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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.53

ビル・エヴァンス&ジム・ホール『アンダーカレント』(1962)

BJU

ビル・エヴァンス(p)
ジム・ホール(g)

1962年4月24日、5月14日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
02.アイ・ヒア・ア・ラプソディ
03.ドリーム・ジプシー
04.ロメイン
05.スケーティング・イン・セントラル・パーク
06.ダーン・ザット・ドリーム

【アルバム紹介】
1.数あるジャズ・アルバムの中でも屈指の美ジャケット
2.ピアノとギターのデュオによる、ジャズ史に残るインタープレイが聴ける
3.バラード名曲“マイ・ファニー・ヴァレンタイン”をアップテンポで演奏

前回紹介しましたジョン・ルイス『グランド・エンカウンター』は女性が横たわる美しいジャケットでしたが、今回のこのアルバムも数あるジャズ・アルバム中屈指の美ジャケで知られる名盤です。内容は知らずとも、“ジャケ買い”してしまった人が多い一作かと思われます。

ビル・エヴァンスとジム・ホールによるピアノとギターの至高のデュオ作品であり、ジャズ史上に残るインタープレイが聴ける傑作です。
2人とも技巧的にバリバリ弾くタイプというより、内省的なハーモニーを重んじたリリカルなプレイをも得意としているだけに、その演奏は豊かな響きが伴っているのが特徴です。

デュオというと、バラード寄りの演奏になりがちですが、意外なことにこのアルバムはそれを裏切るような解釈もあり、一曲目の名スタンダード“マイ・ファニー・ヴァレンタイン”でのリズミカルなアプローチがそのいい例といえます。
他もロマンティック系のスタンダード曲を取り上げていますが、オリジナル曲はジム・ホールの“ロメイン”、ピアニストのジョン・ルイスのよる“スケーティング・イン・セントラル・パーク”が収録されています。

この2人のデュオはこの4年後、1966年に再びレコーディングの機会が訪れ、『インターモデュレーション』というアルバムとしてリリースされており、こちらもデュオ名盤として人気の高い一枚になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ピアノとギターによる“マイ・ファニー・ヴァレンタイン”の名演

以前、2月のヴァレンタイン・デーの季節になると、チェット・ベイカーの『シングス』とこのアルバムがよく売れた時代がありました。その理由はこの曲が入っているから、でした。そしてお店ではほとんどの人がお買い上げの際プレゼント包装を希望されたことも印象に残っています。
ご存じの通り、この“マイ・ファニー・ヴァレンタイン”はいろいろな演奏が存在しますが、ピアノとギターのデュオによる名演といえば、間違いなく筆頭に上がるのは、このアルバムの演奏になるでしょう。
先述の通り、この曲はバラードで演奏されることが多い曲ですが、意表をつくかのように、ここではアップテンポでリズミカルな演奏を聴かせています。
イントロもなくピル・エヴァンスが奏でるテーマでいきなり曲に入っていきますが、その後にジム・ホールのギター・ソロに移り、絶妙な間をかませたピアノのバッキングの上を巧みなフレージングでソロを展開します。そしてビル・エヴァンスのピアノにソロが移りますが、途中からジム・ホールがストロークによる素晴らしいリズム・カッティングによるバッキングを聴かせます。テーマ再現部では今度はジム・ホールがギターでメロディを奏でてエンディングに向かいます。
インティメイトな空間を演出するデュオ演奏にじっくりと浸ってみてください。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年11月22日 13:00