

更新: 2004年01月15日 17:31

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/池城 美菜子

〈これはヒットするな〉ってピンとくる

 ところで、ヒップホップ畑から招かれたリル・ジョンは強力なダンスホール・レゲエ好きらしい。

「(リル・ジョンの)“Get Low”のリミックスに招かれた縁で、俺のアルバムにも参加してもらったんだ」。

 ちなみに9月にNYで行ったエレのライヴの際も、リル・ジョンは有名なピンプ・カップを持って嬉しそうに足を上げていた。異種交換コラボはほかにもある。「ジャマイカまでわざわざやって来てくれた」ウータン・クラン一派のキラー・プリーストと、「ジャマイカ出身の美声シンガー」とエレが絶賛するR&Bのジミー・コージエ。だが、どっちの曲も仕上がりはレゲエだ。

 レゲエでは同じトラックで何人ものアーティストが曲を作り、旬の音を鍛えていく仕組みになっている。新譜にはその〈最先端リディム〉も満載されている。

「自分の文化を表現するためには、ハードコアなリディムを使うのがいちばんわかりやすいと思うんだ。スタジオから出てきたばかりのホットなトラックを届けられるようにがんばったよ」。

 R・ケリーにネーナにセリーヌ・ディオンに〈ロッキー3のテーマ〉(=サヴァイヴァー“Eye Of The Tiger”)。キャッチーなメロディーをあちこちから引っ張ってきて、レゲエに仕立て直す才能の持ち主。

「本物のアーティストだったら新しいリディムを耳にした途端、自然にそのリディムが語りかけて来るものなんだよ。“Fan Dem Off”のリディムを耳にした途端、“Eye Of The Tiger”のメロディーがパッと浮かんできた。実際に耳に入ってくる音と、頭の中にある音楽がうまく合わさった時、〈あ、これはヒットするな〉ってピンとくるんだ」。

 大御所にあえて頼らずに若手プロデューサーを起用し、ヒット曲を一緒に作って彼らを〈育てる〉のもエレの特徴。去年、「これから来るヤツ」として紹介してくれたドノヴァン“ヴェンデッタ”ベネットは、予測どおりいまやトップ・プロデューサーのひとりだ。

「自分が生命を吹き込もうとしている音楽に対して理解があるプロデューサーが好きだ。俺が何をしたいのか、何を言いたいのかわかっていないと。そこを適当に流すタイプの人はダメだね。ドノヴァンやベイビー・Gは友達で、スタジオに入ってメモを取りながら、次は何をしようか、って話し合うんだ」。
人々に音楽を届ける役割がある

 彼の比較的新しいニックネームが〈エナジー・ゴッド〉。スタジオやステージでマイクを握った時の破壊力の凄さから付けられたものだ。そのエネルギーの源は、自分に与えられた役割に対する自覚。

「お金のためだけにやってるんじゃない。俺は生まれつき人を楽しませる才能に恵まれていて、それを使って人々に音楽を届ける役割がある。つまり、レゲエを広げる役割だ」。

 そうか、やっぱり〈レゲエ大使〉なわけである。NYのコンサートでヤンキース・松井秀喜のユニフォームを着ていた件を指摘したら、「あ、日本人の選手のやつだったんだ? ヤンキースのグッズが流行ってたから着ていただけだよ……ごめん!」と恐縮する心優しいところと、「俺が一番!」との強気なところが同居する。エレファント・マンはローカル・ヒーローとしての自分を変えずに、インターナショナル・スターとして羽ばたこうとしている。そういう意味でも〈レゲエのネクスト・レヴェル〉を担っている。『Good 2 Go』、確認されたし。

▼エレファント・マンが参加/客演した作品の一部を紹介。

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