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インタビュー

オレンジレンジ

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2003年12月25日 11:00

更新: 2003年12月25日 18:34

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/宮本 英夫


〈新人類〉である。って、いきなり死語からはじめてみたが、あまりにも屈託がなく、あくまでもあけっぴろげで、旧来のロック的な美意識に何のこだわりもないこのロック・バンドに対して、〈新人類〉と言わずに何と言うのか。デビューからわずか半年、4枚連続リリースしたシングルをすべてヒットに結び付け、ルックスの良さと沖縄出身という話題性も相まって、すでに人気は雑誌の表紙クラスである。しかし音楽的にあまりに雑多、顔は出まくっているのにその本質はいまだに〈謎〉という、不思議な存在感が非常に気になる。初アルバム『1st CONTACT』の完成を機に、目の前に座っているギターのNAOTOに、いったいORANGE RANGEの音楽的なポリシーとは何ぞや?と、直球のクエスチョンをぶつけてみる。

「聴いてて気持ちいいものは、自分たちがやっても気持ちいい。それを採り入れたらもっと気持ちいい曲ができるから、聴いてる人もきっと気持ちいいだろうと。だから、いいものは参考にしてやったほうが、とっつきやすいし、いろんな人が聴けるし。たとえばこのメンバーの中に、本物の、めちゃくちゃロックが好きな人はいないんですよ。〈ロックに詳しいぜ〉とか、〈ファンクに詳しいぜ〉とか、そういう人は1人もいないから、自然にそうなってます。もともと音楽はあとからついてきたバンドだから、みんな手探りで、〈じゃあ、これとこれとこれを足そう〉とかやってる。とりあえず全部に触れておいて、参考にできるものは全部参考にしようと。オレたちの中の合言葉は〈パクろうぜ!〉です(笑)。まずはカヴァーするんですよ。で、ここをわかんないようにしようとか、ここ使ったらバレるだろ、とか話し合う(笑)」(NAOTO:以下同)。

 高田延彦の自伝並みにシュートな発言だが、マジかジョークかはともかく、そこにネガティヴな要素をまったく感じないのが何だか新しい。思うに、愛情に満ちた模倣と誤解の限りない積み重ねがロックという音楽である、とも言えるわけで、考えようによってはサンプリング思考である。それより何より、ORANGE RANGEの出す音が、そんな先入観を吹っ飛ばすほどにカラフルでキャッチーで吸引力抜群なのである。恐ろしく前向きな、ポジティヴな誤解をエネルギーに変えたアルバムである。

「誤解というか、〈予想〉でやるんですよ。アルバムのアタマからいくと、予想の80年代ロック、予想のエレポップ、予想の映画サントラ、予想のディスコ、予想のテクノ、予想のアメリカン・メロコア、予想のブルース、予想のファンク、予想のレゲエ……(笑)。あきらかに、確信犯です」。

 デビュー・シングル“キリキリマイ”がヘヴィーなミクスチャー、セカンドの“上海ハニー”がナンパなディスコ・ロック、サードの“ビバ★ロック”が超キャッチーなアメリカン・ロック、そして4枚目の“落陽”が、哀愁味たっぷりのミディアム・スロウ、弦楽器入り。その延長線上にあるアルバムが、恐ろしくヴァラエティーに富んだものになっているのは、予想通りというか予想以上。ただ、アイドルっぽく見られるのはどう?と水を向けると、「ビートルズだって、アイドルだったけど音楽はちゃんとやってた」と返すあたりにホンネがチラリ。うん、彼らにはまだまだ、口で言う以上に奥深い何かがありそうだ。

「今の原動力は、好奇心とミーハー心。流行りものが好き。しかも飽きっぽいから、どんどん変わる。自分たちでも、もし1年前にこのアルバムを聴いたら、〈こんなことやると思わなかった〉って言うはず(笑)。でも、それがおもしろい。もともと、こだわりの音楽がないぶん、それができるから良いと思ってます」。

PROFILE

ORANGE RANGE
YAMATO、HIROKI、RYOによる3MCと、YOH(ベース)、NAOTO(ギター)、KATCHAN(ドラムス)による6人組。地元・沖縄での活動期より、ハイ/ミッド/ロウという独特の3MCと、重厚なバンド・サウンドによるパフォーマンスが話題となり、年間70本を超えるライヴをこなす。その後、2003年6月にシングル“キリキリマイ”でメジャー・デビューを果たし、セカンド・シングル“上海ハニー”で大ブレイク。さらなる支持を獲得した後、〈SUMMER SONIC〉をはじめ、多くの夏フェスにも出演。続くシングル“ビバ★ロック”“落陽”もヒットを記録し、このたび待望のファースト・アルバム『1st CONTACT』(ソニー)がリリースされたばかり。

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