こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

祝!20世紀フォックス75周年 その歴史を振り返る

公開
2010/09/25   19:04
更新
2010/09/25   19:38

祝!20世紀フォックス75周年 その歴史を振り返る

映画を見る前に必ず映し出される映画会社のロゴで、もっともワクワクさせられるのは20世紀フォックスでしょう。あの有名なファンファーレと共に光るサーチライトは、これから映画を見るぞ、という気持ちにさせてくれますね。その有名なオープニングテーマ曲を持つ映画スタジオが、今年で創立75周年を迎えます。そこで簡単ですがその歴史に大きく関わった重要人物を紹介しながらフォックスの75年を振り返ってみましょう。
ハリウッドでは、ワーナーブラザースがワーナー4兄弟、MGMがメトロ映画に、サミュエル・ゴールドウィンとルイス・B・メイヤーの名前が合体してメトロ・ゴールドウィン・メイヤーになったように、創立者の名前がスタジオの名前になることが多い。20世紀フォックスも創立者ウィリアム・フォックスと20世紀映画社が1935年に合併して出来た名前、そこから75年目ということです。あのファンファーレは当時から長期に渡って君臨した名物製作者ダリル・F・ザナックがアルフレッド・ニューマンに依頼して出来上がった曲ですね。今や甥にあたるランディ・ニューマンの方が『トイストーリー』をはじめとするピクサー作品を手がけたことで有名かもしれません。

30年代創成期にフォックスを支えたのは子役の大スター、シャーリー・テンプル。他の映画会社も商売になる子役スターをそれぞれ抱えていました。ユニヴァーサルにはディアナ・ダービン、MGMにはジュディ・ガーランド。本当はフォックスからテンプルを貸りて『オズの魔法使』を作りたかったMGMは、断られてやむなくジュディ・ガーランドで製作して大ヒットという笑えない裏話もあります。フォックスを代表する監督としてはジョン・フォードでしょう。『我が谷は緑なりき』『怒りの葡萄』『荒野の決闘』と輝くべき名作が挙げられますが、当時は映画の最終編集権が製作者にあったため、ザナックがかなり手を入れたとも言われています(特に『怒りの~』のラスト)。50年代のフォックスを代表するスターといえばマリリン・モンロー。そのモンローも『紳士は金髪がお好き』などで出演した、ミュージカルというジャンルもフォックスの得意とするところ。ロジャース&ハマースタインの『サウンド・オブ・ミュージック』『南太平洋』『王様と私』等ですね。この伝統が『ロッキー・ホラー・ショー』(なんと製作35周年、これも祝!)や『ファントム・オブ・パラダイス』に繋がったのでしょう。70年代後半、ジョージ・ルーカス青年の各社に断られた企画にGOサインを出したのがフォックスの製作部長をしていたアラン・ラッドJr。彼がいなかったら『スターウォーズ』はこの世になかった?実はフォックス、こうしたギャンブルとも言うべき大きな製作で勝利を収めていることが多い(失敗は『クレオパトラ』)。ジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』と『アバター』に代表されるが、これは社長のルパート・マードック氏の経営戦略とも通じるのでしょうか?ともあれ、やがて来る100周年に向って、良い映画を作り続けてくださいね。