ミナスの偉大な才能、ホベルト・ギマランエス極上の名作がリイシュー

自身名義で残した2003年の作品が本作『アモール・セルティーニョ』。その作曲能力の高さ、アレンジの小気味良さ、ジャジーでメロウな演奏、サウンドの素晴らしさ、何より全編で感じ取れる、ミナスらしさを感じさせる切なげで優しいメロディセンスの素晴らしさが特筆点です。 本作は、ホベルト氏のペンによる楽曲を、1曲ごとにゲストヴォーカルを迎えて吹き込んだオムニバス形式の作品ですが、ここに集ったヴォーカル陣を眺めているだけでも、氏がいかに偉大な音楽家であるかが伝わります。まさしくミナスを代表する才能Lo Borgesをはじめ、Sergio SantosやBob Tostesなどの大御所から、Robertinho BrantやAffonsinhoなどの新鋭アーティストまで、錚々たるミナスの面子が集結しています。
オープニング、柔らかなホーンに包まれてLo Borgesが歌う「01. Amor Certinho (Lo Borges)」から鳥肌モノですが、泣きのハーモニカが心に沁みる「02. Encoste o Rosto ao Meu (Carla Villar)」、ピアノ、ストリングスも美しい「03. Para Haver Amor (Tatta Spalla)」、ジョアン・ジルベルトに捧げた「06. Mania de Joao Gilberto (Marina Machado)」、軽快なスキャットも心地良い「07. Alem do Horizonte (Robertinho Brant)」、同じく軽快な「08. Samba pra Donato (Vanessa Falabella)」、“Over the rainbow”のフレーズを散りばめた「12. Cinema Saudade (Bob Tostes)」で聴かせる遊び心など、どの曲がイイ、と言う次元ではなく、全ての楽曲が"名曲"と言ってしまいたい程のクオリティ!
自身名義で残した2009年作が『サウダーヂ・ヂ・ミム』です。前作、『アモール・セルティーニョ』でも披露していた楽曲のクオリティの高さ、ジャジーな演奏/アレンジのセンスはそのままに、メランコリックでメロウな質感がひしと伝わる、ミナスらしさに満ちあふれた哀愁のメロディの素晴らしさが涙モノの名作に仕上がっています。 前作同様、ホベルト氏のペンによる楽曲を、1曲ごとにゲストヴォーカルを迎えて吹き込んだオムニバス形式の作品ですが、Toninho HortaやSeu Jorge、Carla Villarなど、現在のミナスMPBを担う素晴らしい人材が集結したヴォーカル陣を眺めているだけでも、氏がいかに偉大な音楽家であるかが伝わります。
いきなりのハイライトと言えるオープニング曲「01. Minas (Marina Machado)」が、とにかく胸を締め付ける切ない名曲ですが、さらにスゴいのが「02. Sobe o Verao (Flavio Venturini)」。儚く転がるエレピの音色、穏やかに高揚する曲調も秀逸です。他の楽曲も甲乙付けがたい好曲揃いで、軽快にエレピが走る「08. Salsa e Cebolinha (Gustavo Magua e Julia Ribas)」、自身の渋い歌声で聴かせるタイトル曲「09. Saudade de Mim」、柔らかなサックスがリードするメロウなボサノヴァ「11. Gosto de Mel (Kadu Vianna)」など、1枚のアルバムとして何度でも隅々まで楽しめてしまう大傑作。 派手なセールスポイントは特にありませんが、とんでもないクオリティの名作。驚くべきは前作『アモール・セルティーニョ』と比しても勝るとも劣らない出来映えであると言う事。
【Roberto Guimaraes (ホベルト・ギマランエス)】
古くは1950年代から活動する、ブラジルはミナス・ジェライス州出身の作曲家/SSW。ジョアン・ジルベルトの2ndアルバム『O amor, o sorriso e a flor』に収録の名曲「Amor certinho」の作者でもあり、パシフィコ・マスカレーニャスを中心とするボサノヴァ・コーラス・ユニット、“Sambacana”の初期メンバーにしても活動した知られざる名音楽家。優しく穏やかな旋律で奏でられるボサノヴァ、サンバの名曲の数々を残す。2003年と2009年には、自らの楽曲を若いシンガー達(Lo Borges、Toninho Hortaなどのミナスを代表するアーティスト達も含む)に歌わせた名作『アモール・セルティーニョ』、『サウダーヂ・ヂ・ミム』を発表し、その才能が未だに健在である事を知らしめる。
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2012年03月09日 12:04