『アイ・ラヴ・ブルーノート』75周年を記念したベスト盤

ブルーノート75周年記念!
ジャズの名門レーベル、ブルーノートの創立75周年を記念したタイムレスなベスト盤が登場!
グラミー賞受賞アーティストのノラ・ジョーンズ、ロバート・グラスパー、グレゴリー・ポーターといった現代の最新アーティストから、ソニー・クラーク、ジョン・コルトレーン、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ、ブルーノート最初のヒットをもたらしたシドニー・ベシェなど往年の名曲・名演を網羅した2枚組!国内盤はSHM-CD仕様!
【収録曲】
◎DISC 1
1. Summertime - Sidney Bechet Quintet
1939年録音。ブルーノート最初のヒット曲。ジョージ・ガーシュインがミュージカル・オペラ『ポーギーとベス』のために作曲。作詞はデュボース・ヘイワードが担当。ジャンルを超えてカバーされる大人気曲になった。
2. 'Round About Midnight - Thelonious Monk
ジャズ最大の作曲家セロニアス・モンクは、1947年にブルーノートに初めてのリーダー録音を実施。それから数年間の録音が2枚のアルバムにまとめられる。この曲を含め後に有名になる多くの自作曲が録音された。
3. A Night In Tunisia - Bud Powell
バド・パウエルはモダン・ジャズ・ピアノのパイオニア。超絶技巧と卓越した表現美でモダン・ジャズのピアノ・スタイルを確立した。また、ピアノ、ベース、ドラムからなるピアノ・トリオ・スタイルを浸透させている。この曲はモダン・ジャズ初期の名曲。
4. Brownie Eyes - Clifford Brown
クリフォード・ブラウンはモダン・ジャズのトランペット奏法の確立に大きな貢献を果たした天才肌のアーティスト。25歳という若さで自動車事故死したが、わずかな期間に歴史に残る名演を多く残した。この曲は後にプロデューサーとして大成功を収めるクインシー・ジョーンズが作曲したバラード。
5. Blue Train - John Coltrane
ジョン・コルトレーンはカリスマ的な人気と影響力を誇るテナー・サックス奏者。1950~60年代に時代の最先端を走り、ハードバップ、モード、フリーなどモダン・ジャズのさまざまな演奏スタイルを極めた。これはコルトレーンがブルーノートに残した唯一のリーダー・アルバム『ブルー・トレイン』(1957年)収録のオリジナル曲。
6. Tune Up - Sonny Rollins
ジョン・コルトレーンと肩を並べる実力と人気を誇るソニー・ロリンズ。豪快かつパワフル、そして創造性と歌心あふれる演奏はワン・アンド・オンリーの魅力がある。この曲はトランペット奏者のマイルス・デイヴィスが作曲、ジャズ・スタンダードになった。
7. Moanin' - Art Blakey & The Jazz Messengers
アート・ブレイキーはモダン・ジャズの全盛時代にジャズ・シーンをリードした偉大なるドラマー。この曲はアルバム『モーニン』(1958年)に収録の人気曲。ボビー・ティモンズがゴスペルの形式を使って作曲した。ファンキー・ジャズの大人気曲で、60年代の初めに日本でもブームになるほどヒットしている。人気のジャズ漫画/アニメ「坂道のアポロン」でも劇中で印象的に登場。
8. Cool Struttin' - Sonny Clark
ブルージーでファンキーな演奏で人気を博し、レーベルのハウス・ピアニストとなり、数多くのアルバムに参加した。彼自身のアルバムの中で最も人気があるのが『クール・ストラッティン』(1958年)。クラークが作曲したマイナー調のこのタイトル曲とアルバムは日本のジャズ喫茶で大ヒットした。本国のアメリカ以上に日本のほうが有名なアーティスト。
9. Blues Walk - Lou Donaldson
ストレイトアヘッド・ジャズとソウル・ジャズの両方で活躍したアルト・サックス奏者。ファンキーな演奏が得意で、自作曲の“アリゲーター・ブーガルー”を大ヒットさせた。この曲は自作のオリジナル・ナンバーで、アルバム『ブルース・ウォーク』(1958年)収録。
10. Somethin' Else - Cannonball Adderley (feat. Miles Davis)
キャノンボール・アダレイはファンキー&ソウルフルな演奏で人気を博したアルト・サックス奏者。アルバム『サムシンエルス』(1958年)収録。トランペットのマイルス・デイヴィスの参加が大きな話題。契約の関係上アダレイのアルバムとなっているが、実質上はマイルスのアルバムといわれる。マイルスとキャノンボールのかけ合いが印象的なブルージーなナンバーである。
11. Back At The Chicken Shack - Jimmy Smith
「ジャズ・オルガンの王様」ジミー・スミス。モダン・ジャズにおけるオルガン奏法を確立。米ジャズ雑誌ダウンビートの人気投票では死去するまで40年以上にわたりオルガン部門の第1位に君臨した。オルガンのソウル・ジャズの先駆者もである。
◎DISC 2
1. Chitlins Con Carne - Kenny Burrell
ブルース・フィーリングあふれる演奏で人気を博したギタリスト。1950~60年代のジャズの名作に多数参加。史上最高のモダン・ジャズ・ギター奏者の一人である。バレルが作曲したこの曲は代表傑作『ミッドナイト・ブルー』(1963年)収録。
2. The Sidewinder - Lee Morgan
モダン・ジャズの最盛期に大活躍したトランペット奏者。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズでスター・プレーヤーとして活躍する一方で、ブルーノートに数々の人気作を録音した。アルバム『ザ・サイドワインダー』(1963年)はその代表作。ロックンロール調のリズムを取り入れたこのナンバーは、ジャズ・ロックの名曲と呼ばれるようになった。
3. Speak No Evil - Wayne Shorter
1960年代から第一線で活躍するテナー・サックスの巨匠。アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ、マイルス・デイヴィス・クインテット、ウェザー・リポートというジャズ界をリードしたバンドに在籍。1960年代はブルーノートに斬新な作品を多数残した。
4. Maiden Voyage - Herbie Hancock
ブルーノートを代表するピアニスト。マイルス・デイヴィス・クインテットで活躍するかたわら、ブルーノートに名作の数々を残した。この曲は代表傑作といわれるアルバム(1965年)のタイトル・ナンバー。モード・ジャズの手法を導入して、全曲とも海をテーマにして作曲した作品である。
5. Song For My Father - Horace Silver
ファンキー・ピアノの化身。優れた作曲家でもあり、数々のファンキー・ジャズの名曲を残している。父親は西アフリカの小さな島国出身のポルトガル人。父の好きなラテン系の音楽を聴いて育ち、それが彼のファンキー・ピアノに大きな影響を与えた。
6. Black Byrd - Donald Byrd
ストレイトアヘッド・ジャズとソウル・ジャズの両方で成功を収めたトランペッター。音楽教育にも強い関心を示し大学で長年教鞭をとる。彼の教え子でプロデューサー&作編曲家として成功したのがマイゼル兄弟。彼らがプロデュースしたバードのアルバム『ブラックバード』(1972年)は、全米ポピュラー・チャートでも話題になる大ヒットを記録した。ヴォーカル入りのこのタイトル曲はラリー・マイゼルの作曲。
7. Cantaloop (Flip Fantasia) - US3 feat. Rahsaan and Gerard Presencer
US3は1990年代にジャズ・ラップ、ヒップホップ・ジャズで世界的な人気を博した英国のユニット。ブルーノート・レコードの音源をサンプリングした彼らの音楽は、クラブ・ジャズの先駆けにもなっている。最大のヒット曲がこの曲で、原曲はハービー・ハンコックが作曲したジャズ・スタンダード“Cantaloupe Island”。同曲をサンプリングして、歌やトランペットをフィーチャーしたヴァージョンである。
8. Come On In My Kitchen - Cassandra Wilson
現代ジャズ・ヴォーカル界を代表するシンガー。創造性あふれる即興的な歌唱で高い評価を得た。ジャンルを超えた自己のヴォーカル・スタイルを確立。ジャズのみならず、ブルースやR&Bなども得意である。この曲はブルーノート第1弾『ブルー・ライト・ティル・ダウン』(1993年)収録。
9. Cold Cold Heart - Norah Jones
ノラ・ジョーンズはアメリカ音楽界を代表するスーパースター。ピアノ&ギター弾き語りで歌うシンガー・ソングライターである。この曲は2002年度のグラミー賞主要8部門を独占、センセーショナルなデビューを飾ったアルバム『ノラ・ジョーンズ』(原題:Come Away with Me)収録。
10. Afro Blue - Robert Glasper feat. Erykah Badu
ロバート・グラスパーはジャズとヒップホップを自由自在に往来するピアニスト。日本でも人気の高い新世代を代表するアーティストである。この曲はグラミー賞R&B部門を受賞したアルバム『ブラック・レディオ』(2012年)収録。モンゴ・サンタマリアが作曲、テナー・サックス奏者のジョン・コルトレーンが得意曲にした。ここではネオ・ソウルという新しいスタイルで人気を博したR&Bシンガー、エリカ・バドゥがフィーチャーされる。
11. Liquid Spirit - Gregory Porter
グレゴリー・ポーターはソウル&ジャズ系のシンガー・ソングライター。存在感あふれるソウルフルなヴォーカルで魅了する。サンディエゴなどでローカル・シンガーとして活動。ヒューバート・ロウズの推薦で世に出た。満を持してブルーノートからメジャー・デビューを飾った遅咲きの大器である。力強い歌唱に圧倒されるこの曲は、ブルーノート第1弾『リキッド・スピリット』(2013年)収録。