デビュー作で、圧倒的なヴォーカルと卓越したソングライティング力を見せつけた、女性シンガー・ソングライター、ミシェル・ブランチのセカンド・アルバム。元レッチリのギタリスト、デイヴ・ナヴァロ参加のロック・ナンバー、シェリル・クロウと息ピッタリの掛け合いを見せるコラボレート曲、サンタナとの共演曲など、大御所にもひけをとらない、貫禄さえ漂う仕上がり!ジョン・シャンクスがプロデュースを担当。 (C)RS
JMD(2010/07/01)
〈ちょっと背伸び〉って言い回しが当てはまる歳なんだな、まだ。猫背をどうにかせんと、と気にしている間に背伸びの季節が遠く過ぎ去っていた俺なんか、つま先立ちしても世界が変わって見えることなどもはやないけれど、しゃんと姿勢を正したらなぜだか気分がフレッシュになる!ってことぐらいはミシェル同様よく知っている。〈すげー背伸び〉を意識せずともショウ・ビジネスの荒波に揉まれて生活する彼女、同年齢よりは当然〈大人びた視点〉を獲得しているわけだが、ノンフィクション的方向をめざしたこの2年ぶりの新作は、どうにも〈ちょっと〉って感じが似合う。そしてこのわずかな領域には、きらめく星屑が無数に散らばっているのだと、彼女の歌は伝えてくれるのだ。デイヴ・ナヴァロを連れ立って、次々扉を蹴破っていくような冒頭のロック・チューン、この躊躇のなさ最高。シェリル・クロウ姐御の参加もあり。
bounce (C)桑原 シロー
タワーレコード(2003年07月号掲載 (P80))