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【LSO Live】ゲルギエフ&ロンドンSOによる最新盤はシマノフスキ

ゲルギエフ

ゲルギエフがシマノフスキの交響曲に挑戦!
LSOの妙技もあいまって空前の名演。
不遇の交響曲第1番が魅力的に蘇る!

SACDハイブリッド盤。
ゲルギエフとロンドン交響楽団は、2012年シーズンでシマノフスキとブラームスの交響曲を対比上演するという試みを行いました。かたやポーランド近代、かたやドイツ・ロマン派と、交響曲を4篇残していること以外共通する点のないふたりの作曲家ですが、ゲルギエフにとって初レパートリーだけに興味津々。
今回のアルバムはシマノフスキ作品のみで、純オーケストラ用の2篇が収められています。
カロル・シマノフスキ(1882-1937)は近代ポーランドを代表する作曲家ですが、生まれ育ちはウクライナ。ロシア・ピアニズムの源流ゲンリヒ・ネイガウスが従兄弟、ホロヴィッツの師だったピアニストで作曲家のフェリクス・ブルーメンフェルトが叔父という、ロシア音楽史から見ても特別な家柄の出です。それゆえか、彼の音楽はポーランドの演奏家のみならず、ロシアの大物たちに愛奏される歴史があり、リヒテルやオイストラフも素晴らしい録音を残しています。
当アルバムの注目は若書きの交響曲第1番。1906-7年の作で、第1楽章と第3楽章のみ1909年3月に初演されたものの、その後完成されることなく最近まで聴くことさえ出来ませんでした。当時シマノフスキはレーガーの影響を強く受け、この作品も錯綜する対位法と複雑な和声に彩られ、自身第1楽章を「対位法的・和声法的・管弦楽的怪物」と称しています。後年のシマノフスキの作風とは異なる濃厚さですが、ナイーヴな叙情性にもあふれ、捨て難い魅力にあふれています。これまで2種のCDが存在していましたが、この演奏は次元が違います。ゲルギエフはもつれるような対位法の綾をすっきり解きほぐし、バランスに難のあるオーケストレーションも効果的に響かせています。LSOもまた驚きの巧さで応じ、この不遇な作品を立派な芸術作品として蘇らせました。
交響曲第2番は、1909年から10年にかけて作曲されたシマノフスキの代表作のひとつ。シマノフスキならではの透明でひんやりした感性、貴族的で高踏的な雰囲気に終始する魅力作で、交響曲第1番とは対照的な作風を見せます。美しいヴァイオリン独奏で始まるソナタ形式の第1楽章、主題と変奏曲の第2楽章、フーガの第3楽章から成り、いずれも高度な技法を駆使しながらも、シマノフスキならではのナルシズムで冷静かつエレガント。こうした感覚はまさにゲルギエフにピッタリ。悪魔的に複雑さの第3楽章フーガも、驚くほど整然と展開され、しかも盛りあがりもバッチリ。明らかにこれまでのどの録音も凌ぐ、空前の名演で、これを聴かずしてシマノフスキを語るべからずの一枚です。

【曲目】
シマノフスキ:
(1)交響曲第1番ヘ短調 Op.15
(2)交響曲第2番変ロ長調 Op.19
【演奏】
ワレリー・ゲルギエフ(指揮) ロンドン交響楽団
【録音】
2012年9、10月 バービカン・ホール(ライヴ)

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2013年05月01日 19:33

更新: 2013年05月01日 19:46