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タワーレコード “ヴィンテージ・コレクション”第10弾 6/4発売!

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o-cha-no-ma LONG REVIEW
公開
2010/07/07   11:42
更新
2010/07/07   14:43
ソース
intoxicate vol.86 (2010年6月20日発行)
テキスト
text:藤原聡(新宿店)

タワーレコード “ヴィンテージ・コレクション”第10弾 6/4発売!
今回も自画自賛、素晴らしいアイテム揃いです!

もはやタワー・クラシカルの<顔>とも言えるべきヴィンテージ・コレクション。おかげさまで第10弾!今回も自画自賛、素晴らしいアイテムが揃っております。駆け足でここに紹介致しましょう。

まずはバーンスタインのアムネスティ・コンサート。2007年発売のバーンスタイン・コレクターズ・エディションで発売されていたとは言え、単売を待っていた方、多いのでは? ここではジャケも初出仕様、バックインレイにも写真があしらわれ、ブックレットはLP発売時のものがしっかり転載されています。そしてバーンスタインではもう1点、ロイ・ハリスとウィリアム・シューマンの交響曲第3番といういかにもタワーらしい(!)アイテムが。この指揮者はCBS時代にもW・シューマンの同曲を録音しているものの、演奏の出来はこのDG盤が遥かに素晴らしい。何より曲自体が素晴らしく、是非聴いて頂きたい逸品であります。

次はマゼール2点、バッハの管弦楽組曲とベルリン・フィル名演集。前者は若き日のマゼールの才能が炸裂しまくった名演(福島章恭氏も『バッハをCDで究める』で激賞しております。是非ご覧下さい)。第2、3番のみCD化されており、全曲CD化はこれが初である。そして後者、50歳前後のマゼールがカラヤン時代後期のBPOを完璧にドライヴしきった硬派な名演揃い。この指揮者にしてはいつものハッタリ感が無い分、誰が聴いても納得できるでしょう。

お次はショルティのショスタコーヴィチ:交響曲集。デッカに録音したショスタコの交響曲7曲を全て収録。豪エロクアンスで2曲のみ最近再発されたものの、依然廃盤状態のものが多数、これは嬉しい。ある意味カラヤンの第10の演奏とも共通するが、楽曲にまつわる物語性を排した音響美が圧倒的だ(余談ですが、ショルティとシカゴの、これにも収録の第8を東京文化会館で聴きましたが、あまりの凄まじさに天井が落ちるかと思いました)。

協奏曲では2点、ベルマン&ジュリーニのリストとルイサダ&ティルソン・トーマスのシューマン、グリーグ。前者では、ヘタすると豪快一本槍とのイメージで取られかねないベルマンが、実は凄く繊細であることが骨のズイまで分かってしまいます。ジュリーニの品格のある指揮がそれを助け、リストの協奏曲のトップを争う名盤になっております。後者では、ルイサダのリリシズムと透明な音が特にグリーグにおいてベストマッチを見せ、実に美しい。

さて、室内楽では東京クヮルテットのバルトーク:弦楽四重奏曲全集。過去20世紀のクラシックシリーズで発売されたことはありますが、オリジナルジャケットでの発売は初でしょう(原田禎夫さんがこのジャケでの再発を喜んでくれたそうです!)。同団はバルトークのSQを2回録音しているが、これは最初のもの。2度目のものはより流麗になって肩の力が抜けているが、この緊張感に溢れた鋭利なDG録音も素晴らしい。好みの問題か。

最後はソロアルバム、ケンプのベートーヴェンと、何ともマニアックなレオ・ブローウェルの現代ギター作品集。ケンプは2つの全集録音の間の1960年にセッション録音されたもので、意外に知られていないかも。ブローウェルは、よくもこんなものをDGが出したなと思いますが(笑)、当時前衛にハマっていたブローウェルの嗜好丸出しのエグイ1枚。特にオアナとブローウェル自作の《永劫の螺旋》が傑作である。

──と、思いのまま好き勝手に書き連ねてまいりました。いずれもこだわり抜いた自信のチョイスです!是非お買い求め下さいませ。これからもまだまだ行きますよ!

タワーレコード “ヴィンテージ・コレクション”第10弾 6/4発売