ネゼ=セガンによるブルックナー:交響曲第3番(1873年初稿)

現在、飛ぶ鳥を落とす勢いのヤニック・ネゼ=セガン。世界の一流オーケストラから声がかかり、賞賛されている未来の巨匠指揮者。アメリカの名門オーケストラ、フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督に就任し、2014年6月には来日公演を行い、日本の聴衆をあっと驚かせました。
そんな彼の地元カナダ、モントリオールのオーケストラ、メトロポリタン管弦楽団と録音を続けているブルックナー・シリーズ。メトロポリタン管弦楽団は、ケベック音楽院を卒業した優秀な音楽家たちによって、1981年にモントリオールで創設。2000年からヤニック・ネゼ=セガンが芸術監督に就任しメキメキと頭角を現すようになりました。
このブルックナーの交響曲第3番は、2014年6月にモントリオールの新しいホール、メゾン・サンフォニックで録音されました。この作品は、ブルックナーが尊敬していたワーグナーに献呈されたことから「ワーグナー交響曲」と呼ばれることもあります。この作品も、ワーグナーに献呈された1873年初稿より改稿が重ねられ、一般的に知られているのは最終稿である第3稿ですが、本盤は初稿で演奏されています。初稿は曲全体が長大で65分の演奏時間を要します。しかし、そこは知的な構成力を持つネゼ=セガン、緻密に響きを積み重ね、さらに躍動感をもって音楽を作り上げています。そして、ネゼ=セガンの高度な要求にも瞬時に反応できるオケの力量も録音を重ねる毎に確かに上がっていると感じます。
(キングインターナショナル)
【収録曲】
ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調(1873年初稿)
【演奏】
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮)
メトロポリタン管弦楽団
【録音】
2014年6月 メゾン・サンフォニック、モントリオール
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2014年10月23日 10:54