カッコいいアッコちゃんに出会いたいなら
2月に吉野金次とのゴールデン・コンビで10年ぶりの弾き語りアルバム『音楽堂』を発表。そして7月には森山良子とのプラチナ・コンビ〈やもり〉による初アルバム『あなたと歌おう』を届けてくれるなど、今年は矢野顕子からの素敵なプレゼントがたくさんだ。2年ぶりに活動を再開したレイハラカミとのユニット、yanokamiの動向も気になるところだが（来年には新作が到着しそう）、その前に。年末にはアレがある。
1年の締め括りはアッコちゃんの〈さとがえりコンサート〉と相場は決まっている。そんなふうに考えている人は多いだろう。この師走の恒例行事、バックを支えるメンバーはマーク・リーボウ、ジェイ・ベルロウズ、ジェニファー・コンドスという今回で3度目となるラインナップ。Tボーン・バーネットをプロデューサーに迎えて制作された2008年作 『akiko』に集ったふたりと敏腕女性ベーシストと共にアグレッシヴに突っ走るアッコちゃんと今年も出会えるわけだ。
さてメンバーの紹介を少しばかり。マーク・リーボウはご存知、NYのアンダーグラウンド・シーンを代表する超個性派ギタリスト。アート・リンゼイの後釜としてラウンジ・リザースに加入して一躍シーンの寵児となった彼は、エルヴィス・コステロやトム・ウェイツなど幅広いアーティストのバックを務めるなどしてロック・ファンからも注目を浴びるようになる。ロス・クーバノス・ポスティーソスを結成して、めっちゃ愉快で独創的なキューバン・サウンドを披露してコアなリスナーからも絶賛された。ジェイ・ベルロウズは、Tボーン・バーネットやジョー・ヘンリーの作品になくてはならない凄腕ドラマー。ロバート・プラント＆アリソン・クラウスの傑作デュエット・アルバム『Raising Sand』における彼のぶっといグルーヴのファンは数多い。そしてジェニファー・コンドスは、ドン・ヘンリーやウォーレン・ジヴォンとの仕事で知られるベーシスト。彼女の会場を揺るがすようなプレイは毎度観客を仰天させている。
2008年の模様は、DVD『akiko-Live 2008-』として作品化されているのでご覧になられている方も多いはず。NYダウンタウンに流れているようなキリリとした空気が吹き込まれた《ラーメンたべたい》、南部テイストで料理されてキレ味が抜群となった《ふなまち唄》ほか、個性的な音が有機的な絡み合いを見せる快演が満載で、震えが走りっぱなしになる名ライヴ作だ。というわけで、とびきりカッコいいアッコちゃんを出会いたいなら、このステージを観にいけばいいってわけだ。
年の瀬の嵐とも言える『矢野顕子さとがえるコンサート2010』は、12月8日（水）、9日（木）に名古屋ブルーノートでの〈Special Club Gig〉からスタートし、10（金）のNHK大阪ホール、12日（日）の東京・NHKホールと進んでいく。今年はどんな熱戦が繰り広げられるのか。ぜひその目でご確認を。
『矢野顕子さとがえるコンサート2010』
2010/12/8（水）9日（木） 会場：名古屋Blue Note 1st stage: 18:30／2nd stage： 21:15
12/10（金）19:00開演 会場：NHK大阪ホール
12/12（日）18:00 開演 会場：NHKホール（東京）
出演：矢野顕子（vo, key, P）マーク・リーボウ（g）ジェイ・ベルロウズ（ds）ジェニファー・コンドス（b）
http://akikoyano.com/
