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【LSO Live】ゲルギエフ&LSO~シマノフスキ:交響曲全集第2弾

ゲルギエフ

妖しさ漂うLSO の機能全開ゲルギエフ~会心のシマノフスキ
ゲルギエフがロンドン響と行ったシマノフスキ:交響曲録音シリーズ。
今回は交響曲第3番「夜の歌」と第4番(協奏交響曲)!
第4番では、凄腕、デニス・マツーエフが共演。ライヴ録音ならではの鮮烈な演奏が十分な存在感を伝えています。
そして、代表作の一つであるスターバト・マーテルもカップリングされ、コレはファン必聴の1枚です。
※SACDハイブリッド盤;SACD Hybrid;Multi-channel 5.1

ゲルギエフとロンドン交響楽団は、2012年シーズンでシマノフスキとブラームスの交響曲を対比上演するという試みを行いました。かたやポーランド近代、かたや純ドイツ・ロマン派と、交響曲を4篇残していること以外共通する点のないふたりの作曲家ですが、ゲルギエフにとって初レパートリーだけに興味津々。
今回のアルバムはシマノフスキ作品のみ、ソリストとオーケストラのための3篇が収められています。

カロル・シマノフスキ(1882-1937) は近代ポーランドを代表する作曲家ですが、生まれ育ちはウクライナ。ロシア・ピアニズムの源流ゲンリヒ・ネイガウスが従兄弟、ホロヴィッツの師だったピアニストで作曲家のフェリクス・ブルーメンフェルトが叔父という、ロシア音楽史から見ても特別な家柄の出です。それゆえか、彼の音楽はポーランドの演奏家のみならず、ロシアの大物たちに愛奏される歴史があり、リヒテルやオイストラフも素晴らしい録音を残しています。

交響曲第3番「夜の歌」は、13世紀ペルシャの詩人ジャラール・ウッディーン・ルーミーの詩をドイツ語からの重訳でポーランド語訳された歌詞によるテノールと合唱付きのオラトリオ風作品で、神秘的で扇情的な歌詞とスクリャービン風の官能性に満ちた音楽。この曲の初演は、1916年11月にアレクサンドル・ジロティ(ラフマニノフの従兄のピアニストで指揮者)の指揮で予定されていましたが延期となり、1921年11月にロンドンにてアルバート・コーツ指揮ロンドン交響楽団により行われました。コーツはロシア革命までマリインスキー劇場の首席指揮者を務めたゲルギエフの大先輩でもあり、同じLSOを指揮しての演奏など、ゲルギエフならびにロシアとの縁の深さに興味津々。極めて大編成で、たくさんの声部による精緻を極めた織物ですが、まさにゲルギエフの真骨頂、驚くべきバランス感覚と統率力で完璧に再現しています。独唱のトビー・スペンスはイギリスのテノール。明るくさわやかな美声がかえってこの作品の変態性を際立たせています。

交響曲第4番は、「協奏交響曲」と呼ばれるピアノとオーケストラのための作品。
シマノフスキの晩年にあたる1932年に作曲され、親友の大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインに捧げられました。通常のピアノ協奏曲よりもオーケストラの比重が高く、まさに立派な交響曲となっています。マツーエフの師ナセトキンはゲンリヒ・ネイガウスの弟子であり、まさに直系の独奏者。あいかわらずの物凄いテクニックで、ポーランド民俗舞曲に基づくフィナーレなど、プロコフィエフの音楽のようで鮮烈です。ここでもゲルギエフのバランス感覚とLSOの巧さが光ります。

1926年作の「スターバト・マーテル」は、宗教音楽ながらポーランドの民俗音楽の要素濃厚な、シマノフスキ後期の傾向が明瞭な作品。
シマノフスキの古代趣味の表れのひとつである16世紀ルネサンス音楽への傾倒が見てとれます。独唱も合唱もポーランド語により、非常に感動的です。

ゲルギエフはシマノフスキの音楽について、「広く聴かれ、認められるのが当然なだけでなく、その音楽で20世紀音楽の発展をより良く理解する絶好の機会だ」と絶賛しています。シマノフスキの交響曲第3番と4番はこれだけ持っていれば充分な決定盤の登場と申せましょう。

【曲目】
シマノフスキ:
1)交響曲第3番Op.27「夜の歌」
2)協奏交響曲(交響曲第4番Op.60)
3)スターバト・マーテルOp.53(ポーランド語歌唱)
【演奏】
1、3)トビー・スペンス(Ten)
2)デニス・マツーエフ(Pf)
2)サリー・マシューズ(Sop)
3)エカテリーナ・グバノワ(Ms)、コスタス・スモリギナス(Br)
ワレリー・ゲルギエフ(指揮)、ロンドン交響楽団、同合唱団
サイモン・ハルジー(合唱指揮)
【録音】
2012年12月、2013年3月、バービカン・ホール(ライヴ)

※SACD Hybrid;Multi-channel 5.1

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2013年07月11日 15:29

更新: 2013年07月11日 15:58