Perfume、MCなし全席着席型のコンセプト・ライヴ「Reframe」初の全国ツアーが地元広島にて終演

Photo by 上山陽介
通常のPerfumeのライヴと異なり、MCを一切行わず進行し、Perfumeの演出/コレオグラフを担っているMIKIKOと、人間とテクノロジーの関係を探求しながらメディア・アートの領域を超えて活動しているライゾマティクスの、演出/テクノロジーを結集し、楽曲、音声、ダンス・パフォーマンス、写真、映像といったノーマル素材から、ミュージック・ビデオやライヴ制作のためライゾマティクスと記録してきたモーション・キャプチャーや3Dスキャンといった特殊素材まで、Perfumeがこれまで蓄積してきた様々なデータを、最先端の演出アイディアと技術で再構築し、Perfumeの今のストーリーとして見せる約80分のコンセプト・ライヴ「Reframe」。
2018年にNHKホールで行われた「「Perfume×TECHNOLOGY」presents “Reframe”」、2019年にLINE CUBE SHIBUYAこけら落とし公演として行われ2020年には映画化もされた「Reframe 2019」を経て、今回の「Reframe Tour 2021」では、東京、石川、愛知、兵庫、広島と全国5ヶ所を巡るツアーとして開催され、12月18日に地元広島でツアー・ファイナルを迎えた。また、この日は全国45ヶ所の映画館でもライヴ・ビューイングが行われ、今までのようなライヴが叶わないなか、全席着席というPerfumeにとってチャレンジとなる形式をとったこのコンセプト・ライヴが、昨今の状況にマッチする形になり、今回ツアーとして実現した。
観客は全員着席スタイルで、MCもなしと知らされているだけあって、緊張した面持ちで開演を待っていた。2018年、2019年の「Reframe」と同じく、Perfumeのこれまでのミュージック・ビデオで構成された断片的な映像、アクターズ・スクール時代のインタビュー映像が映し出され、オープニング演出「Recollect」がスタート。映像が映し出されていた紗幕が上がり、ステージの壁中央からLEDに囲まれたPerfumeが登場し“DISPLAY”を披露。まるでLEDの映像の一部になったかのような感覚を覚える演出は圧巻だ。次に2019年の公演時にも話題になった“Record”。ステージとリフター上と別々の3ヶ所に立つメンバーがマイク・スタンドに向かい、頭上の「REC」ボタンが点いた順にそれぞれ生声で発した言葉や音をサンプリングしてビートにし、リアルタイムで重ねていくという演目だ。
その後2019年と同じ流れでライヴは進んでいき、「バーチャルシャドウ」という技術を演出に取り入れた“FUSION”や、自走する6台のLEDが曲に合わせてフォーメーションを変えながら、3Dデータ化されたPerfumeとリアルPerfumeが共演する“edge”などの攻め曲のあとには、インタラクティヴ・レーザーの、Perfumeが手に持った小型マーカーの追尾と、事前の振付キャプチャー・データをもとにした投射を用いてダンスにぴったりと合わせたレーザー演出が見どころの“無限未来”、そしてやわらかい照明が当てられた紗幕のような薄いカーテンとスモークで幻想的な世界を見せてくれる“Dream Land”と続き、エンドロールへ。エンドロールのあとアンコール的な立ち位置で、今年の夏にリリースされた“ポリゴンウェイヴ”を披露。この楽曲では、先ほどまでの演目からの緊張が解かれたように笑顔でパフォーマンスし、客席からは手拍子が起こった。
パフォーマンスをすべて終えたあとの挨拶で、3人はこの公演について語り始めた。あ~ちゃんは「2018年、19年、21年とアップデートされてこの「Reframe」をお届けしたんですけど、その間に世界は変わって……ライヴの形も色々と変わっている最中だと思います。そんな中でみんなとどういうふうに会えるかな? と模索していました。この「Reframe」は、声を出せない、立ったり騒いだりできないそんな今の状況にぴったりなライヴです。それで1年半前にこのツアーをやってみようと決心して、今日このようにして実現できたのです」と今回ツアーで行った経緯を説明し、コロナ禍でメンバー同士もなかなか会うことが叶わなかったころを思い出し、「3人とも連絡を取ったりして何ヶ月も会わないということが結成して初めてだったんですが、一緒にいれることが奇跡、ライヴって奇跡なんだ! ということ。そういう当たり前と思っていたことを、特別に思い返すことができました」と語った。
かしゆかは今ツアーを振り返り「このツアーで日々公演を重ねることで、私たちの気持ちも日々アップデートされたり、一緒に会場で作るお客さんの雰囲気で、全然違うライヴになるんだなってことをすごく実感しました」と語り、地元広島での千秋楽ということもあり、「「Reframe」はPerfumeの20年間の歴史を再構築して、さらに新しい可能性を見いだそうという内容ですが、私たちも今こうして続けてますが、過去にはたくさん苦しい思いもしてきたし、挫折があったり、うまくできないこともたくさんありました。でも、ずっとこのふたりと、ここまでここに来れたのは、奇跡なんだな、当たり前じゃないんだなと今日のステージで感じていました」と今までの活動を振り返りながら、「そんないいことばかりじゃない過去も再構築して、まだ未来を作っていける、こんな素晴らしチームに恵まれてる! なんて幸せ者だろうと感じています。そしてふたりもスタッフもお客さんも、誇らしいです」と感謝の気持ちを語った。
のっちは、「各地ツアーを回らせていただいて、たくさんの元気そうな顔を見ることができて、本当に嬉しかったです。ライヴや音楽ショーというのは、人と人とで作るもの一緒に空間を作るものと、再確認することができました。これからも見守っていてください」と呼びかけた。
最後にあ~ちゃんは、「久々のツアーが楽しいという瞬間がいくつもあって、私たちにとってライヴは欠かせないし、ライヴで生かされている。みんなの拍手で力がみなぎってくる。この「Reframe」は、特別な緊張感があり、みんなからの想いが何も言わなくても出とんよ。魂のこもった拍手! Perfumeやめられん! なんにも変えられん! 震えるほど幸せ」と涙を滲ませて語った。また、「地元じゃけぇなんかあるな~と思ってるみなさんもありがとうございました。(広島は)私らの歴史がいろんな街にいろんなとこに詰まってます。この会場も昔、厚生年金会館といって私たちの発表会をやった場所でした。この会場にも私たちの歴史が刻み込まれてます。また広島に帰ってこられるように頑張りたいと思います」と語り、Perfumeとしては約2年ぶりとなる全国ツアーが終了した。














Photo by 上山陽介
▼リリース情報
Perfume
ニューEP
『ポリゴンウェイヴEP』
NOW ON SALE
▼ライヴ情報
「Perfume LIVE 2022 [polygon wave]」
2022年1月9日(日)、10日(月・祝)、12日(水)、13日(木)、15日(土)、16日(日)
会場:ぴあアリーナMM
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース
掲載: 2021年12月22日 15:10








