『ベイビーわるきゅーれ』『ネムルバカ』など話題作多数!阪元裕吾監督が手掛ける唯一無二の“世界観”

2025年10月10日に公開された映画『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』。フリーの殺し屋・国岡昌幸の日常を追ったモキュメンタリー作品「国岡シリーズ」の最新作だ。本作の監督を務めた阪元裕吾は、バイオレンス映画界の若き才能として注目を集めている。今回は、数々の話題作を生み出してきた阪元のフィルモグラフィを振り返ってみたい。
●作品でたどる鬼才・阪元裕吾の軌跡
阪元は、殺人を趣味にするカップルを描いた作品『べー。』を大学在学中に制作し、「残酷学生映画祭2016」グランプリを獲得。翌年にはサイコパス大学生とヤンキー兄弟の戦いを描いた『ハングマンズ・ノット』で「カナザワ映画祭2017」期待の新人監督賞を受賞するなど、若くして頭角を現していった。
インディーズ映画界で注目を集めていた阪元の名を世に知らしめたのが、2021年公開の『ベイビーわるきゅーれ』。元女子高生の殺し屋2人組の日常を、他愛もない会話とスタイリッシュなアクションで描いた異色の青春アクション映画として話題を呼び、スマッシュヒットを記録した。その後、映画は3作目まで制作され、2024年にはドラマ化もされる人気シリーズに。同作の主演を務めブレイクを果たした髙石あかりは、2025年秋から放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロインに抜擢されるまでに成長を遂げた。
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他にも、冒頭で紹介した「国岡シリーズ」をはじめ、因習村を舞台としたホラーと思いきやトンデモ展開を見せる『黄龍の村』、石黒正数の人気漫画を原作とした『ネムルバカ』など数々の作品を世に送り出し続けている。また、2025年4月に公開された『ゴーストキラー』には脚本を提供。『ベイビーわるきゅーれ』のアクション監督・園村健介が監督を務め、髙石あかりが主演した本作はアメリカでのリメイクも決定している。
そんな阪元の初の著書となる「阪元裕吾監督&脚本作品2016-2025 コンプリートブック」には、阪元本人による監督・脚本作品の解説や『ベイビーわるきゅーれ』『黄龍の村』の脚本全編、ロングインタビューなどを収録。阪元ワールドの魅力が余すことなく詰めこまれたファン必見の1冊となっている。映画を観て阪元の世界観について詳しく知りたくなった時に、ぜひ読んでみてほしい。
●映画『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』主題歌「さよならランデヴー」収録アルバム
タグ : レビュー・コラム
掲載: 2025年10月19日 09:00

