タワレコ店長19名が選ぶ、絶対に聴くべき1枚「マスターズチョイス」2025年ベスト・ディスクVol.②

タワーレコードは、音楽大好きな店長がおすすめ1枚を紹介する企画「マスターズチョイス」のなかから、全国各地の店長によって2025年のベスト作品を厳選。
2011年にスタートした「マスターズチョイス」は全国の大型店19店舗の店長が新譜や旧譜、邦楽や洋楽などを問わずおすすめの1枚を選び、毎週情報を発信している企画。さまざまなジャンルのバイイングを経験し、また多くのバイヤーを育成してきている店長だからこそのスキルが活きた選出は、トレンドや季節などさまざまなフィルターを通したものであり、広く深い音楽知識と経験の成せるものであり、趣味を反映したものであり、地域に根差したものであり、多種多様にわたります。
今回は2025年1月から12月の「マスターズチョイス」にておすすめしたアイテムのなかから、音楽大好き店長19名がさらに厳選して作品をピックアップ。ハードコア・パンクからR&Bまで、幅広いジャンルの作品が集まりました。
タワーレコードの店長、すなわち“耳利き”スタッフが選んだ、聴いて間違いない名作をまとめてチェックできる、音楽好き必見の内容となっています。
Vol.①はこちら
奥深きイスラエル・ジャズ最高峰のピアニスト、初のソロピアノ作
Shai Maestro『Solo: Miniatures & Tales』
アヴィシャイ・コーヘンのトリオに抜擢され、個人的に生涯で3本の指に入るピアノトリオ名盤「Gently Disturbed」での旋律に、当時度肝を抜かれたイスラエル出身のピアニスト、シャイ・マエストロ・初ソロピアノ作。ライヒを思わせる美しいミニマル・ピアノ「3 Colors」、本作の象徴「Gloria」、父親に捧げた中東特有の世界観で描かれた「Aba」、トリオ作も良いが最高傑作ど断言したい内容。
仙台パルコ店:木原鎌介
完璧な着地点。新しいJ-POPを提示した大作の完結篇!
Perfume『ネビュラロマンス 後篇』
これほどまでに作品とメンバーの人生がリンクした美しいアルバムを知りません!壮大なコンセプトアルバム2部作の完結篇、コンセプト作と銘打ちつつ、実はこの25年間の軌跡。成長を見せて未来に繋げるタイムカプセル...中田さん愛深すぎ(泣)。ファン目線抜きにしても本当に上質なダンスアルバムだし、シングルだと少し地味だった曲がしっかり花咲いているところもアルバムと言うフォーマットの醍醐味を感じさせてくれます。周りにに左右されないJ-POPの新機軸。
広島店:富田純司
レモンヘッズ、約20年ぶりのオリジナルアルバム!!
The Lemonheads『LOVE CHANT』
'90年代のUSインディーロックを語るうえで欠くことができないバンド、レモンヘッズが約20年ぶりの新作でシーンに帰還!イヴァン・ダンドゥのセンス溢れるメロディーメイクと甘いボーカルは相変わらずで、USインディーロックの新たなマスターピースの誕生です!ダイナソーJr.のJ・マスキスや、レモンヘッズの元メンバーでソロシンガーでもあるジュリアナ・ハットフィールドの参加も胸熱!
アミュプラザ博多店:山口勝朗
日本のロック/ポップシーンに大きな爪痕を残す、ピュア&クールな傑作!
Subway Daydream『100%』
関西発男女4人組による傑作2ndアルバム!丁寧に紡がれる言葉に生命力を漲らせ懐に飛び込んでくる、力強く伸びやかなヴォーカル。90~00年代US/UKロックへの尊敬の念を抱きがらも、確かな技術とセンスを爆発させたサウンド。本作にて繊細さと豪快さを同居させたレトロフレッシュなポップネスを確立。名刺代わりのキャッチーな①に始まり、③⑤⑨などの秀逸な先行トラック、ヘヴィにギターが唸る⑥、そして極めつけはまるで名作平成アニメのエンディングのように郷愁へ誘う⑧⑦も感動的で…。今後バンドが"100%"を超えていくことを大いに期待しつつも、間違いなく2025年を代表する”100%"最高な1枚。
あべのHoop店:土井仁志
爆音が轟く2020年代のオルタナティヴ・ロック!
Wednesday『Bleeds』
世界に知られた大ヒットから早2年半、最高のアルバムを引き下げて帰還! 身の毛もよだつようなノイズと轟音を奏で、フックの効いたメロディが最高の、2020年代のオルタナティヴ・ロックと呼ぶに相応しい傑作!ド頭の(1)からインパクト十分、ただただ心と体を委ねるべし!某有名音楽サイトでベストアルバムに選出されるのも納得の作品です!
札幌パルコ店:中島賢
ソロ4枚目は豪華なデュエットアルバム!!
Chrissie Hynde & Pals『Duets Special』
ジャケットのポップさとは対照的に内容は圧倒的に深夜が似合う柔らかく感傷的、感情的なスローなカラーで統一。共演者は全員、独特のヴェルヴェットでダークな声のクリッシーとの相性が良さげなチョイスで、それぞれが個性豊かな楽曲をデュエット形式で披露。プリテンダーズの95年の名盤アコースティックアルバム「Isle Of View」を彷彿させるメロディーが染み渡る素晴らしいアルバム!!
なんばパークス店:三村優
低音やけどのように内包された熱が効く。
Blood Orange『Essex Honey』
最初は分かりやすくなく地味な印象ですが、聴く度にその内包された熱がじわじわとこちらの身体に伝わって、没入していく。母を亡くした痛みを美しい音楽にかえた④Field の少ない言葉数と息遣い、細々としたサウンドに、我が事のように身体が熱くなる感覚を覚えるはず。アルバムラスト1音のその余韻でさえ完璧に設計されており、もう言うことなしに2025の主役です。
吉祥寺パルコ店:吉野真代
タグ : マスターズチョイス
掲載: 2025年12月26日 12:00
