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第65回――サム・ディーズの世界

サム曲のリサイクルは……

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2013/03/27   17:59
更新
2013/03/27   17:59
ソース
bounce 353号(2013年3月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次

 

サムの書いた曲はそのリリースと近い時期にカヴァーされることも多く、早くから定番化するナンバーも定まっていた一方で、そのビッグさに反して近年はそこまでリサイクル例が多いわけではない。恐らくは著名なヒットほどMOR的な印象が染み付いてしまったため、後発の世代からは敬遠される傾向があったのだろうか。

サムが一線を退いていった90年代以降の有名なカヴァーとなると、オル・スクールがエクスケイプと歌い、その後UKのデニス・テイラーも披露したアトランティック・スター“Am I Dreaming”になる。アトランティック・スター曲では、元マンハッタンズのジェラルド・アルストンやメイサが取り上げた“Send For Me”も定番だ。さらに、アヴァントは自身の“This Is Your Night”にてLTDの“Where Did We Go Wrong”をリメイクに近い形で借用している。

レアグルーヴ的な意味ではフォンテ“The Good Fight”がロゼッタ・ジョンソン“Who Are You Gonna Love”を丸ごと敷いていたし、映画「ブルージュース」で使われてノーザン人気の高いSSS時代のサム曲“Lonely For You Baby”はエディ・ロバーツが披露した。今回の復刻を機にまた新たな再評価軸が生まれてくるかも?

 

▼関連作品を一部紹介。

左上から、オル・スクールの98年作『Ol' Skool』(Keia/Universal)、デニス・テイラーの2003年作『In The Mood』(Dome)、アヴァントの2006年作『Director』(Geffen)、フォンテの2011年作『Charity Starts At Home』(HBD)、エディ・ロバーツ&ザ・ファイア・イーターズの2011年作『Burn!』(Legere)

 

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