マシュー・ハーバートがマーラー未完の大作「交響曲第10番」を再構築!
モダニズムの一歩手前の偉大な作曲家グスタフ・マーラーは最期の交響曲第10番を1910年の夏に絶望と底なしの喪失感、狂気の中で作った。彼の苦悩が表現されながらも彼にとって中心のテーマである「死」によって未完のままとなってしまったが、最も「死」が現れている作品との思いでハーバートは取り上げたという。ハーバートはカー・ラジオを棺に詰め、ジュゼッペ・シノーポリ指揮によるフィルハーモニア管弦楽団が演奏した第10番をそのカーラジオでかけて、その音を録音。プレリュードからのヴィオラのソロはウィーンにあるマーラーのお墓で新たに録音。その後火葬場でアダージオを大音量で流し、カーテンの後ろにマイクを置き録音した。ハーバートはマーラーの作品の陳腐と難解さが隣り合わせにあることに焦点を当て常にマーラーの心の中の衝突、生と死、愛ととまどい、威厳と死を表現したかったという。
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