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ナクソスが誇る屈指の名シリーズのBOX化!『英国歌曲コレクション』(25枚組)

英国歌曲コレクション

ナクソスが誇る屈指の名シリーズのBOX化!シリーズ外としてリリースされたブリテンの「スコットランド歌曲集」も収録。

数多いナクソスの名盤の中でも、とりわけ高く評価されているのが、この『英国歌曲』のシリーズです。フィンジ、アイアランド、ガーニー、バターワース、クィルターなど19世紀後半から20世紀にかけて活躍した作曲家から、ブリテン、ヴェナブルズ、ダヴと言った近現代の作曲家までの多彩な歌曲を一挙収録。
素朴な旋律に精巧な編曲を施したブリテンの「民謡編曲集」や、若者の秘めた情熱を伝えるフィンジの一連の歌曲、第一次世界大戦の不安な世情が反映されたガーニーやバターワースの歌曲など、イングランドの土地と風景、そして人間の感情の機微が丁寧に描き出された心尽くしの曲が並びます。

ロードリック・ウィリアムズ、フェリシティ・ロット、アンソニー・ロルフ・ジョンソンをはじめとする英国を代表する歌手たちの名唱で、これら美しい旋律をお楽しみください。
(ナクソス・ジャパン)

『英国歌曲コレクション』(25枚組)

【CD1】…8.557112
ウィリアム・ウォルトン(1902-1983): 歌曲集

1. The Winds 風 (1918)
2. Tritons トリトンたち(1920)
3. Beatriz's Songベアトリスの歌(1942) (C.パーマー編)
4. Under the Greenwood Tree緑の森の木の下で(1936)
3 Façade Settings ファサードの3つの歌(1932)
5. No. 1. Daphne ダフネ
6. No. 2. Through Gilded Trellises 金色の格子の向こうに
7. No. 3. Old Sir Faulk 年老いたフォーク卿

Anon in Love 恋する人(1959)
8. No. 1. Fain would I change that note 喜んで調べを変えることもできよう
9. No. 2. O stay, sweet love とどまっておくれ 愛しい人
10. No. 3. Lady, when I behold the roses レディよ 私がバラの芽ぶくのを見るとき
11. No. 4. My love in her attire 恋人はその服で
12. No. 5. I gave her cakes and I gave her ale

ぼくは彼女にケーキをあげた 彼女にエールをあげた
13. No. 6. To couple is a custom カップルになることはひとつの習慣だ
A Song for the Lord Mayor's Table ロンドン市長の食卓のための歌(1962)
14. No. 1. The Lord Mayor's Table市長の食卓
15. No. 2. Glide Gently 滑り行け、穏やかに
16. No. 3. Wapping Old Stairs ワッピングの古い階段
17. No. 4. Holy Thursday 聖木曜日
18. No. 5. The Contrast コントラスト
19. No. 6. Rhyme 韻

3 Façade Settings ファサードの3つの歌(1932)(C.パーマー編)
20. No. 1. Long Steel Grass 長い鋼草
21. No. 2. Tango – Pasodoble タンゴ – パソドブレ
22. No. 3. Popular Song 流行歌

[演奏]
フェリシティ・ロット(ソプラノ)…1,3,5-7,14-19
マーティン・ヒル(テノール)…2,4,8-13,20-22
グレイグ・オグデン(ギター)…8-13
グレアム・ジョンソン(ピアノ)…1-7,14-22

[録音]
1996年10月2-3日、1997年5月1-2日
All Saint’s Church, East Finchley, London(UK)

ベンジャミン・ブリテン、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズと並ぶ20世紀のイギリス音楽を代表する作曲家ウォルトンの歌曲集。管弦楽ばかりが有名ですが、16歳頃の青春の情熱あふれる作品「風」や、ギターとテノールで奏でる「恋する人」など、抒情的な雰囲気を持つ歌曲も聴きどころ満載です。

【CD2】…8.557113
アーサー・サマヴェル(1863-1937): 無垢の歌 他

1. O mistress mine おお、わが愛しの人よ(1924)
2. Orpheus with his luteオルフェウスがリュートをとれば(1927出版)
3. Sweet Kateかわいいケイト(1897頃)

Songs of Innocence 無垢の歌(1889)
4. No. 1. The shepherd 羊飼い
5. No. 2. The blossom 花
6. No. 3. The lamb 子羊
7. No. 4. Nurse's Song 乳母の歌

Maud 連作歌曲集「モード」より(1898)
8. No. 1. Birds in the high Hall-garden 鳥たちは高い広間の庭の中
9. No. 2. Go not, happy day 行かないでくれ 幸せな日よ
10. No. 3. Come into the garden, Maud 入っておいで 庭の中へ モードよ

James Lee's Wife ジェイムズ・リーの妻(1907)
11. No. 1. James Lee's Wife speaks at the window ジェイムズ・リーの妻は窓辺で語る
12. No. 2. By the fireside 暖炉のそばで
13. No. 3. In the doorway 玄関口で
14. No. 4. On the cliff 断崖の上で
15. No. 5. Among the rocks 岩の間で
16. The Bargain バーゲン(1935出版)
17. Fain would I change that note 喜んで調べを変えることもできよう(1918)
18. Shepherd's cradle song 羊飼いの子守歌(1980出版)
19. Come to me in my dreams 夢の中で私のところに来て(1906)
20. Dainty little maiden 可憐な小さな乙女(1901)
21. When Spring returns春が戻ってくる時(1904)

The Shropshire Lad シュロップシャーの若者(1904)
22. No. 1. Lovliest of trees この世で一番いとおしい樹々
23. No. 2. When I was one-and-twenty 私が20と1歳だったときに
24. No. 3. There pass the careless people悩みを知らぬ人々が通る
25. No. 4. In summer-time on Bredon 夏の頃 ブリードンの丘で
26. No. 5. The street sounds to a soldier's tread 通りで兵士たちの行進の音がする
27. No. 6. On the idle hill of summer 夏の物憂い丘の上で
28. No. 7. White in the moon the long road lies 白く月明りの中 長い道が横たわる
29. No. 8. Think no more lad, laugh, be jolly 思い悩むな、若者よ
30. No. 9. Into my heart an air that kills ぼくの心の中に 命を奪う風が
31. No. 10. The lads in their hundreds 何百人の若者たち

[演奏]
パトリシア・ロザリオ(ソプラノ)…2,16-18,20,21
キャサリン・ウィン=ロジャース(メゾ・ソプラノ)…4-7,11-15,19
クリストファー・モルトマン(バリトン)…1,3,8-10,20,22-31
デューク四重奏団…11-15
グレアム・ジョンソン(ピアノ)

[録音]
1998年3月23-25日
All Saint’s Church, East Finchley, London(UK)

スタンフォードやパリーに師事したサマヴェルの歌曲集。メンデルスゾーンとブラームスの影響が感じられる保守的な作風に拠る一連の歌曲は、まさに一聴して美しいと感じさせる旋律の花束と言えるでしょう。また弦楽四重奏が加わる「ジェームズ・リーの妻」も聴きどころです。

【CD3】…8.557114
ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958): 5つの神秘的な歌 他

1. It was a Lover and his Lass それは恋人と乙女(1922)
2. The Lawyer弁護士(1935)
3. The Splendour Falls 見事な滝(1896頃)
4. The Water Mill 水車(1922)
5. Tired 疲れた(1956)
6. Silent Noon 静かな真昼(1903)
7. Searching for Lambs 子羊を探す(1913)
8. Nocturne 夜想曲(1925)
9. Joy, Shipmate, Joy! 喜べ、船乗りよ、喜べ(1925)
10. Lord, come away 主よ、来たれ(1914)
11. Come Love, come Lord 来たれ愛、来たれ主よ(1914)

5 Mystical Songs 5つの神秘的な歌(1911)
12. Easter 復活祭
13. I got me flowers 花をとった
14. Love bade me welcome 愛はようこそと言った
15. The call 使命
16. Antiphon アンティフォナ

On Wenlock Edge ウェンロック・エッジで(1909)
17. On Wenlock Edge ウェンロック・エッジで
18. From far, from eve and morning 夕方から朝まで、ずっと
19. Is my team ploughing? 私の馬は耕しているか
20. Oh, when I was in love with you おお、私がお前を愛していたとき
21. Bredon Hill ブリドン・ヒル
22. Clun クラン

23. Dirge for Fidele フィデルのための挽歌(1890年代頃、1922出版)

[演奏]
アンソニー・ロルフ=ジョンソン(テノール)…1,3-4,7,10-11,17-23
サイモン・キーンリサイド(バリトン)…1-2,5-6,8-9,12-16,23
ロージア・フラー(ヴァイオリン)…2,7
ジョン・メトカーフ(ヴィオラ)…10-11
デューク四重奏団…17-22
グレアム・ジョンソン(ピアノ)

[録音]
1996年7月9-11日
Rosslyn Hill Chapel, London(UK)

イギリスを代表する交響曲作家ヴォーン・ウィリアムズは、生涯を通じて民謡の旋律を収集し、その素材を声楽曲に使用しました。その結果、ここで聴けるような親しみやすい歌曲が残されました。『5つの神秘的な歌』(ここでは伴奏はピアノのみ)の深みと情熱的な楽想は、正に作曲家の本領が遺憾なく発揮された名曲と言えます。そして「ウェンロック・エッジで」の、弦楽、ピアノと声楽が絡み合う独自の表現にも注目です。

【CD4】…8.557115
ピーター・ウォーロック(1894-1930): ダイシャクシギ 他

ダイシャクシギ(1920-22)
1. O Curlew, cry no more in the air おおダイシャクシギよ もう鳴くな
2. Pale brows, still hands and dim hair 蒼ざめた額 静かな手と柔らかな髪
3. I cried when the moon was murmuring to the birds

私は叫んだ 月が小鳥たちにつぶやいていた時に
4. Interlude 間奏曲
5. I wander by the edge of this desolate lake 私はこの岸辺をさまよう
Lillygay リリーゲイ(1922)
6. The Distracted Maid 捨てられたおとめ
7. Burd Ellen and Young Tamlane バード・エレンと若きタムレイン
8. Rantum Tantum ラントゥム タントゥム
9. Peter Warlock's Fancy ピーター・ウォーロックのファンシー(1924)

Peterisms, First Set ピーター主義、第1セット(1922)
10. Chopcherry さくらんぼ
11. A Sad Song 哀しい歌
12. Rutterkin ラターキン
13. My gostly fader わが聖霊なる父よ(1918)
14. Bright is the ring of words 輝かしきは言葉の響き(1918)

Saudades 郷愁(1916-17)
15. Along the stream 流れに沿って
16. Take, O take those lips away さあ 持って行け この唇をどこへでも
17. Heraclitus ヘラクレイトゥス

18. The cloths of Heaven 天の布(1916)
19. The frostbound wood 霜に覆われた木(1929)
20. Bethlehem Down ベツレヘムの夜明け(1930年版)
21. Sweet and twenty 甘く何度も(1924)
22. And wilt thou leave me thus? あなたは私をこのように残しますか?(1928)
23. Mr. Belloc's Fancy ベロック氏のファンシー(1921)

Peterisms, Second Set ピーター主義、第2セット(1922)
24. Roister Doiste rロイスター・ドイスター
25. Spring 春
26. Lusty Juventus 元気な若さ

27. The Bachelor 独身男(1922)
28. Away to Twiver アウェイ・トゥ・トゥイヴァー(1926)
29. Captain Stratton's Fancy ストラットン船長のファンシー(1920)

[演奏]
エイドリアン・トンプソン(テノール)…1-5,10-12,18,21,24-28
クリストファー・モルトマン(バリトン)…6-9,13-17,19-20,22-23,29
フィリッパ・デイヴィス(フルート) …1-5
クリスティン・ペンドリル(コールアングレ)…1-5
デューク四重奏団…1-5
ジョン・コンステイブル(ピアノ)…6-29

[録音]
1997年2月3,4,11日
All Saint’s Church, East Finchley, London(UK)

独学ながら作曲家として名を成し、30数年の短い生涯を悲劇的に終えたピーター・ウォーロック(本名はフィリップ・アーノルド・ヘゼルタイン)。彼の歌曲や合唱のためのキャロルは、今日に至るまで英国音楽の大切なレパートリーとして残っています。「ダイシャクシギ」は弦楽四重奏、フルート、イングリッシュ・ホルンとテノールが絶妙に絡み合う、作曲者の本領を発揮した名作。その他の収録曲の多くは、わかりやすいメロディーとシンプルな和声で、素直に聴き手を楽しませてくれるもの。楽しい酒飲み歌もあります。

【CD5】…8.557116
ロジャー・クィルター(1877-1953): 歌曲集

1. It was a lover and his lassそれは恋人と乙女(1921)
2. Take, O take those lips away 持って行け、あの唇を(1921)
3. O mistress mine おお、わが愛しの人よ(1905)
4. How should I your true love know

私がどうすればよいのかあなたの恋人は知ってるの?(1933)
5. Orpheus with his lute オルフェウスがリュートをとれば(1938)
6. Hark! Hark! the lark きけ!きけ!ひばり(1946)
7. Ca' the yowes to the knows 雌羊どもを呼び集めておくれ(1947)
8. Charlie is my darlingチャーリーは私の夫(1947)
9. Ye banks and braes

イエ・バンクスとボニー・ドゥーンの川のほとり(美しいドゥーン川の岸辺)(1947)
10. I arise from dreams of thee私はあなたの夢から生まれます(1929)
11. Music when soft voices die 優しい声がやむとき、楽の音は(1927)
12. Love's philosophy 愛の哲学(1905)
13. Spring is at the door 春はドアのところに(1914)
14. Passing dreams 夢を追って(1908)
15. Autumn evening 秋の夕べ(1910)
16. An old carol 古いキャロル(1924)

Three Pastoral Songs 3つの田園歌(1921)
17. i - I will go with my father a-ploughing 父さんと一緒に耕しに行く
18. ii - Cherry valley さくらんぼの谷間
19. iii - I wish and I wish 私は願いに願う
20. Go, lovely rose 行け、麗しのばらよ(1923)
21. A last year's rose 夏の名残りのばら(1910)
22. Amaryllis at the fountain 泉に咲くアマリリス(1914)
23. I dare not ask a kiss あえてキスをしない(1926)
24. Now sleeps the crimson petal 深紅の花弁は眠りに就く(1904)

To Julia ジュリアへ(1906)
25. Prelude 前奏曲
26. i - The bracelet 腕輪
27. ii - The maiden blush はにかむ乙女
28. iii - To daisies デイジーに
29. iv - The night piece 夜の小品
30. v - Julia's hair ジュリアの髪
31. Interlude 間奏曲
32. vi - Cherry ripe 熟したさくらんぼ

33. 愛は夏の夜を通じて呼びかける(1940)

[演奏]
リサ・ミルン(ソプラノ)…1,4,7-9,11,13,15,17-19,21-22,24,33
アンソニー・ロルフ=ジョンソン(テノール)…1-3,5-6,10,12,14,16,20,23,25-30,32-33
ロージア・フラー(ヴァイオリン)…17-19
イヴァン・マックレディ(チェロ)…17-19
デューク四重奏団…25-32
グレアム・ジョンソン(ピアノ)

[録音]
1977年9月29-30日、10月1日
All Saint’s Church, East Finchley, London(UK)

音が溢れるようなピアノの伴奏が印象的な「愛の哲学」をはじめ、シェイクスピアから20世紀に至るまで幅広い時代のテキストを使用したクィルターの歌曲の特徴は、何よりもまず、魂が奪われそうになるほどの美しいメロディ。旋律美に惚れたピアニストがピアノ独奏曲に編曲してしまったほどの「深紅の花弁は~」や、弦楽四重奏団が加わることでピアノ伴奏だけでは表現不可能な世界に踏み込んだ「ジュリアへ」など、どの曲をとっても聴き手を夢中にさせる音楽が並びます。

【CD6】…8.557117
ホルスト(1874-1934): リグ・ヴェーダからの讃歌 他

4 Songs 4つの歌 Op. 35(1916-17)
1. Jesu sweet 優しきイエスよ
2. My soul has nought but fire and ice 私の魂はただ火と氷を持つに過ぎぬ
3. I sing of a maiden 私は聖処女のことを歌う
4. My Leman is so true わが愛するお方は真なるお方なり

6 Songs 6つの歌 Op. 16(1903-04)
5. Calm is the morn 静かなる朝
6. My true love hath my heart 恋人は私のハートを持っていて
7. Weep you no more もう泣かないで
8. Lovely kind and kindly loving 愛らしき優しさと
9. Cradle Song 子守歌
10. Peace 平和

Vedic Hymns リグ・ヴェーダからの讃歌 Op. 24(1907-08)
11. Ushas (Dawn) ウシャス(夜明け)
12. Varuna I (Sky) ヴァルナI(空)
13. Maruts (Storm Clouds) マルト(嵐の雲)
14. Indra (God of Storm and Battle) インドラ(嵐との戦いの神)
15. Varuna II (The Waters) ヴァルナⅡ(水)
16. Song of the Frogs 蛙たちの歌
17. Vac (Speech) ヴァーチュ(言葉)
18. Creation 創造
19. Faith 信仰

12 Humbert Wolfe Settings ハンバート・ウルフによる12の歌 Op. 48(1929)
20. Persephone ペルセフォネ
21. Things lovelier より素敵なもの
22. Now in these fairylands 今、おとぎの国で
23. A little music 小さな音楽
24. The thought 考え
25. The floral bandit 花盗人
26. Envoi 送信
27. The dream-city 夢の街
28. Journey's end 旅の終わり
29. In the street of lost time 失われた時間の街で
30. Rhyme 韻
31. Betelgeuse ベテルギウス

32. Margrete's Cradle Song マルグレーテの子守歌 Op. 4 No. 2(1896)
33. The Heart Worships 心の信仰(1907)

[演奏]
スーザン・グリットン(ソプラノ)…1-10,32
クリストファー・モルトマン(バリトン)…11-19,33
フィリップ・ラングリッジ(テノール)…20-31
ロージア・フラー(ヴァイオリン)…1-4
スチュアート・ベッドフォード(ピアノ)…5-10

[録音]
1998年5月5-7日
St Silas Church, St Silas Place, Chalk Farm, London(UK)

『惑星』で知られるホルストの作品はどれも魅力たっぷりですが、それは歌曲においても全く同じことです。特にヒンズーのヴェーダ聖典の英訳をテキストに、哲学的内容の音楽化を試みた「リグ・ヴェーダからの讃歌」は、ホルスト好きにはたまらない魅力を湛えています。この他、ホルストの70曲余に及ぶ歌曲から、ヴァイオリンだけの簡素な伴奏に癒される「4つの歌」、初期の素直な「6つの歌」、晩年の幻想的な「12の歌」などを網羅し、作風の変化も楽しめます。最後を締め括る静謐な「心の信仰」も知られざる名曲。

【CD7】…8.557201
ブリテン(1913-1976): ミケランジェロの7つのソネット 他

The Holy Sonnets of John Donne ジョン・ダンの神聖なソネット Op. 35(1945)
1. Sonnet VI: Oh my blacke Soule! おお私のよこしまな心よ
2. Sonnet XIV: Batter my heart 三位一体の神よ、私の心を祝したまえ
3. Sonnet III: O might those sighes and teares おお、このため息と涙が
4. Sonnet XIX: Oh, to vex me おお、私を悩ますとは
5. Sonnet XIII: What if this present もしこの贈り物が
6. Sonnet XVII: Since she whom I lov'd 私の愛した彼女が
7. Sonnet VII: At the round earth's imagin'd corners 丸い地球の果てというところで
8. Sonnet I: Thou hast made me あなたは私を創った
9. Sonnet X: Death, be not proud 死よ、おごるなかれ

7 Sonnets of Michelangelo ミケランジェロの7つのソネット Op. 22(1940)
10. Sonetto XVI: Si come nella penna e nell'inchiostro あたかもペンとインクで記したように
11. Sonetto XXXI: A che più debb'io mai l'intensa voglia ああ、なぜ私は涙を流し
12. Sonetto XXX: Veggio co' be' vostri occhi un dolce lume おまえの美しい目によって
13. Sonetto LV: Tu sa' ch'io so, signior mie, che tu sai 私が思うようにおまえも
14. Sonetto XXXVIII: Rendete a gli occhi miei, o fonte o fiume 私の目に涙して
15. Sonetto XXXII: S'un casto amor, s'una pieta superna もし愛が純潔であるならば
16. Sonetto XXIV: Spirto ben nato, in cui si specchia e vede 美しい魂よ

Winter Words 冬の言葉 Op. 52(1953)
17. At Day-close in November 11月のたそがれに
18. Midnight on the Great Western 大西部の真夜中
19. Wagtail and Baby せきれいと赤ん坊
20. The Little Old Table 古い小さなテーブル
21. The Choirmaster's Burial 合唱長の埋葬
22. Proud Songsters 誇らしげな歌手たち
23. At the Railway Station, Upway 停車場にて
24. Before Life and After 生まれる前と死んでから

25. If it's ever Spring again かつて再び春が(1953)
26. The Children and Sir Nameless 子供たちと名なし卿(1953)

[演奏]
フィリップ・ラングリッジ(テノール)
スチュアート・ベッドフォード(ピアノ)

[録音]
1995年12月16-18日、1996年1月22日
Blackheath Concert Halls, London(UK)

ブリテンという作曲家を語るために欠かせないジャンルが歌曲。その中でも特に好んで演奏されてきたのがミケランジェロとトマス・ハーディの詩による歌曲集です。詩と一体化するメロディ・ラインを紡ぐ声楽パートと、雄弁極まりないピアノ・パートとが重なり合い、醸成される緊張感の心地良さ。作品をいっそうの高みに導くのが、ラングリッジとベッドフォードという2人のブリテンのスペシャリストの共演です。

【CD8】…8.557118
リザ・レーマン(1862-1918): ひなぎくの花輪 他

1. Cherry Ripe 熟したさくらんぼ(1917出版)
…原曲: チャールズ・エドワード・ホーン(1786-1849)

The Daisy Chain ひなぎくの花輪(抜粋)(1893)
2. Fairies 妖精
3. Keepsake Mill 思い出の水車
4. If no one ever marries me もし誰も私と結婚しないなら
5. Stars 星
6. The Swing ブランコ
7. Mustard and Cress カイワレ菜

Bird Songs 鳥の歌(1906)
8. The Woodpigeon モリバト
9. The Starling ムクドリ
10. The Yellowhammer キアオジ
11. The Wren ミソサザイ
12. The Owl フクロウ

13. Magdalen at Michael's Gate マイケルの門のマグダラのマリア(1913)
14. Evensong 夕べの歌(1916出版)
15. Endymion エンディミオン(1899)
16. Music when soft voices die 優しい声がやむとき、楽の音は(作曲年不詳)
17. To a little red spider 小さな赤いクモへ(1903)
18. Dusk in the Valley 谷の夕暮れ(作曲年不詳)
19. The Lily of a Day一日だけのユリ(1917)
20. When I am dead, My dearest いとしい人よ、私が死んでも(1918)

Four Cautionary Tales and a Moral 4つの訓話と1つの教訓(1909)
21. Rebecca レベッカ
22. Jim ジム
23. Matilda マティルダ
24. Henry King ヘンリー王
25. Charles Augustus Fortescue チャールズ・オーガスタス・フォーテスキュー
26. My true friend hath my hat 私の本当の友達は私の帽子を持っている(1914)

Two Nonsense Songs from Alice in Wonderland
『不思議の国のアリス』から2つのナンセンスな歌(1908)
27. Mockturtle soup ニセウミガメのスープ
28. Will you walk a little faster? もう少し速く歩いてくれない?

[演奏]
ジャニス・ワトソン(ソプラノ)…1,4,6,8-13,15,19-20,28
キャサリン・ウィン=ロジャース(メゾ・ソプラノ)…2,14,17-18,21-23,25,28
トビー・スペンス(テノール)…5,26-28
ニール・デイヴィス(バリトン)…3,7,16,21,23-26,28
スチュアート・ベッドフォード(ピアノ)

[録音]
1997年4月1-3日
Rosslyn Hill Chapel, Hampstead, London(UK)

この「英国歌曲シリーズ」の中で聴き手に最も驚きをもって受け入れられるのが、このレーマン集かもしれません。彼女はソプラノ歌手として幅広く活躍するうちに演奏のキャリアを断念、作曲に集中しました。これが単なる余技どころか、恐るべき内容の充実を示しているのです。表現の幅広さは驚くばかりで、諧謔系、童謡系、民謡系、後期ロマン派系、技巧派系、悲痛系と、ワンパターンに陥ることはありません。ピアノを担当するベッドフォード、実はレーマンの孫にあたります。

【CD9】…8.557202
ブリテン: カンティクル第1番 - 第5番 他

1. カンティクル第1番 「My Beloved is mine 愛したものはわがもの」 Op. 40(1947)
2. カンティクル第2番 「Abraham and Isaac アブラハムとイサク」 Op. 51

The Heart of the Matter ザ・ハート・オブ・ザ・マター(1952)
3. Prologue - Fanfare: Where are the seeds of the Universal Fire
4. Reading: The earth of my heart was broken and gaped low - Fanfare
5. Reading: In the hour when the sapphire of the bone
6. Song: We are the darkness in the heat of the day
7. Reading: In such a heat of the earth

8. カンティクル第3番「Still Falls the Rain なお雨は降る」 Op. 55(1954)

The Heart of the Matter ザ・ハート・オブ・ザ・マター(1952)
9. Reading: I see Christ's wounds weep in the Rose on the wall
10. Epilogue - Fanfare: So, out of the dark

11. カンティクル第4番 「Journey of the Magi 東方三博士の旅」 Op. 86(1971)
12. カンティクル第5番 「The Death of Saint Narcissus 聖ナーシサスの死」 Op. 89(1974)

[演奏]
フィリップ・ラングリッジ (テノール)…1-3,6,8,10-12
ジーン・リグビー(コントラルト)…2
デレク・リー・レイギン(カウンターテナー)…11
ジェラルド・フィンリー(バリトン)…11
フランク・ロイド(ホルン)…3-4,8,10
ジュディ・デンチ(朗読)…4-5,7,9
オージアン・エリス(ハープ)…12
スチュアート・ベッドフォード(ピアノ)…1-3,6,8,10-11

[録音]
1996年3月19,20,23,24日
All Hallows, Gospel Oak, London(UK)

ブリテンの創作力の源となった、テノール歌手ピーター・ピアーズとの生涯に渡る親交。五つの「カンティクル」は25年以上の長きに渡って作曲された傑作です。使用楽器はピアノの他は最小限で、ブリテンのエッセンスが凝縮された趣きがあります。中でも、静謐な美が溢れる「アブラハムとイサク」は再評価されるべきでしょう。「ザ・ハート・オブ・ザ・マター」は「カンティクル第3番」を含めて初演された作品。ブリテンのスペシャリスト、ベッドフォードのピアノを得て演奏も万全です。

【CD10.11】…8.557220-21
ブリテン: 民謡編曲集

【CD10】
第1集 イギリスの歌(1940-43)
1. The Salley Gardens サリー・ガーデン
2. Little Sir William かわいいサー・ウィリアムズ
3. The Bonney Earl o' Moray 美しいムライ伯爵
4. O can ye sew cushions? おまえはクッションが縫えるかい?
5. The trees they grow so high 高くのびる木
6. The Ash Grove とねりこの林
7. Oliver Cromwell オリヴァー・クロムウェル

民謡集(1940-41)
8. Greensleevesグリーンスリーヴス
9. I wonder as I wander さまよいながら私は不思議に思う
10. The Crocodile クロコダイル

第3集 ブリテン諸島の歌(1942-46)
11. The Plough Boy 鋤で耕す少年
12. There's none to soothe なぐさめる人もなく
13. Sweet Polly Oliver かわいいポリー・オリヴァー
14. The Miller of Dee ディー川の水車屋
15. The foggy, foggy dew 霜のかかった露
16. O Waly, Waly おお悲しい(広い河の岸辺)
17. Come you not from Newcastle? おまえはニューキャッスルの生まれではないのか

18. Pray Goody プレイ・グッデイ(1945-46)

第5集 ブリテン諸島の歌(1951-59)
19. The Brisk Young Widow 若く朗らかな未亡人
20. Salley in our Alley 横丁のサリー
21. The Lincolnshire Poacher リンカンシャーの密猟者
22. Early one morning ある朝早く
23. Ca' the yowes 雌羊どもを呼び集めておくれ

民謡集(1950年代頃)
24. The Holly and the Ivy 柊と蔦は
25. Soldier, won't you marry me? 兵士よ、私と結婚しませんか?
26. The Deaf Woman's Courtship 耳の不自由な女性の求愛

[演奏]
フェリシティ・ロット(ソプラノ)…3-4,16-17,22-26
フィリップ・ラングリッジ (テノール)…1-2,5-15,18-21,25-26
グレアム・ジョンソン(ピアノ)

[録音]
1995年3月20-21日 St Giles Church, Cripplegate, London(UK)…1-8,10-24
1995年3月25日 Henry Wood Hall, London(UK)…25-26
1995年6月9日 St Paul’s Church, Knightsbridge, London(UK)…9

【CD11】
第4集 アイルランドの歌(1957)
1. Avenging and bright 復讐と栄光
2. Sail on, sail on 出航、出航
3. How sweet the answer どれほど甘い答えか
4. The Minstrel Boy 吟遊詩人の少年
5. At the mid hour of night 真夜中に
6. Rich and rare 裕福で稀
7. Dear Harp of my Country! 愛しきわが祖国のハープへ
8. Oft in the stilly night 多くの場合、静かな夜に
9. The last rose of summer 夏の最後のばら
10. O the sight entrancing ああ、なんと心を奪う眺め

第2集 フランスの歌(1942)
11. La Noel passe 昔のクリスマス
12. Voici le Printemps 春近く
13. Fileuse 糸紡ぎ
14. Le roi s'en va-t' en chasse 王は狩りに行く
15. Le belle est au jardin d'amour 愛の庭の美人
16. Il est quelqu' un sur terre それは空想のなか
17. Eho! Eho! こだま、こだま
18. Quand j'étais chez mon pere 父の家にいたとき

第6集 イギリスの歌(1956-58)
19. I will give my love an apple 恋人にリンゴをあげよう
20. Sailor-boy 少年水兵
21. Master Kilby キルビーの旦那
22. The Soldier and the Sailor 兵士と水夫
23. Bonny at Morn すがすがしい朝
24. The Shooting of his Dear 恋人を撃つ

25. The Stream in the Valley ドイツ民謡「谷の嵐」(1946年以前)
26. Unidentified folk song setting 詳細不明の民謡から(作曲年不詳)

[演奏]
フィリップ・ラングリッジ(テノール)…1,4-5,7,10-11,17-25
フェリシティ・ロット(ソプラノ)…2-3,6,8-9,12-16
クリストファー・ファン・カンベン(チェロ)…25-26
カルロス・ポネル(ギター)…19-24
グレアム・ジョンソン(ピアノ)…1-18,25-26

[録音]
1995年3月20-21日 St Giles Church, Cripplegate, London(UK)…1-24
1995年3月25日 Henry Wood Hall, London(UK)…25-26

ブリテンの歌曲は芸術性の高さでは群を抜いています。しかし、いささか難しい作品が多いのも確か。そこでお薦めするのがこの民謡編曲集です。イギリスの歌の中でも抜群の人気を誇る「サリー・ガーデン」に始まり、「グリーンスリーヴス」や「夏の名残のばら」、あるいはクリスマスの定番曲など、美しいメロディーを素材に、ブリテンは原曲の良さを生かしつつ、独唱とピアノのために編曲しました。権利関係の問題などで作曲者の生前は出版されなかった「トム・ボウリングと他の歌曲編曲集」も含みます。ロットとラングリッジの妙技、ジョンソンの他の追随を許さない伴奏と、演奏の質の高さも折り紙付き。

【CD12】…8.557495
クィルター: 民謡編曲集 他

The Arnold Book of Old Songs アーノルド・ブックの古い歌 - イギリスの歌(1947)
1. Drink to me only with thine eyes 君が眼にて酒を汲めよ
2. Over the mountains 山々を越えて
3. My Lady Greensleeves 私の乙女のグリーンスリーヴス…世界初録音

Love at the Inn 宿屋での愛(1940)
4. Little Moth 小さな蛾…世界初録音
5. Love calls through the summer night 愛は夏の夜を通じて呼びかける
6. If Love should pass me by 愛が私を通り過ぎるなら…世界初録音

7. アイルランドの歌 - The Rose of Tralee トゥラリーのバラ(1941) …世界初録音

アーノルド・ブックの古い歌 - アイルランドの歌(1947)
8. Believe me, if all those endearing young charms 春の日の花と輝く
9. Oh! 'tis sweet to think ああ、それは甘い考え

女声のためのパート・ソング(1919-53)
10. Come Lady-Day 女性の日、来たれ…世界初録音
11. The Starlings スターリング…世界初録音
12. To a Harebell by a Graveside 墓地のそばのブルーベル…世界初録音
13. It was a lover and his lass それは恋人と乙女

アーノルド・ブックの古い歌 – スコットランドの歌(1947)
14. Ye banks and braes 美しいドゥーン川の岸辺(ドゥーンの川のほとり)
15. Charlie is my darling チャーリーは私の夫
16. Ca' the yowes to the knowes 雌羊どもを呼び集めておくれ

女声のためのパート・ソング(1914-38) …世界初録音
17. Where Go the Boats? 小舟はどこへ
18. Windy Nights 風の夜
19. Summer Sunset 夏の日没

アーノルド・ブックの古い歌 – フランスの歌(1947) …世界初録音
20. Le pauvre laboureur 貧しい耕作者
21. L'amour de mo 私の愛
22. Joli mois de mai 美しい五月

6つのデュエット(1933-53) …世界初録音
23. Daisies after rain 雨上がりのデイジー(独唱版)
24. My heart adorn'd with thee あなたで飾られた私の心
25. The Passing Bell 通りすがりの鐘
26. Blossom-Time 花咲く時
27. Daisies after rain 雨上がりのデイジー(重唱版)
28. Weep you no moreもう泣かないで

新発見の歌曲(1917頃-42)
29. I got a robe 私はローブを得た
30. Tis St Valentine's Day 聖ヴァレンタインの日…世界初録音
31. What will you do, love? あなたは何をしますか?愛しますか?(melody by S. Lover) …世界初録音

アーノルド・ブックの古い歌 – イングランドとウェールズの歌(1947)
32. The Jolly Miller ジョリー・ミラー
33. Barbara Allen バーバラ・アレン
34. Three Poor Mariners 3人の貧しいマリナー
35. Since first I saw your face (melody by T. Ford) 最初からあなたの顔を見た
36. The Ash Grove とねりこの林

[演奏]
ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(バス・バリトン)…1,8-9,20-22,29,34-35
アマンダ・ピット(ソプラノ)…2-6,10-19,23-28,30,32-33,36
ジョアン・トーマス(メゾ・ソプラノ)…3,10-13,17-19,25-28
フィリップ・ラングリッジ(テノール)…5,7,24,31
デイヴィッド・オーウェン・ノリス(ピアノ)

[録音]
2004年2月14-15日,8月31日,9月1日
Turner Sims Concert Hall, University of Southampton(UK)

一般的な意味での大作曲家とは呼べないかもしれませんが、英国近代歌曲を語る時に欠かせないのがクィルター。抒情的な味わいとエレガントで気品ある作風で根強い人気を誇ります。このアルバムは彼が編曲したイギリス、アイルランドなどの民謡(「私の乙女のグリーンスリーヴス」や「春の日の花と輝く」のように日本人にも馴染みの旋律も登場)や、女声歌手の重唱によるパート・ソングの全てをお届けします。世界初録音も多数含みます。

【CD13】…8.557644
フィンジ(1901-1956): 花輪をささげよう 他

I Said to Love 私は恋人に言った Op. 19b(1928-56)
1. No. 1. I Need not Go 私は行かなくてよい
2. No. 2. At Middle-Field Gate in February 2月のミドル=フィールド・ゲートで
3. No. 3. Two Lips 2つの唇
4. No. 4. In Five-score Summers (Meditation) 百の夏に(瞑想)
5. No. 5. For Life I Had Never Cared Greatly人生を気にかけてこなかった
6. No. 6. I Said to Love 私は恋人に言った

Let us garlands bring 花輪をささげよう Op. 18(1929-42)
7. No. 1. Come Away, Come Away, Death 来たれ、来たれ、死よ
8. No. 2. Who is Silvia? シルヴィアは誰?
9. No. 3. Fear No More the Heat o' the Sun 太陽の熱をもう恐れるな
10. No. 4. O Mistress Mine おお私の恋人よ
11. No. 5. It was a Lover and his Lass 恋する若者と娘がいた

Before and after Summer 夏の前と後 Op. 16(1932-49)
12. No. 1. Childhood among the Ferns シダの茂みの中の幼年時代
13. No. 2. Before and After Summer 夏の前と後
14. No. 3. The Self-unseeing 自分を見ない人
15. No. 4. Overlooking the River 川の見晴らし
16. No. 5. Channel Firing 海峡砲撃
17. No. 6. In the Mind's Eye 心の目の中に
18. No. 7. The Too Short Time 短すぎる時
19. No. 8. Epeisodia エペイソディア
20. No. 9. Amabel アマベル
21. No. 10. He Abjures Love 彼は恋人に懇願する

[演奏]
ロードリック・ウィリアムズ(バリトン)
イアン・バーンサイド(ピアノ)

[録音]
2004年8月12-14日
Potton Hall, Westleton, Suffolk, England(UK)

英国近代の音楽を愛する方にとっては、フィンジの声楽曲は名作の宝庫。独唱歌曲の分野でのフィンジの大きな業績は、トマス・ハーディの詩の世界の音楽化にあると言えるでしょう。このアルバムに収録された歌曲集のうち二つはハーディ、もう一つはシェイクスピアの詩をテキストに用いたものです。劇的な激しさに耳を奪われる「私は恋人に言った」や、驚くべき緊張感が支配するシンフォニックな「海峡砲撃」などを聴けば、改めてフィンジの作曲能力の高さに驚かされます。

【CD14】…8.557222
ブリテン: 民謡編曲集 第2集

8 Folk Song Arrangements 8つの民謡編曲(1976)
1. Lord! I married me a wife やれやれ嫁はもらったが
2. She's like the swallow 彼女はツバメのように
3. Lemady レマディ
4. Bonny at morn すがすがしい朝
5. Bugeilio'r Gwenith Gwyn 白小麦の羊飼い(ひとり寂し)
6. Dafydd y Garreg Wen ホワイト・ロックのデイヴィッド
7. The False Knight upon the Road えせ戦士の行進
8. Bird Scarer's Song 鳥追いの歌

9. The Holly and the Ivy 柊と蔦は(1957)
10. King Herod and the Cock ヘロデ王とおんどり(1962)
11. The Twelve Apostles 十二使徒(1962)
12. The Bitter Withy 苦いウィジー(1962以前)

民謡集(管弦楽伴奏編)(1942頃-50年代)
13. Le roi s’en va-t’en chasses 王は狩りに行く
14. Fileuse 糸紡ぎ
15. Eho! Eho! こだま、こだま
16. La belle est un jardin d’amour 愛の庭の美人
17. Quand j'étais chez mon pere 父の家にいたとき
18. The Salley Gardens サリー・ガーデン
19. Little Sir William かわいいサー・ウィリアムズ
20. The Bonny Earl o’ Moray美しいムライ伯爵
21. O can ye sew cushions? おまえはクッションが縫えるかい?
22. Oliver Cromwell オリヴァー・クロムウェル
23. The Plough Boy 鋤で耕す少年
24. O Waly, Waly おお悲しい(広い河の岸辺)
25. Come you not from Newcastle? おまえはニューキャッスルの生まれではないのか
26. The Salley Gardens サリー・ガーデン

[演奏]
フィリップ・ラングリッジ(テノール)…1-8,10-12,19-26
マーガレット・フィーヴィア(ソプラノ)…9
ジュディス・ハリス(メゾ・ソプラノ)…9
ヴァーノン・カーク(テノール)…9
グレアム・タイタス(バリトン)…9
トーマス・アレン(バリトン)…13-18
オージアン・エリス(ハープ)…1-8
BBCシンガーズ…9
サイモン・ジョリー(指揮)…9
ウェンハストン少年合唱団…10-12
デイヴィッド・オーウェン・ノリス(ピアノ)…10-12
クリストファー・バーネット(指揮)…10-12
ノーザン・シンフォニア…13-26
スチュアート・ベッドフォード(指揮)…13-26

[録音]
1995年1月21-22日 Snape Maltings Concert Hall, Suffolk(UK)…10-12
1995年2月20-25日 March at St Giles Cripplegate, London(UK)…1-8
1995年3月31日 All Saints Church, Gosforth, Newcastle(UK)…13-26
1995年6月9日 St Paul’s Knightsbridge, London(UK)…9

ブリテンの重要な仕事の一つに、民謡を素材とした歌曲への編曲があります。このアルバムの魅力は何よりも、ブリテンの専門家ベッドフォードを中心に、ラングリッジとアレンという理想的な歌手、ハーピストや合唱団にもこだわり集められた演奏家陣にあります。日本でも急速に人気の高まった「サリー・ガーデン」は、2つの異なるバージョンで収録。また有名な「おお悲しい(広い河の岸辺)」や、クリスマスの定番「柊と蔦は」など、親しみやすいメロディー満載のアルバムです。

【CD15】…8.557643
ヴォーン・ウィリアムズ: 旅の歌/命の家 他

Songs of Travel 旅の歌(1901-04)
1. The Vagabond 放浪者
2. Let Beauty awake 美しい人よ、目覚めよ
3. The Roadside Fire 道端の火
4. Youth and Love 青春と恋
5. In Dreams 不幸せな夢の中で
6. The Infinite Shining Heavens 無限に輝く空
7. Whither must I wander? 私はいずこにさすらうか
8. Bright is the ring of words 言葉の響きは明るく
9. I have trod the upward and the downward slope 私は斜面を下りて行く

The House of Life 命の家(1903)
10. Love-sight 恋する人々
11. Silent Noon 静かな真昼
12. Love’s Minstrels 恋を歌う吟遊詩人
13. Heart’s Haven 心の隠れ家
14. Death in Love 愛の死
15. Love’s Last Gift 愛の形見

16. リンデン・リー(1901)

4 Poems by Fredegond Shove フレデグンデ・ショーヴによる4つの詩(1925)
17. Motion and Stillness 動きと静けさ
18. Four Nights 四つの夜
19. The New Ghost 新たな亡霊
20. The Water Mill 水車小屋

[演奏]
ロードリック・ウィリアムズ (バリトン)
イアン・バーンサイド(ピアノ)

[録音]
2004年8月27-29日
Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)

交響曲や管弦楽作品で知られるヴォーン・ウィリアムズ。実は声楽のジャンルでも本領を発揮していたことがわかります。『旅の歌』は、抒情的な旋律と詩の内容から、英国版のシューベルトの『冬の旅』と評されることもあります。ロセッティの詩による『命の家』も同規模の歌曲集。若き作曲者が書いたこれら二つの歌曲集は、英国歌曲の芸術的価値を高めた傑作です。「リンデン・リー」は作曲者の歌曲中、最も有名な小品。壮年期の『フレデゴンド・ショーヴによる4つの詩』には成熟の跡が見られます。

【CD16】…8.557963
フィンジ: 大地と大気と雨/ある詩人に/小道と踏み段を通って

Earth and Air and Rain 大地と大気と雨 Op. 15(1928-32)
1. No. 1. Summer Schemes 夏の計画
2. No. 2. When I Set Out for Lyonesse リヨネーズに旅立つ時
3. No. 3. Waiting Both お互いを待って
4. No. 4. The Phantom 幻影
5. No. 5. So I Have Fared だから私は出かけた
6. No. 6. Rollicum-Rorum ローリクム=ロールム
7. No. 7. To Lizbie Browne リズビー・ブラウンへ
8. No. 8. The Clock of the Years 時代の時計
9. No. 9. In a Churchyard 教会の庭に
10. No. 10. Proud Songsters 誇り高き歌鳥

To a Poet ある詩人に Op. 13a(1921-56)
11. No. 1. To a Poet a Thousand Years Hence 千年前の詩人に
12. No. 2. On Parent Knees 親の膝の上で
13. No. 3. Intrada イントラーダ
14. No. 4. The Birthnight 誕生の夜
15. No. 5. June on Castle Hill キャッスル・ヒルの6月
16. No. 6. Ode on the Rejection of St Cecilia 聖セシリアの拒絶のオード

By Footpath and Stile 小道と踏み段を通って Op. 2(1921-22)
17. No. 1. Paying Calls 呼んでいるのに
18. No. 2. Where the Picnic Was ピクニックはどこだった
19. No. 3. The Oxen 雄牛たち
20. No. 4. The Master and the Leaves 主人とその葉たち
21. No. 5. Voices from Things Growing in a Churchyard 教会の庭で育つものたちから聞こえる声
22. No. 6. Exeunt Omnes 退場

[演奏]
ロードリック・ウィリアムズ(バリトン)
イアン・バーンサイド(ピアノ)…1-16
サッコーニ四重奏団…17-22

[録音]
Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)
2005年8月27-28日…1-16
2006年1月10日…17-22

探せば探すほど良い曲が見つかる作曲家がフィンジ。特に注目していただきたいのは「小道と踏み段を通って」。ピアノ伴奏ではなく弦楽四重奏をバックに歌われますが、この伴奏部が、いかにもフィンジらしい美しさを誇ります。『大地と空気と雨』には、フィンジの歌曲中でも最も成功作。うきうき気分の「ローリクム=ロールム」、さらに抒情溢れるの「リズビー・ブラウンへ」を含みます。以上2曲はトマス・ハーディの詞によりますが、「ある詩人に」はそれぞれ異なる詩人をテキストに使用しています。

【CD17】…8.570414
フィンジ: ある若者の訓戒/地球が朽ちるまで/おお眼にも美しい

A Young Man's Exhortation ある若者の訓戒 Op. 14(1926-29)
1. No. 1. A Young Man's Exhortation ある若者の訓戒
2. No. 2. Ditty 小歌
3. No. 3. Budmouth Dears パドマウスの可愛い子ちゃんたち
4. No. 4. Her Temple 彼女の神殿
5. No. 5. The Comet at Yell'ham イェーラムの彗星
6. No. 6. Shortening Days 短縮された日々
7. No. 7. The Sigh ため息
8. No. 8. Former Beauties かつての美女たち
9. No. 9. Transformations 変化
10. No. 10. The dance continued 途切れない踊り

Till Earth Outwears 地球が朽ちるまで Op. 19(1927-56)
11. No. 1. Let me enjoy the earth 地球を楽しもう
12. No. 2. In years defaced 長い年月の内に醜くなり
13. No. 3. The Market Girl 市場の少女
14. No. 4. I look into my glass 鏡を覗きこんで
15. No. 5. It never looks like summer here 夏のようには見えない
16. No. 6. At a Lunar Eclipse 月食にて
17. No. 7. Life laughs onwards 人生は前に向かって笑う

Oh Fair to See おお眼にも美しい Op. 13(1925-56)
18. No. 1. I say 'I'll seek her side' 彼女のそばを探し求める、と私は言う
19. No. 2. Oh fair to see おお眼にも美しい
20. No. 3. As I lay in the early sun 朝日の中で横たわり
21. No. 4. Only the wanderer たださすらう者だけが
22. No. 5. To Joy 喜びに
23. No. 6. Harvest 収穫
24. No. 7. Since we loved 私たちが愛し始めてから

[演奏]
ジョン・マーク・エインズリー(テノール)
イアン・バーンサイド(ピアノ)

[録音]
2006年11月27-28日
Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)

短い生涯ながら、フィンジの創作活動の中心は歌曲にあり、この分野での彼の貢献は記憶されるべきものです。このアルバムには、彼が特に好んだトマス・ハーディの言葉を使用した歌曲集を2つと、様々な詩人による歌曲を集めて作曲者の死後に出版された「おお眼にも美しい」が収録されています。フィンジ作品に宿る密やかな抒情を見事に描き出したエインズリーの歌唱が聴きどころ。

【CD18】…8.570201
オルウィン(1905-1985): 蜃気楼/6つの夜想曲/海の風景/祈り

Mirages 蜃気楼(1970)
1. No. 1. Undine ウンディーネ
2. No. 2. Aquarium水族館
3. No. 3. The Honeysuckle ハニーサックル
4. No. 4. Metronome メトロノーム
5. No. 5. Paradise 楽園
6. No. 6. Portrait in a Mirror 鏡の中の肖像

6 Nocturnes 6つの夜想曲(1973)…世界初録音
7. No. 1. Everything is Now 全ては今
8. No. 2. Summer Rain 夏の雨
9. No. 3. Visitation 変奏曲
10. No. 4. Summer Night 夏の夜
11. No. 5. Circle 環
12. No. 6. Response 返答

13. Slum Song スラム・ソング(1947) …世界初録音

Seascapes 海の風景(1980)
14. No. 1. Dawn at Sea 海の夜明け
15. No. 2. Sea-Mist 海霧
16. No. 3. Song of the Drowned Man溺れた男の歌
17. No. 4. Black Gulls 黒いカモメ

Invocations 祈り(1977)
18. No. 1. Through the Centuries 数世紀もの間
19. No. 2. Holding the Night 夜を抱く
20. No. 3. Separation 離別
21. No. 4. Drought 渇き
22. No. 5. Spring Rain 春の雨
23. No. 6. Invocation to the Queen of Moonlight 月光の女王への祈り
24. No. 7. Our Magic Horse 私たちの魔法の馬

[演奏]
ジェレミー・ヒュー・ウィリアムズ(バリトン)…1-13
エリン・マナハン・トーマス(ソプラノ)…14-24
ジョン・ターナー(ソプラノ・リコーダー)…14-17
イアン・バーンサイド(ピアノ)

[録音]
2006年3月21-22日…18-24 Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)…18-24
2006年10月10-11日…1-13 Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)…1-13
2007年4月6日 Henry Wood Hall, London(UK)…14-17

多才、多作で知られるアルウィンですが、歌曲の主要作品のほとんどは後半生に書かれたものです。ここに収録された歌曲は、どれもが彼自身が詩を選びぬいて丁寧に作曲されたもので、まるでフォーレの歌曲を思わせるデリケートで儚い美しさを湛えています。ベテラン、ジェレミー・ヒュー・ウィリアムズと、透明感溢れる美しい声を持つマナハン・トーマスの歌唱に加え、「海の風景」にはイギリス屈指のリコーダー奏者ジョン・ターナーが参加。素朴な音色が作品を引き立てています。

【CD19】…8.570467
アイアランド(1879-1962): 5つの詩/もう森へなんか行かない/海ヘの情熱/サンタ・キアラ 他

1. Great Things レート・シングス(1925)

3 Songs to Poems by Thomas Hardyトマス・ハーディの詩による3つの歌(1925)
2. No. 1. Summer Schemes 夏の配色
3. No. 2. Her Song 彼女の歌
4. No. 3. Weathers お天気

5. Sea Fever 海への情熱(1913)
6. The Bells of San Marie サン・マリーの鐘(1919)
7. The Vagabond 放浪者(1922)
8. Santa Chiara サンタ・キアラ(1925)

2 Songs 2つの歌(1928)
9. No. 1. Tryst (In Fountain Court) あいびき(噴水のある庭で)
10. No. 2. During Music 音楽の間に

Marigold マリーゴールド(1913)
11. I. Youth's Spring - Tribute 青年期の春 - 賛辞
12. II. Penumbra 半影
13. III. Spleen 気まぐれ

14. I Have Twelve Oxen 私は12頭の雄牛を持っている(1918)

We'll to the Woods No More もう森へなんか行かない(1927)
15. I. We'll to the Woods No More もう森へなんか行かない
16. II. In Boyhood少年時代に
17. III. Spring will not wait 春は待つことなしに(ピアノ・ソロ)

5 Poems by Thomas Hardy トーマス・ハーディの5つの詩(1926)
18. No. 1. Beckon to me to come 私に合図を
19. No. 2. In my sage moments 賢明な瞬間に
20. No. 3. It was what you bore with you, Woman それはあなたとともに耐えたこと
21. No. 4. The tragedy of that moment 瞬間の悲劇
22. No. 5. Dear, think not that they will forget you あなたを忘れることはないと思う

23. 2つの歌 - 第2番 The Cost 代価 (1916)
24. When I am Dead, my Dearest いとしい人よ、私が死んでも(1924)
25. Songs Sacred and Profane 神聖な歌と世俗的な歌 - 第4番 The Salley Gardens サリー・ガーデン(1929-31)
26. Tutto e sciolto すべて、そして緩く(1932)
27. If There Were Dreams to Sell もしも売ることのできる夢があれば(1918)

[演奏]
ロードリック・ウィリアムズ(バリトン)…1-16,18-27
イアン・バーンサイド(ピアノ)

[録音]
2007年7月23-25日
Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)

イギリスの品の良さを一身に集めたかのような美しい作品を残したアイアランド。とりわけ管弦楽作品が良く知られていますが、彼の残した歌曲も、ほどよく抑制された表現の中に苦しく甘い切なさを感じさせる美しいものに満ちています。アンコールピースとして知られる「海熱」や素朴な「彼女の歌」など味わい深い歌ばかり。ウィリアムズの端正な歌声も曲を引き立てています。

【CD20】…8.572151
ガーニー(1890-1937): 歌曲集

1. On the Downs 夜明けに(1919)
2. Ha'nacker Mill ハナッカーの水車屋(1922)
3. The Bonny Earl of Murray 麗しのマレイ伯(1925)…世界初録音
4. The Cherry Trees 桜の木(1920)…世界初録音
5. By a Bierside ここは聖なる都市(1916)

5 Elizabethan Songs 5つのエリザベス朝の歌(1913-14)
6. No. 1. Orpheus with his lute オルフェウスがリュートをとれば
7. No. 2. Tears 涙
8. No. 3. Under the greenwood tree 緑の木の下で
9. No. 4. Sleep 眠り
10. No. 5. Spring 春

11. 7つのサッフォーの歌 - The Apple Orchard リンゴの果樹園(1919)
12. All night under the moon 月の下の全ての夜(1918)
13. The Latmian Shepherd ラトミアの羊飼い(1920)
14. I will go with my father a-ploughing 父さんと一緒に耕しに行く(1921)
15. Last Hours 最後の時(1920)
16. Cathleen ni Houlihan キャスリーン・ニー・フーリハン(1919)
17. A cradle song 子守歌(1920)
18. The Fiddler of Dooney ドーニーのフィドル(1918)
19. Snow 雪(1921)
20. The Singer 歌い手(1919)
21. Nine of the clock 時計の九時(1920)
22. Epitaph in old mode 古いスタイルの墓碑銘(1920)
23. The Ship 船(1920)
24. The Scribe 筆記体(1918)
25. Fain would I change that note 快く私は注記を変更する(1918)
26. An Epitaph 墓碑銘(1921)
27. When Death to either shall come私が死にゆく時施行すること(1920)
28. Thou didst delight my eyes 汝は我が目を喜ばせた(1921)
29. The boat is chafing ボートのきしみ(1920)
30. Lights Out: No. 4. Lights Out 光の外(1919)

[演奏]
スーザン・ビックリー(メゾ・ソプラノ)
イアン・バーンサイド(ピアノ)

[録音]
2008年6月24-26日
Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)

スタンフォードに学び、ハーバート・ハウエルズと親交のあった作曲家アイヴォー・ガーニーは、第1次世界大戦の従軍体験を元にして書いた2つの詩集を始めとした多くの詩作で「偉大なる詩人」としても知られています。彼はずっと双極性障害に苦しみ、また戦争で体調を崩し、最期は結核で亡くなるのですが、その一生を覆った暗い影は彼の音楽にも反映されているようで、300を超える歌曲のどれもが仄暗い色合いを帯びています。

【CD21】…8.572426
バターワース(1885-1916): シュロップシャーの若者より6つの歌/サセックスの民謡

6 Songs from A Shropshire Lad シュロップシャーの若者からの6つの歌(1911)
1. No. 1. Loveliest of trees この世で一番いとおしい樹々
2. No. 2. When I was one-and-twenty 私が20と1歳だったときに
3. No. 3. Look not in my eyes 私の目をのぞきこまないで
4. No. 4. Think no more, lad 思い悩むな、若者よ
5. No. 5. The lads in their hundreds 何百人の若者たち
6. No. 6. Is my team ploughing? 馬どもは耕しているだろうか?

11 Folk Songs from Sussex 11のサセックス民謡 – 第7番-第11番(1912)
7. No. 7. A brisk young sailor courted me 快活な若い船乗りが私に求愛したの
8. No. 8. Seventeen come Sunday 17歳よ 今度の日曜には
9. No. 9. Roving in the dew 露の中を歩くのが
10. No. 10. The true lover's farewell 誠実な恋人のお別れ
11. No. 11. Tarry trousers 煤けたズボン

Bredon Hill and Other Songs ブリードンの丘とその他の歌(1912)
12. No. 1. Bredon Hill ブリードンの丘
13. No. 2. O Fair enough are sky and plain おお とても美しい 空も野原も
14. No. 3. When the lad for the longing sighs 若者が憧れにため息つく時に
15. No. 4. On the idle hill of summer 夏の物憂い丘の上で
16. No. 5. With rue my heart is laden 悲しみに私の心は打ちひしがれている

17. I Will Make You Brooches 君のためにブローチを
18. I Fear Thy Kisses あなたのキスがこわい
19. Requiescat 安息

11のサセックス民謡 – 第1番-第6番(1912)
20. No. 1. Yonder stands a lovely creature あそこに立ってるぞ 素敵な女が
21. No. 2. A blacksmith courted me ひとりの鍛冶屋さんが私を愛した
22. No. 3. Sowing the seeds of love 蒔きました 愛の種を
23. No. 4. A lawyer he went out one day ある弁護士がある日出かけた
24. No. 5. Come my own one 来てよ、私の恋人
25. No. 6. The cuckoo カッコウ

[演奏]
ロードリック・ウィリアムズ(バリトン)
イアン・バーンサイド(ピアノ)

[録音]
2010年1月11-13日
Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)

バターワースは最初、弁護士になるべく勉強を始めますが、イートン・カレッジからオックスフォード大学トリニティ・カレッジに進む中で、ヴォーン・ウィリアムズと出会い音楽の道を志します。残念なことに、気に入らない作品は破棄してしまったことと、第一次世界大戦で若き命を散らしてしまったため、残された作品は本当に少ないのですが、どれも清々しい青春の息吹に満ちた美しいものばかり。名バリトン、ロデリック・ウィリアムズの伸びやかな声でお楽しみください。

【CD22】…8.572514
ヴェナブルズ(1955-): 愛の翼の上で/ヴェネチアの歌 他

On the Wings of Love 愛の翼の上で Op. 38(2006)…世界初録音
1. I. Ionian Song イオニアの歌
2. II. The Moon Sails Out 月灯りの中、船は出て行く
3. III. Sonnet XI ソネット第11番
4. IV. Epitaph 墓碑銘
5. V. When you are Old あなたが年をとった時

Love's Voice 愛の声 Op. 22(1995)
6. I. Fortunate Isles 幸運の島
7. II. The Passing Stranger 通り過ぎる見知らぬ人
8. III. The Invitation to the Gondola ゴンドラへの誘い
9. IV. Love's Voice 愛の声

10. Midnight Lamentation 真夜中の哀歌 Op.6(1974)

6 Songs 6つの歌 Op. 33より(1999)
11. No. 5. Break, break, break ブレイク、ブレイク、ブレイク…世界初録音
12. No. 4. The November Piano 11月のピアノ…世界初録音
13. No. 3. Vitae Summa Brevis 命の短き要約

2 Songs 2つの歌 Op. 28
14. No. 1. Flying Crooked 歪んだ飛行(1998)
15. No. 2. At Midnight 真夜中に(1997)

6つの歌 Op. 33より(1999)
16. No. 6. The Hippo かば

17. At Malvern モールヴァンにて Op. 24(1998)
18. A Kiss キス Op. 15(1992)

[演奏]
リチャード・ホスフォード(クラリネット)…1-5
アンドリュー・ケネディ(テノール)
イアン・バーンサイド (ピアノ)

[録音]
2009年11月23-25日
Wyastone Concert Hall, Monmouth(UK)

1955年生まれのイアン・ヴェナブルス。彼はリヴァプールで生まれ、地元の大学で学んだ後、トリニティ・カレッジで音楽を学びました。現在「イギリス有数の声楽曲作曲家」としての地位を築き、アーサー・ブリス協会の役員でもあります。彼の作品には、もちろん現代的な響きも含まれていますが、基本的に調性を逸脱することはなく、仄暗くも温かい雰囲気を帯びています。アンドリュー・ケネディの憂いを含んだ声が、またこれらの曲調にぴったり寄り添います。世界初録音を含む意欲的な選曲にも注目です。

【CD23】…8.572600
ブリテン: ウィリアム・ブレイクの歌と格言/売り言葉に買い言葉/民謡編曲集

Songs and Proverbs of William Blake ウィリアム・ブレイクの歌と格言 Op. 74(1965)
1. I. Proverb I: The pride of the peacock 箴言 I クジャクの誇りは
2. II. London ロンドン
3. III. Proverb II: Prisons are built 箴言 II 牢獄は法律の石をもて建てられ
4. IV. The Chimney-Sweeper 煙突掃除の少年
5. V. Proverb III: The bird a nest 箴言 III 小鳥は巣を
6. VI. A Poison Tree 毒の木
7. VII. Proverb IV: Think in the morning 箴言 IV考えるのだ、朝には
8. VIII. The Tyger 虎
9. IX. Proverb V: The tygers of wrath 箴言 V 怒れる虎はずっと賢いのだ
10. X. The Fly ハエ
11. XI. Proverb VI: The hours of folly 箴言 VI 愚者の時は時計で測ることができる
12. XII. Ah! Sun-flower! ああ、ひまわりよ
13. XIII. Proverb VII: To see a World 箴言 VII 一粒の砂の中に世界を見て
14. XIV. Every Night and Every Morn 毎晩、そして毎朝

Tit for Tat 売り言葉に買い言葉(1968)
15. No. 1. A Song of enchantment 魅惑の歌
16. No. 2. Autumn 秋
17. No. 3. Silver 銀
18. No. 4. Vigil 徹夜
19. No. 5. Tit for Tat 売り言葉に買い言葉

民謡編曲集(1941-58)
20. The Plough Boy 鋤で耕す少年
21. The Foggy, Foggy Dew 霧のかかった露
22. Tom Bowling トム・ボウリング
23. O Waly, Waly おお悲しい(流れは広く)
24. Oliver Cromwell オリヴァー・クロムウェル
25. The Ash Grove とねりこの林
26. The Salley Gardens サリー・ガーデン
27. There's none to soothe 慰めてくれる人もなく
28. Little Sir William 小さなサー・ウィリアム
29. Ca' the yowes 雌羊どもを呼び集めておくれ

[演奏]
ロードリック・ウィリアムズ (バリトン)
イアン・バーンサイド(ピアノ)

[録音]
2011年1月4-6日
Potton Hall, Westleton, Suffolk(UK)

ブリテンの声楽曲は、大抵生涯のパートナーであったピーター・ピアーズのために書かれていますが、この1965年の「ウィリアム・ブレイクの歌と格言」は不世出のバリトン、D.フィッシャー=ディースカウのために書かれています。1960年に作曲された『戦争レクイエム』のバリトン・パートも彼のために書かれたことでもわかるように、ブリテンはディースカウを心から信頼していたのでしょう。この作品もとても良く練られたものであり、並大抵の歌手では歌いこなせないほどの深遠さを見せています。交互に歌われる格言と歌は全て密接な結び付きを持ち、執拗な言葉遊びと皮肉めいた味わいで満たされています。彼が終生愛した民謡編曲集と、ウォルター・デ・ラ・メアの詩による歌曲集『売り言葉に買い言葉』も収録。

【CD24】…8.573080
ジョナサン・ダヴ(1959-): 連作歌曲集

Out of Winter アウト・オブ・ウィンター(2003)…世界初録音
1. Song I 歌I
2. Song II 歌II
3. Song III 歌III
4. Song IV歌IV
5. Song V 歌V
6. Song VI 歌VI

Cut My Shadow わが影を棄てて(2011)…世界初録音
7. No. 1. Surprise 驚き
8. No. 2. The Guitar ギター
9. No. 3. Song of the Dry Orange Tree 乾いたオレンジの樹の歌

Ariel アリエル(1998)
10. No. 1. Come unto These Yellow Sands 黄砂のもとに
11. No. 2. I Boarded the King's Ship! 私は王の船に乗り込んだ
12. No. 3. O, O, O オー、オー、オー
13. No. 4. All Hail, Great Master! 全ての雹よ、偉大なる巨匠
14. No. 5. Is There More Toil? より多くの苦労はあるの?

All You Who Sleep Tonight 今宵眠る全ての人へ(1996)…世界初録音
15. No. 1. Condition 条件
16. No. 2. Telephone 電話
17. No. 3. Across 横切る
18. No. 4. Prandial Plaint 食事の嘆き
19. No. 5. Interpretation 解釈
20. No. 6. Mistaken 誤り
21. No. 7. God's Love 神の愛
22. No. 8. Dark Road 暗き道のり
23. No. 9. Door ドア
24. No. 10. Night Watch 夜警
25. No. 11. Voices 声
26. No. 12. Soon まもなく
27. No. 13. All You Who Sleep Tonight 今宵眠る全ての人へ

[演奏]
ニッキー・スペンス (テノール)…1-6
パトリシア・バードン(メゾ・ソプラノ)…7-9,15-27
クレア・ブース(ソプラノ)…10-14
アンドリュー・マシューズ=オーウェン(ピアノ)…1-9,15-27

[録音]
2014年4月1-2日…1-9,15-27
2014年5月5日…10-14
Menuhin Hall, Cobham, Surrey(UK)

ジョナサン・ダヴは現代の英国において、最も機知に富む多彩な音楽を創り出す作曲家の一人として評価されており、中でも歌曲、合唱曲については最上級の賛辞が贈られています。このアルバムには4つの歌曲集を収録。『冬の外に』はロバート・ティアの詩によるもので、曲の雰囲気はどこかブリテンの一連の歌曲を思わせる、繊細な静けさを湛えています。『わが影を棄てて』はガルシア・ロルカの英語訳のテキストが用いられており、乾いたリアリズムが横溢する音楽です。『アリエル』はすばらしく神秘的な歌曲で、伴奏なしのソプラノのみで歌われます。『今宵眠る全ての人へ』はロマンティックな感情と、宗教性、心、場所、四行詩がモティーフ。プーランクを思わせる聖と俗が入り混じった物語が描かれています。

【CD25】…8.572706
ブリテン: 誕生日のお祝い/この子らは誰? 他

A Birthday Hansel 誕生日のお祝い Op. 92(1975)
1. No. 1. Birthday Song バースデイ・ソング
2. No. 2. My Early Walk 私の早朝散歩
3. No. 3. Wee Willie Gray ウィー・ウィリー・グレイ
4. No. 4. My Hoggie 私の羊
5. No. 5. Afton Water アフトンの流れ
6. No. 6. The Winter 冬
7. No. 7. Leezie Lindsay リージー・リンジー

Who are these Children? この子らは誰? Op. 84(1969)
8. No. 1. A Riddle (The Earth) なぞなぞ(地球)
9. No. 2. A Laddie's Sang 若者の歌
10. No. 3. Nightmare 悪夢
11. No. 4. Black Day ついていない日
12. No. 5. Bed-time 就寝時間
13. No. 6. Slaughter 殺戮
14. No. 7. A Riddle (The Child You Were) なぞなぞ(あなたがいた子供)
15. No. 8. The Lark Lad ひょうきん者
16. No. 9. Who are these Children? この子らは誰?
17. No. 10. Supper 晩餐
18. No. 11. The Children 子供たち
19. No. 12. The Auld Aik 樫の老木

20. Cradle Song, "Sleep, my darling, sleep子守歌 「ねむれ、わが子よ、ねむれ」(1942)
21. O that I had ne'er been married ああ、私はこれまで結婚していなかった(1922)
22. Ca' the yowes 雌羊どもを呼び集めておくれ(1951)
23. There's none to soothe 慰めてくれる人もなく(1945)
24. O can ye sew cushions? おまえはクッションが縫えるかい?(1940)
25. The Bonny Earl o' Moray 美しいマリー伯爵(1940)
26. Bonny at morn すがすがしい朝(1976)
27. Come you not from Newcastle? おまえはニューキャッスルの生まれではないのか(1946)
28. Dawtie's Devotion ドウティーの献身(1969)
29. The Gully 大きなナイフ(1969)
30. Tradition伝統(1969)

4 Burns Songs バーンズの4つの歌(1975)(C.マシューズによるピアノ伴奏編)
31. No. 1. Afton Water アフトンの流れ
32. No. 2. Wee Willie ウィー・ウィリー
33. No. 3. The Winter 冬
34. No. 4. My Hoggie 私の羊

[演奏]
マーク・ワイルド(テノール)
ルーシー・ウェイクフォード(ハープ)…1-7,26
デイヴィッド・オーウェン・ノリス(ピアノ)…8-25,27-34

[録音]
2009年8月17-19日
Turner Sims Concert Hall, University of Southampton(UK)

生涯にわたり、数多くの歌曲を残したブリテン。盟友であった名歌手ピアーズや、交流のあった詩人オーデンの影響も強いのですが、何より彼自身が古代スコットランドの伝統音楽・・・仄暗く、表現豊かで清冽な表現に惹かれていたからなのかも知れません。このアルバムに収録された2つの連作歌曲は、どちらも晩年の作品で、『誕生日のお祝い』はエリザベス2世が、実母の75歳の誕生日を祝うためにブリテンに作曲を依頼したもの。王族のスコットランドの家系を重んじるため、スコットランド語の歌詞が選ばれたと言います。また、ウィリアム・スーターの歌詞による『この子らは誰?』の暗く劇的な音楽描写は、ブリテンが強烈な反戦主義者であったことを思い起こさせます。どちらもピアーズによって初演されましたが、ここではマーク・ワイルドの甘美な声が、これらの名歌曲にまた新しい表情を与えています。


カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2021年03月31日 00:00