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インタビュー

成田達輝

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2012年10月25日 18:02

ソース: intoxicate vol.100(2012年10月10日発行号)

取材・文 池田卓夫(音楽ジャーナリスト)

Photo: Masashige Ogata

パリで色々なアーティストと出会い、自分の音楽を再発見

1992年札幌出身のヴァイオリニスト、成田達輝を初めて聴いたのは2007年。東京音楽コンクール弦楽器部門でプロコフィエフの《協奏曲第1番》を弾き、第1位を得た時だ。審査席で隣り合わせの大谷康子さんと2人して「久々に“悪魔的”なヴァイオリンを聴いた」と感心。まだ15歳の少年ながら、心の奥底に潜む仄暗さや背徳の香りを時にザクっと抉りだしてみせる感性に、大きな将来を確信した。実際に10年のロン=ティボー、12年のエリザベートと2つの国際コンクールで相次ぎ2位をとり、昨年からパリに住む。5年前に比べ変わったことは? と訊くと「身体が大きくなった。1人暮らしを始めた。フランス語を話すようになった。日本を相対的にながめ、音楽で自分を再発見できるようになったこと」との答え。知的でクールな風貌が、確かな存在感を増しつつある。パリの生活の醍醐味は?

「音楽家に限らず写真家、彫刻家……と様々なジャンルの未知のアーティストと出遭えること。教会に写真を展示した中で演奏するといったコラボレーションを通じ、僕自身が五感を駆使して楽しめます。家のつくりも日本とは違い、弦楽器がよく響きます。今はパリで見つけた楽器を弾き、一緒に室内楽をやろうと声をかければ集まるメンバーも増えました。ソナタも正確には『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』だから、単なる伴奏を超え正面からぶつかり合い、2つの大きな柱が立っているような音楽を目指したいです。早くデビュー盤を録音しろ、との声は聞こえるけど、日本でパリと同じ感覚の共演者を探すのは難しいとも思えて踏み切れません。来年はとりあえず、18歳のフランス人ピアニストとともに日本を訪れ、モーツァルトなどを演奏するつもりです」

日本の音楽界を外から眺めると……。

「演奏会の“予習・復習”をする人や技術オタクが多い! 曲目の音源に予め当たっても楽曲の善し悪しや好き嫌いは素通り、技術の巧拙ばかり論じられたら『僕の音楽は聴いていないのか』と、嫌になります。もう一つはマスメディアの責任でもあるのでしょうが、演奏家の容姿ばかり売り込んでいく姿勢。自分は外にいて、良い音楽だけ持ち帰りたいと思います」

特に力を入れたいこと。

「次のリサイタルで弾く予定のジョリヴェの『ラプソディック組曲』みたいに日本で余り知られず、聴衆にも馴染みのない曲を何度も何年も繰り返し弾き続け、広めたい。演奏家が熱意と自信を持ち続ければ、必ず状況は変わります」

LIVE INFORMATION

10/30(火)札幌Kitara小ホール
11/4(日)Hakuju Hall1(完売)
6(火)兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院小ホール
12/6(木)札幌Kitaraホール(共演:読売交響楽団)
31(月)札幌Kitaraホール(共演:札幌交響楽団)
http://www.sonare-art-office.co.jp/

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