たかが愛の、代用品。
ハル・ベリーが黒人女性初のアカデミー賞主演女優賞受賞の快挙を成し遂げたシリアスな恋愛ドラマ!
人種差別が色濃く残るアメリカ南部のある街で、死刑執行人の看守ハンクと、死刑囚の夫を持つ黒人女性が偶然に出会う。交わるはずの無いふたりだが、お互いに悲しい過去を背負い、人のぬくもりを渇望していた…。タイトルの「チョコレート」は、黒人女性の肌の色でもあり、ビターな大人のドラマでもあり、お互いに心が溶け合うチョコレートのような甘い恋愛でもあり、主人公ハンクが好きな食べ物でもあり…と、物語の重要なキーポイントになっている。
物語はB・B・ソーントン中心に展開されているが、ソーントンの押さえの演技に比べ、H・ベリーの演技はあまりにも衝撃的で誰もが心を動かされるだろう。「エグゼクティブ・デシジョン」の時から持ち味だった、一見弱そうだが、逆境に負けず立ち向かう!というキャラにさらに磨きが掛かって大胆なラブシーンも披露。妖艶さにも磨きがかかっている。彼女の迫真の演技は世の男性に限らず、女性も必見である!
タワーレコード(2009/04/08)
ハル・ベリーが見事、オスカーを受賞した話題作が、未公開シーン、メイキングなどの特典映像付きでDVD化。死刑囚の夫と幼い一人息子を一度に失った黒人女性と、目の前で息子に自殺された白人至上主義の看守が出会い、惹かれ合うなかで、互いに人間性を取り戻していく。ビリー・ボブ・ソーントンの抑えた演技とハル・ベリーの渾身の演技が、悲しみに包まれながらも本当の愛を見い出す2人の心情を痛いほどに表現している。
bounce (C)入江 玲子
タワーレコード(2003年03月号掲載 (P153))