【Dynamic】アルゲリッチ&バルドッチ~2台ピアノ作品集

アルゲリッチが自身のプロジェクトに招待し、ルガーノなどで共演したバルドッチと、
2008年、リヴォルノで行ったライヴ音源がCD化。
モーツァルト、ショスタコーヴィチ、ラフマニノフ、ミヨー、ラヴェルによる作品集は聴き応えアリ。
2008年、リヴォルノでのライブ収録。
若き才能を見出すことにかけて他の追従を許さないマルタ・アルゲリッチ。そんな彼女が最近重用している注目アーティストが、このガブリエル・バルドッチ!
とは言え、彼はすでに33歳にして、ピアニスト、指揮者、教育者として一連の評価を受けた名手であり、アルゲリッチの強烈なオーラをがっちり受け止めてはねかえすだけのパワーの持ち主でもあります。すでに何枚かのCDもリリースしていて、DYNAMICからはベートーヴェン=リストの交響曲全集が予定されていたり、またARTSレーベルからはニーノ・ロータの作品集が出ています。そんな彼は6歳からピアノのレッスンを始めましたが、マルタ・アルゲリッチの演奏を聴いた瞬間に「恋に落ちた」というほど、彼女の演奏に衝撃を得たといいます。彼自身の憧れの対象であったアルゲリッチにショパンのバラードを聴いてもらった時には、まさに天にも昇る思いだったに違いありません。彼の才能に魅力を感じたアルゲリッチは自身のプロジェクトに招待し、アルゼンチンとルガーノで初の4手作品の演奏を果たすことになります。そんなアルゲリッチとバルドッチがここで選んだのは、モーツァルト、ショスタコーヴィチ、ラフマニノフ、ミヨー、ラヴェルの5人の作曲家の作品です。
モーツァルトは、アニメで有名になった、根強いファンを持つ名作「K448」です。アニメでもキャラの立った2人が仲良く演奏していましたが、こちらは更に熱いモーツァルトが堪能できます。激しいバトルが展開されるショスタコーヴィチはまさに手に汗を握るかの如く。ラフマニノフとラヴェルは、いかにもアルゲリッチが得意とするレパートリー。うねる感情と気合、そして飛び散る汗が視覚化されるような演奏です。ミヨーのスカラムーシュの軽妙なやりとりもさすが。これは確かに素晴らしい演奏です。
2台ピアノのための作品集
【曲目】
1-3.モーツァルト(1756-1791):ソナタ ニ長調 K448
4.ショスタコーヴィチ(1906-1975):コンチェルティーノ イ短調 Op.94
5-8.ラフマニノフ(1873-1943):組曲 第1番「幻想的絵画」
バルカロール/夜と愛と/涙/復活祭
9-11.ミヨー(1892-1974):スカラムーシュ Op.165b
12.ラヴェル(1875-1937):ラ・ヴァルス(作曲家自身による2台ピアノ版)
【演奏】
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、ガブリエレ・バルドッチ(ピアノ)
【録音】
2008年、リヴォルノ;ライブ収録
Track List:
Wolfgang Amadeus MOZART
Sonata in D major KV 448 21:55
1 Allegro con spirito 07:49
2 Andante 07:57
3 Molto Allegro 06:09
Dmitrij SHOSTAKOVICH
4 Concertino in A minor Op. 94 09:16
Sergej RACHMANINOV
Suite No. 1 Op. 5 (Fantaisie-Tableaux) 22:22
5 Barcarolle 07:57
6 La nuit... l’amour... 06:07
7 Les larmes 05:28
8 Paquês 02:50
Darius MILHAUD
Scaramouche Op. 165b 10:35
9 Vif 02:47
10 Moderé 05:14
11 Brasileira 02:34
Maurice RAVEL
12 La valse, poème chorégraphique pour orchestre 12:08
(original transcription for two pianos by the composer)
Total running time 76:16