今までデッカやスクリヴェンダム等からある程度は出ていたが、全集を謳うものは始めてで期待したが不満がある。当ボックスはSP復刻をCD2枚分含むが、以下を始め多くの漏れがあるようだ。ケルビーニ(アナクレオン序曲1949年録音)フランク(プシシェ1947)グルック(序曲2曲1949)メンデルスゾーン(アンダンテカンタービレ1947)ラヴェル(序奏とアレグロ1952)レーガー(バレエ組曲1943※愛のワルツのみ収録されているが残りも録音があるらしい)レスピーギ(ローマの泉1949)シベリウス(トゥオネラの白鳥1941)チャイコフスキー(花のワルツ1948)ワーグナー(タンホイザー序曲とバッカナール1946)ウェーバー(オイリアンテ序曲1949)。 1941年のブラームスのハイドン変奏曲は収録されているのに、殆どそれより後年録音のこれらを入れなかったのは何故なのか。またフィリップスの462 105-2というCDで出ていたらしい「ベイヌム 自身について語る」も未収録の模様。さらに米コロンビア録音のカサドシュとのベートーヴェンを収録してあるなら、DGから出ていたロスフィルとのラヴェルのヴァルスも入れて欲しかった。こういう全集に漏れはつきものとは言え、ちょっといい加減では。 もう1点気になるのは当ボックスはチェコ製らしい。他のデッカ盤がどこ製かよく知らないが、ドイツ製と比べて音質が劣ったりしていないのだろうか。