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祝!六代目・三遊亭圓楽誕生

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o-cha-no-ma LONG REVIEW
公開
2010/02/26   15:24
更新
2010/02/26   15:36
ソース
intoxicate vol.84 (2010年2月20日発行)
テキスト
text:柴崎久美(札幌ピヴォ店)

『笑点』でお馴染み・三遊亭楽太郎さんが2010年3月2日、六代目の圓楽を襲名!

<襲名>は死去や改名で空いている名前を継ぐのがフツウ。でも2008年からすでに決定していたこの話はちょっと珍しく、五代目も圓楽を名乗り、楽太郎さんも六代目圓楽を名乗る、という落語界初の珍事?となるハズだったのです。しかし…皆さんご存知のように2009年10月、五代目圓楽さんが亡くなってしまい、その試みは幻に。襲名を間近に控えての楽太郎さんの悲しみ、テレビを通してでも伝わってきましたよね。

さて、その襲名披露は3月2日より新宿末廣亭からスタート。独自の活動をしている圓楽一門は、寄席の定席には出ることが出来ないのですが、『笑点』司会の歌丸さんの尽力により、落語ファンにとってもウレシイ形での披露となりました。(歌丸さんは落語芸術協会の会長さん。力あります。)その後、全国各地を回ります。小朝さんなどビッグネームも一緒に回るので、落語ファンはモチロン、これを初めての落語体験にするにも価値あり!

その襲名披露と同日に、CD3種とDVD3種が発売。意外なことに、これまでCDもDVDも自分名義では発売してなっかたのですね。この人の落語は、テレビでも見られる通りに、知性的で博識(青山学院法学部卒)な才能が生かされた、説得力ある落語。口調も明快で、現代的センスにもあふれた芸風です。そしてとっても若々しい!還暦を迎えたとは思えないですよね!!

落語ファンはその円熟ぶりを、初めての方は分かりやすさを楽しめますよ。3種計6席、どれも2009年9月以降に収録されたものばかり。襲名を控えての、気合の入った高座となってます!中でも、五代目が十八番にしていた「芝浜」は、五代目が亡くなってから収録されたもの。ただでさえ泣ける名作が、一層ドラマチックに…。〈落語ブーム〉をさらに固めるきっかけとなりそうな作品ですよ!