オホス・デ・ブルッホの中心人物3人による新バンド=レナカイのデビュー・アルバム

2011年、10年にわたる活動に終止符を打ったバルセロナのストリートを代表するバンドだったオホス・デ・ブルッホ。2001年にアルバム・デビューし、続く2001年発売の『バリ』は革新的サウンドによって世界的な大ヒットを掴みました。ここ日本でもワールド・ミュージックとしては異例の大ヒット&ロングラン・ヒットを記録。彼等に続く多くのミュージシャンに扉を開いたその功績は大きなものでした。そのサウンドの要を担っていた3人、ラモン・ヒメネス(フラメンコ・ギター)、シャビ・トゥルイ(カホーン、パーカッション)、DJ パンコが新たなメンバーと始めたプロジェクトがレナカイです。ロマ語で「人生の道のり」を意味する「LEN」に、「見る」を意味する「ACAY」、そのふたつの言葉を併せて「人生を見つめる」といったニュアンスの意味がバンド名になっています。そしてファースト・アルバムのタイトル「リマ」の意味は「共感」。まさに時代が求める感覚を表しています。メンバーは3人の他に、パウラ・ドミンゲス(ヴォーカル、パルマ、ハレオ)に、エドゥアルド・コルテス(フラメンコ・ギター)、ヨランダ・コルテス(ダンス、ヴォーカル)、チャルリ・クエバス(ベース、元Zulu 9.30)。いずれも若手ながら実力者揃いです。基本的なサウンドは「フラメンコ、ルンバ・カタラーナを軸にファンキーなリズム、ソウルフルなヴォーカル(パンコ談)」。オホスをアップ・トゥ・デイトしたサウンドを提示してくれているわけですが、たしかに、より疾走感のある新鮮な音になっています。
また、1曲目や4曲目、9曲目などで聞かれるエレクトロニクスと人力の違和感ない融合ぶりはオホス以上の絶妙なバランス。ファンキー、メロウ、ソウルフル、メランコリック、さらにエキゾチシズム、これら全てを大きな包容力の中に内在させてしまった、そんなサウンドです。新女性リード・ヴォーカリスト、パウラも美しい高音部にこぶしの聞いた歌い回しは堂々としていて、どうしても比べられるであろうマリーナの影をあっさりと払拭しています。ラモンの熱意にエドゥアルドとヨランダのコルテス兄妹が賛同し、チャルリとパウラ、そして旧知のシャビが加わったというレナカイ。本当に早くライヴが見てみたいバンドです!
オホス結成時のオリジナル・メンバー=フアンルーによるバンド=カリーマのサード・アルバムもどうぞ!
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2012年05月11日 12:46