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連載/コラム

第2回:ガリバー編

連載: アイドルのいる暮らし

掲載: 2012年06月28日 12:30

更新: 2012年06月28日 12:30

文/岡田康宏(サポティスタ)



平日のライブ会場やショッピングモールで行われるイベントで、いつも見かける大人の姿がある。けっこういい歳してるけど、この人たちはいったいどんな生活をしているのだろう?

大人のアイドルファンは、アイドルファンであるだけではなく日常を生きる社会人でもある。お金も暇もある大人のオタクには、元気なだけの若者にはない深みと趣きがある。ライフスタイルとしての現場系アイドルファン、大人のオタクの遊び方とは?



今回お話を伺ったのはガリバーさんだ。20代後半会社員。社会人5年目。大阪の実家で両親と暮らしている。ASAYAN世代で、福岡にいた大学生時代にハロプロにハマりアイドルファンに。狼脳でねとらじDJ、当初はハロプロ一筋だったが、ももクロがきっかけで他のアイドルも見に行く「DD」となり、2011年に参加した現場は341現場。遠征も含めて毎週末のイベント参戦は欠かさず、1日3現場から多い日には6現場を回す。今は愛媛・ひめキュンフルーツ缶を熱烈に応援しているという彼に、自身の応援スタイルや遠征、地方アイドルの魅力などについて話を聞いた。



ガリバーの誕生



僕は完全にASAYAN世代で中学の頃はみんな当たり前にあの番組を見ていたんですよ。ケミストリーとかも出ていたけど、メインは鈴木亜美とモーニング娘。で、なっち(安倍なつみ)かわいいねとか、4期の誰が好き、とかが次の日の学校の話題になってて当たり前の時代ですよね。その頃は自分はアイドルファンだとも思っていなかったし、現場に行くということも考えたこともなかった。今、一般の人から見たAKBと同じような感じですね。

現場に行き始めたのは福岡にいた大学生の頃です。建築の勉強をしていたので、バイトしながら朝から晩まで模型を作ってコンペしてとか、いたって普通の大学生活を送っていました。ただ、建築で「意匠」の方に行きたかったので、諦めていく人が一杯いるわけですよ。僕としてはなんとしてもやりたかったけれど、やっぱり無理かなと思うようになって、ある時期からあまり学校に行かなくなったんです。

結局、2回留年して6年で卒業しているんですけど、1年くらいはほとんど学校に行っていなかった時期があって、その頃に動画共有ソフトでハロプロの番組を見るようになりました。自分が建築に対して堕落していく中で、それを埋めてくれた、救ってくれたのがハロプロだったんです。

引きこもって本を読んだり動画を見たりしていたときに、「ハロモニ。」を見ていたら今週末は福岡サンパレスでコンサートという告知があって。来るんや、と。これまではテレビで見るという発想しかなかったけど、行ってみたいかもって思ったんです。そのときは本当に来るのか、半信半疑だったんですよ。それでサンパレス前に行ったら予定表にモーニング娘。って書いてあって。これが2005年の石川梨華の卒業ツアーで、サンパレスのあとはすぐ武道館という感じで。当日、チケットを買って中に入って、初めてステージを見て、出てきたらもう、次のツアーは行こうと思ってました。それが小春(久住小春)の加入後初ツアーで、現場に通うようになったのはそこからですね。

僕は現場に行くまでは完全に「狼脳」(※1)だったんです。ずっと家にいるから朝から晩まで狼を見ていて、在宅が勝ち組だとおもってましたし、本気で現場組は負け組だと思っていましたから。05年頃はもうテキストサイトは下火だったんですけど、はてな村(※2)には違和感があって、狼が居心地が良かったんですよね。ちょうどvip(※3)ができるかできないかくらいの頃です。その当時、やたらvipと対決するスレが立ってましたからね。草生やす文化とか持ってくんな、みたいな。
*注*1 「狼脳」:2ちゃんねる/モ娘(狼)板の住人の典型的思考回路のこと。「狼は2ちゃんじゃない」を共通認識としてもつ。2ちゃんねるには他にハロプロ専門板としてモ娘(羊)、モ娘(鳩)があるがそれらに比べて狼板の住人は当時2ちゃんねる一の人の多さ、独特の文化、スレッドテーマの幅広さ、凶暴な叩き合い等をもって怖いという印象を持たれていた。
*注*2 「はてな村」:はてなダイアリーを中心として、はてなブックマーク等、はてなのサービスを利用するユーザーがつくるコミュニティのようなもの。ハロプロのファンの多くがここに日記を持ち、その多くがテキスト中心の長文かつ理論立ったものが多いのが特徴。
*注*3 「vip」2ちゃんねる/ニュース速報(VIP)板の略称。それまで最も住民が多いとされたモ娘(狼)板からその座を奪った現在も最も利用者が多いとされる板。住人はVIPPERと呼ばれ様々な文化を産んだ。

あとは「ねとらじ」(※4)ですね。狼板に「ネットラジオ in 狼板」というのがあって、そこでいろいろな人の話を聞くのが好きだったんですよ。テキストってやっぱり言葉だけだけど、人の語りを聞いていると親しみを持って聞けるし、そんな見方があるんだとか、そんな聴き方があるんだとか発見があるので、ずっとリスナーとしては聞いていたんですけど、現場に行って初めて、やべえこれしゃべりてえ、と思って自分でもはじめました。
*注*4 「ねとらじ」:インターネットラジオを聴取・配信できるネットサービスの名称。ニコニコ動画やUSTREAMが普及する前の日本のネット上でリアルタイムで音声を個人が配信するサービスでは最も利用者が多かったと思われる。ねとらじ自体には聴取・配信する機能しかないため、代わりに2ちゃんねるのスレッドや個人で掲示板を立ちあげてリスナーとやり取りをするケースが多かった。

ねとらじは、今で言うUSTREAMのソーシャルストリームを見ながらしゃべるような感じで、スレを読みながらやっていて。狼板のネットラジオスレには、最初にDJをはじめると、リスナーが名前をつけるという文化があるんですよ。お前は誰推しだとかヒアリングされながら、じゃあこんな名前がいいんじゃないかって提案されて名前が決まっていくというプロセスがあるんです。そのときに身長(183cm)の話をしていたら、たまたまガリバーという候補がでてきて。

大学の頃、近所にいつも飲みに行く焼き鳥屋さんがあって、だいたい僕はそこでへべれけに飲んで酔いつぶれて寝ちゃうんですね。でかいし、寝っ転がって動かせないし、その姿がガリバー旅行記のガリバーそのものだって、店の人がそのあだ名で呼ぶようになって、伝票にも「ガリバー」って書かれるようになっていて。それもあって、じゃあちょうどいいから名前は「ガリバー」にしようと。ねとらじでは、話す人はDJって呼ばれるから、IDは「gulliverdj」だねと。



モテるでしょってよく言われるけど、全然ですね



大学6年目の最後に、当時付き合っていた彼女と箱根旅行に行ったんです。ふたりとも就職が決まっていたんですが、帰りのロマンスカーの一番前の席で、彼女に打ち明けたんですよ。ちょっと言わなきゃいけないことがある、実はアイドルが大好きでって。その2週間くらい後にフラれました。その頃はすでにあまり良い雰囲気ではなかったんですけど、決定打になったのは間違いないと思っています。それが5年前で、それ以来彼女はいないです。

うちの大学には建築以外にもデザイン系の学科が多かったので、そこは女の子が多かったし、学生時代は彼女はいました。でも全然続かないですね。高校の頃に2年くらい続いたのが一番長いくらい。向こうから告ってくれるのに向こうからフラれることが多くて。恋愛に関して自分から何かするということはないし、昔から完全に受け身でした。

僕は昔バスケットをやっていたこともあってか見た目は体育会系なんですけど、中身は文化系なんですよ。だから見た目と期待されるものが違って。見た目からは肉食系な人だと想像されるんだけど、全然そんなことない。勝手に勘違いされて勝手にがっかりされて、ふざけるなっていつも思っているんですけど。モテるでしょってよく言われるけど、全然ですね。

今は恋愛にも全然興味がなくて。できるできないは別として自分の意志としては全くない。土日それで拘束されるのが想像しただけでも苦痛で、付き合ったとしてもその人を幸福にできないと思う。あるとすれば同じオタで理解がある人なんでしょうけど、今は恋愛についてもリアリティーがないし、彼女を欲しいとも思わないし、家庭が欲しいとも思いませんね。自分のなかでそういうものが今はまったくないです。



いい歌を歌っている子はどこにでもいる



ハロプロ以外を見に行くようになったのは、ももクロがきっかけですね。その頃はTwitterで情報を集めるようになっていて、最初はハロヲタしかフォローしていなかったんですよ。ハロプロメンバーのアイコンにしている人を片っ端からフォローしていって。その頃はそれでも全然フォローできるくらいの人数だったんです。

Twitterは情報じゃなくて人を追いかけるからおもしろいと言われますけど、確かにその通りで、ツイートを見ていると、ハロヲタだと思っていた人が、結構ほかの現場にも行っているのがわかるんですよね。その中で、ももクロがいい、いいって言われていたので、名古屋でのハロプロのコンサートの翌日の帰りに神戸のヤマダ電機で見たんです。2009年のももいろタイフーンツアー(※5)だから、まだ「ももいろパンチ」の頃ですよね。
*注*5 「ももいろタイフーンツアー」:正式名称「ヤマダ電機Presents 〜ももいろクローバーJAPANツアー2009 ももいろTyphooooon!〜」全国の高速道路が週末一律1,000円であることを利用してももいろクローバーが車で、北は札幌、南は福岡まで全国のヤマダ電機店頭にてイベントを行ったツアー。初の正式シングル「ももいろパンチ」の予約・購入を行ったももクロ初の全国ツアー。

しょぼいステージだなとか、ヤマダ電機でイベントをやっているからとか、そんなの全然関係ないんだなと。ハロプロとAKB以外にもいるんだな、ということに気づいて。そこからですよね。ステージはしょぼいし、音響設備とかもなっていないんだけど、いい歌を歌っている子はどこにでもいるなって。それを見つける楽しみに気付かされたんです。

でも、思い返してみても、ももクロは特別だったと思います。それは今、売れたから言うんじゃなくて、最初から地下臭をまったく感じなかった。すごい上を目指すようになったのは「怪盗少女」前後だったとしても、もともと品が良かったし、あの感じは今思っても特別だったなと思います。その感じと全く同じことを、今のひめキュンに対して思っているんですけれど。


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