ドイツ正統派ヴァイオリニスト、F.P.ツィンマーマンによる2度目のモーツァルト協奏曲録音第2集
ドイツ正統派ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマンが独ヘンスラー・レーベルより自身2度目となるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲全集録音を遂行中ですが当ディスクはその第2集で、第2番、第5番「トルコ風」、そして協奏交響曲が収録されました。ヴァイオリン協奏曲第1、3、4番、アダージョ(K.261)、そしてロンド(K.373)をおさめた第1集(98 039 / KKC 5422)がレコード芸術特選盤をはじめ、各誌・各紙で絶賛されただけに第2集にも期待が高まるところです。
ツィンマーマン1度目の全曲録音はイェルク・フェルバー指揮、ヴュルテンベルク室内管弦楽団と1986年に行いましたので、このたび四半世紀の時を経て2度目の全曲録音を開始したことになります。今回共演したのはバイエルン放送室内管弦楽団、指揮はラドスラフ・スルクです。ツィンマーマンは当団の2005-06年シーズンでモーツァルトの5つのヴァイオリン協奏曲を披露しておりまして、その演奏会がきっかけでこの2度目の録音が実現されることとなりました。
ツィンマーマンといえば優美で香り高き音色を奏でますが、とりわけモーツァルトの演奏は絶品です。今回の録音ではポーランド生まれのヴァイオリニストで、バイエルン放送交響楽団のコンサート・マスターのラドスラフ・スルクが指揮を担当しており、完璧なアンサンブルはもとより、特に弦楽の美しさを追求した演奏です。
「弦楽トリオは自分にとってベストなアンサンブル」と考え、2007年に若き天才ヴィオラ奏者のアントワーヌ・タムスティと俊英チェリスト、クリスチャン・ポルテラと“トリオ・ツィンマーマン”を結成したツィンマーマン。室内楽に積極的に取り組み、音楽的表現がより豊かになった今、アンサンブルをより意識しながら演奏しております。
協奏交響曲のヴィオラ奏者はもちろんアントワーヌ・タムスティです。長年ベストなアンサンブルができる演奏者を探していたツィンマーマンが、タムスティの演奏会に足を運んだ際に感銘を受け、その音色に魅了されたツィンマーマンが終演後、直々にトリオ結成を懇願したほどの惚れこみようです。心の知れた盟友との当演奏でも抜群のアンサンブルで極上のモーツァルトを聴かせてくれます。
ツィンマーマン、タムスティの使用楽器はストラディヴァリウスで、ツィンマーマンの楽器はかつてクライスラーが所有していた1711年製の名器‘Lady Inchiquin’でまるでビロードのような美しい音色です。
(キングインターナショナル)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集第2集
ヴァイオリン協奏曲第2番 ニ長調K.211(ⅰ.8’15”+ⅱ.6’29”+ⅲ.4’04”=18’48”)
ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調K.219「トルコ風」(ⅰ.13’12”+ⅱ.9’02”+ⅲ.5’57”=28’11”)
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364*(ⅰ.8’47”+ⅱ.9’02”+ⅲ.8’01”=25’50”)
フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン;ストラディヴァリウス1711年‘Lady Inchiquin’)
アントワーヌ・タムスティ(ヴィオラ;ストラディヴァリウス1672年‘Mahler’)*
ラドスラフ・スルク(指揮)、バイエルン放送室内管弦楽団
セッション録音:2015年6月28日/ヘルクレスザール、ミュンヘン王宮内
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2016年01月29日 18:00