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次世代の実力派、エルマー・ブラスのアルバム『STRAIGHT AHEAD』

Elmar Brass Trio

ジャズがお好きで、ジャズショップをまめにチェックしているようでしたら、本作の主人公エルマー・ブラスのことはご存じでしょうか… … いやいや私は知らないという方へ少しだけご紹介すると、1979年生まれのドイツのピアニスト。澤野工房から本作を入れて、4 枚のアルバムをリリースしているニュースター。瑞々しく爽やかなピアノでジャズファンを気持ちよくスウィングさせてくれる実力者です。

タイトル通り、スタンダードがずらっと並んだ、実に『ストレイト・アヘッド』な一作。中でも、本作の私的ベストトラックは(5)の「ミスティ」でした。エロール・ガーナーの名曲を感情過多になることなく、静かに料理してみせます。シングルトーンで綴られるメロディにエルマーの奥ゆかしさが聴けるように思うのですが、いかがでしょうか。

アルバムは、シャカシャカするドラムのブラシが心地よい(1)からスタート。クイックテンポでたたみかけるような(3)。モンティ・アレキサンダーへのオマージュで大スウィングする(6)。マイナーメロディで美しい影を描き出す(7)。どっしりしたベースとドラムの助演にも注目したい、愛らしい(10) 。マーチでアレンジされた(11)などなど。三者の力強さを感じさせつつ、ストレートにバランスよく持ち味を出してゆきます。

CD店に勤めていて実感することは、リスナーは有名無名を問わず、自身の耳で演奏を判断していくということ。このニュースターをもっともっと聴いてもらいたいし、一作ごとにどう変化するのか追いかけていけるのが現代ジャズファンの楽しみでもあると思うのです。どんどんスウィングしてくれ、エルマー。そしていつか生音を体験したい。

Text by 神尾孝弥

タグ : ジャズ・ピアノ

掲載: 2017年02月02日 17:56