注目アイテム詳細

Naxos~2025年9月第2回発売新譜情報(8タイトル)

ショスタコーヴィチ

CD(8タイトル)



■作品詳細

今回はショスタコーヴィチの没後50年を記念してNAXOS/MARCO POLOに録音された映画音楽から名演をセレクトした7枚組BOXに、ズヴェーデン&香港フィルによるワーグナー:《さまよえるオランダ人》(演奏会形式)、2025年に世を去ったグバイドゥーリナの追悼アルバム、ラハナーによる弦楽四重奏とコントラバス伴奏版によるモーツァルトのピアノ協奏曲第18版&第22番など、世界初録音を含むCD8タイトルがリリースされます。

ドミートリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975):映画音楽集(7枚組)
マーク・フィッツ=ジェラルド(指揮)、アドリアーノ(指揮)、ドミトリ・ヤブロンスキー(指揮)、他

ショスタコーヴィチの没後50年を記念してNAXOS/MARCO POLOに録音された映画音楽から名演をセレクト。
20世紀に大きく成長した映画産業は音楽界にも多大な影響を及ぼしました。ショスタコーヴィチが音楽を書いた映画の数は35本前後と言われており、そのうち10本余りから演奏会用組曲が作られて、今日のコンサートでも人気を博しています。彼は若い頃、無声映画館でピアニストとして働き、即興演奏やアレンジを通じて映画音楽の感性を磨きました。初期の作品には実験的な要素もあり、ワルツやポルカといった曲には特有のアイロニーもにじむなど、彼の個性が鮮明に表れています。ショスタコーヴィチの様々な作曲技法を辿れると共に、「楽しめる」という点でも屈指の作品群となっています。
このBOXには、1920年代から1964年までに手がけた映画音楽を収録。ショスタコーヴィチ初の映画音楽作品「新バビロン」、テルミンを効果的に用いた曲が含まれる「女ひとり」、硬派な物語の中に美しいロマンスの旋律が光る「馬あぶ」などが並びます。スコアを復元したマーク・フィッツ=ジェラルドをはじめ、MARCO POLOレーベルに数々の映画音楽を録音してきたアドリアーノ、ロシア音楽を得意とするドミトリ・ヤブロンスキーの指揮でお楽しみください。
※64ページのブックレット(英語のみ)が付属しています。
(ナクソス・ジャパン)

フレデリック・ショパン(1810-1849):前奏曲、バラードとスケルツォ集
ゴラン・フィリペツ(ピアノ)

リスト作品の解釈で高く評価され、即興性のある演奏で注目されているゴラン・フィリペツが、ショパンの名作群に挑んだ意欲的なアルバム。詩人アダム・ミツキェヴィチの詩から着想して書かれた「バラード」と、本来「冗談・滑稽」を意味する曲をショパンが独自に発展、拡大した「スケルツォ」は、1835年から1843年にかけてそれぞれ個別に出版されました。この録音では、フィリペツが作曲年代や調性の関連に着目して4つのバラードと4つのスケルツォを対にし、それぞれの前に前奏曲を置き、アルバム全体に有機的な流れを生み出しています。ショパン自身が前奏曲と他の作品を組み合わせて演奏したという記録も残されており、歴史的文脈を踏まえたプログラムともいえます。パッセージの装飾やユニークなアコーギクなども含め、フィリペツの個性的なアプローチがショパンの作品に新たな光を当てる1枚です。
(ナクソス・ジャパン)

リヒャルト・ワーグナー(1813-1883):歌劇《さまよえるオランダ人》(2枚組)
ヤープ・ファン・ズヴェーデン(指揮)香港フィルハーモニー管弦楽団

2012年から2024年まで香港フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めたヤープ・ファン・ズヴェーデンによる《さまよえるオランダ人》(演奏会形式)は、香港文化センター創立35周年を記念する特別な公演であり、ズヴェーデンの任期中における最後のオペラ上演となりました。このコンビは、2015年から18年に録音した《ニーベルングの指環》(8.501403)でアジアで初めて英『グラモフォン』誌のオーケストラ・オヴ・ザ・イヤーに選ばれており、そのワーグナー作品の演奏には世界的な定評があります。ここでも熱くて精緻な演奏を繰り広げ、その期待に応えています。バリトンのブライアン・マリガン、ソプラノのジェニファー・ホロウェイら、実力派歌手陣による歌唱も見事。サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙のケン・スミス氏は、「この公演は、ズヴェーデンとオーケストラの協働の記念碑にふさわしい」と称賛しています。
(ナクソス・ジャパン)

一部世界初録音
ピエール・ブーレーズ(1925-2016):ピアノ作品集 - 左手のための主題と変奏、3つの朗唱、スケッチの断片、アンシーズ
ラルフ・ファン・ラート(ピアノ)

ピエール・ブーレーズは1940年代半ば、パリ音楽院作曲科在学中に「左手のための主題と変奏」や「3つの朗唱」といった重要なピアノ曲を生み出しました。これらは「音楽は感情ではなく音楽そのものを表現する」という彼自身の理念とは裏腹に、強烈な緊張感や内面的な激情を伴います。「主題と変奏」では、十二音技法、非西洋音楽、そしてメシアンやシェーンベルクの影響を受けつつも、音列の自由な操作や複雑な変奏構造に独創性が発揮されています。一方、「3つの朗唱」はメシアンの語法を継承しつつ、ピアノの歌うような旋律と打楽器的な奏法の対比、ガムラン風の響きなど、のちの作品を予感させる要素を多く含みます。この世界初録音となる2作品を後期の作品と併せて紹介することで、ブーレーズの音楽的軌跡を垣間見ることもできると言えるでしょう。演奏は、20世紀・21世紀の音楽に精通し、ドビュッシー、バルトーク、アイヴズにも深い理解を持つピアニスト、ラルフ・ファン・ラートが担当。現代音楽の魅力を鮮やかに伝える1枚となっています。
(ナクソス・ジャパン)

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):ピアノ協奏曲第18番、第22番(イグナツ・ラハナーによる弦楽四重奏とコントラバス伴奏版)
アーロン・ゴールドスタイン(ピアノ)、ファイン・アーツ四重奏団、エイヴリー・カルドーサ(コントラバス)

モーツァルト初期のピアノ協奏曲の中には、旅行先や家庭での演奏を想定して、弦楽四重奏のみでの伴奏を可能として書かれたものがあります。このアイデアを受け継いだのが、19世紀の作曲家イグナツ・ラハナー。彼はモーツァルトのピアノ協奏曲第16番から第26番までをコントラバスを加えた弦楽五重奏伴奏による室内楽版へと編曲。木管楽器の存在感が増す後期作品においても、ラハナーはその旋律を巧みに弦楽器に移し、ピアノ・パートには手を加えることなく小さな編成に仕上げています。ここに収録された第22番も本来はクラリネットの導入をはじめとする革新的な楽器編成を特徴としており、ラハナーの手腕が生かされた編曲。内省的な旋律の変奏形式の第2楽章、そして生き生きとしたロンドの終楽章も魅力の名作で、カデンツァはゴールドスタイン自身によるものです。一方第18番は、盲目のピアニスト、マリア・テレジア・フォン・パラディスのために作曲されたとされ、比較的平易な技巧と親しみやすい旋律を特徴としています。
(ナクソス・ジャパン)

ソフィア・グバイドゥーリナ(1931-2025):作品集 - Figures of Time、Introitus、Chaconne、Revue Music
ティトゥス・エンゲル(指揮)バーゼル・シンフォニエッタ、NDRビッグバンド、アリス・ディ・ピアッツァ(ピアノ)

2025年にこの世を去ったソフィア・グバイドゥーリナ追悼盤。ジャズ・バンドのために書かれた「レヴュー・ミュージック」が意外な注目作です。タタール系の出自を持ち、モスクワ音楽院で学び、ペレストロイカ後は西側世界で急速に評価を高めたグバイドゥーリナ。ノイズ、偶然性、セリエ、電子音楽、ジャズなど多様な要素を取り入れつつ、正教徒としての強い宗教的・精神的アイデンティティを感じさせるシリアスかつ重厚な作品を書き、クレーメルやロストロポーヴィチがそれらを演奏・録音したことで世界的な知名度を高めました。冒頭の「時間の姿」は26分余りを要する大作で、彼女の作風が典型的に表れています。「イントロイトゥス」は2016年改訂版の初録音。1963年の「シャコンヌ」は重量感のあるピアノ独奏曲。「レヴュー・ミュージック」は作曲当時のソ連にあって「いかにも西側的」に響いたであろう作品。スキャンダルを巻き起こしました。
(ナクソス・ジャパン)

アンナ・クライン(1980-):管弦楽作品集 - 彼女の腕の中で、アブストラクションズ、荒れ狂う海、カラー・フィールド
マリン・オルソップ(指揮)ボルティモア交響楽団

ニューヨーク・タイムズ紙から「稀有な才能と非凡な手法を持つ作曲家」と評されるアンナ・クライン。現在、世界から注目される彼女の音楽は、伝統的な手法とポストモダンのアプローチを融合させ、聴衆に新しくもどこか懐かしい音楽体験を提供します。このNAXOSからのデビュー・アルバムには、彼女の代表作の一つで、喪失への静かな祈りを表現した弦楽のための美しいエレジー「彼女の腕の中で」を含む4作品を収録。「アブストラクションズ」はボルティモア美術館の現代アート作品からインスピレーションを受けた5楽章構成の組曲。「荒れ狂う海」ではストラヴィンスキーの『春の祭典』を想起させる激しいリズムと旋律美の対比が印象的であり、「カラー・フィールド」は聴覚と視覚の「共感覚」の世界をイメージした作品。オルソップとボルティモア響が、クライン作品の魅力を最大限に引き出しています。
(ナクソス・ジャパン)

一部世界初録音
スミス・ブリンドル(1917-2003):ギター独奏のための作品全集 第2集 - ギター・ソナタ第2番-第5番、シエナの生活 他
ドゥイリオ・メウッチ(ギター)

イギリスの作曲家、作家レジナルド・スミス・ブリンドル。若い頃にギターやクラリネット、サックスなど様々な楽器を習得しました。第二次世界大戦では王立工兵隊として従軍し、戦後はノースウェールズ大学で音楽を学んだ後、イタリアへ渡り、作曲活動をはじめました。ギター作品はジュリアン・ブリームが賞賛したことで知られています。このアルバムには、中世イタリア都市を描いた詩的な「シエナの生活」や「フィレンツェ風ソナチネ」、1970年代後半に作曲された一連のソナタ群を収録。また、「ダンサ・パガーナ」や「フエゴ・ファトゥオ」といったスペイン風の楽曲は、セゴビアに捧げられた印象的な作品で、ギターの可能性を見事に引き出しています。演奏は第1集と同じくドゥイリオ・メウッチが担当し、ブリンドルの繊細かつ多彩な音楽世界を鮮やかに描き出しています。
(ナクソス・ジャパン)

2025年9月第一回発売タイトル



カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2025年08月15日 13:30