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〈藤井フミヤ プレミアム・シンフォニック・コンサート2014〉レポート vol.2

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web exclusive
公開
2014/05/27   14:56
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text : 伊藤直樹(音楽プロデューサー)




オペラハウスに響く藤井フミヤの歌声

藤井フミヤの初のフルオーケストラ共演が話題となっているbillboard classics「Fumiya Fujii Premium Symphonic concert2014」。東京文化会館でスタートし、全国主要都市で開催中の同ツアー、5月18日はオペラハウスとしても知られる愛知県芸術劇場大ホールが舞台。ツアーも後半戦に入り、藤井フミヤとオーケストラとの呼吸もすっかり板についた様子だ。大胆かつ繊細なアンサンブルが誕生し、今までのライブとは異なる雰囲気が、観客を新しい「FUMIYAの世界」に導いている。

演奏は『TRUE LOVE』から厳かに始まった。舞台を重ねるごとに指揮者、山下一史とのトークも絶妙となり、「フミヤさん、オーケストラがやみつきになったのではないですか?」と山下。「マエストロ、それはもうやめられなくなりました」。「ではまた次回作をやりましょう。」早くもファンに期待をもたせる場面も。日本フィルハーモニー交響楽団との共演は3回目。磨きのかかったオーケストラサウンドで、『Another orion』や『わらの犬』『ALIVE』等全14曲を力強く歌い上げた。




そしてアンコールは、『夜明けのブレス』。「君のことを守りたい…」とフミヤの言葉が印象的な名曲。さらに舞台では特別なサプライズも。あの名フレーズから始まる楽章を、オーケストラとの共演の最中、マイクをはずして生声で披露したのだ。満員の観客は息をのんでその瞬間を見守った。山下の指揮はオーケストラの音質と音の大きさを巧みに操り、フミヤの言葉を繊細なアンサンブルに乗せてみせる。観客はフミヤの歌声を聞き逃すまいと全神経を集中。一人一人、身体全体が耳になったようだ。フミヤの歌声がオペラハウスの大空間に響き渡る。そして再びオーケストラサウンドが高まり、藤井がマイクを手に歌い上げると、ホール全体がスタンディングオベーションの喝采に包まれた。アーティスト、藤井フミヤの熱い歌声が観客の心の芯を揺るがし続けた。歓声は最後に涙に変わった。



ツアーはいよいよ最終章を迎える。6月4日、5日、兵庫県立芸術文化センター大ホール(西宮)を舞台にどんなフィナーレが待っているのか。藤井フミヤとオーケストラが導く新たな世界に期待が高まる。
http://www.billboard-cc.com/classics/

6月4日(水)・5日(木)兵庫県立兵術文化センター大ホール 19時開演
[問]サウンドクリエーター 06-6537-4400 www.sound-c.co.jp