アイアン・メイデンやパンテラといった〈王道〉を邁進するメタル・バンドに最大限の敬意を表すと同時に、モダンな味付けや工夫も怠らず……。ディスターブドが放つ2年半ぶりの新作、真の意味でニュー・メタルな内容だ。緩急自在なリズムで絶唱するヴォーカルのデヴィッド・ドレイマン。筋肉質でゴツい体つきだが威圧的な雰囲気はゼロの彼、磨き上げたスキンヘッドと大胆な口ピアスを含め、初来日となった今年の〈SUMMER SONIC〉でも強烈な存在感をアピール。絶叫でもラップでもない、その独特の唱法で神秘的なムードを演出する。曲の骨格は冒頭にも挙げたように、伝統的なヘヴィー・メタル・サウンドの影響が色濃い。ただ、精神世界や宗教論に深い造詣を持つデヴィッドが、結果的にトゥールにも通じるような唯一無二の個性をこのバンドに与えているのだ。コーンとのツアーも控え、今後大化けすること必至である。
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