フル・ヴォリュームのアルバムを2枚同時リリースしたダンスホール・レゲエ界のキング・オブ・キングス=バウンティ・キラーの後を受けるかのように、もうひとりのキング・オブ・ダンスホールDJ、ビーニ・マンが久方ぶりのアルバムをリリース。日々量産される7インチ盤の上で何度となく舌戦を交わしてきた両者だけに、お互いの動きが気にならないはずもなく。2枚の性格こそ違え、制作の上でもジャマイカにどっしりと腰を据えたアルバムをリリースしたバウンティ、あくまでインターナショナル仕様のアルバム作りに力点を置くビーニ――それぞれのスタンスの違いも興味深い。それはまた、このところの7インチ・レヴェルでのビーニのリリースがいささか低調であるのとも関係してる気がしないでもないのだが。よって、〈Buy Out〉オケの“Miss L.A.P”あたりがもっとも現場ノリを感じさせるぐらいで、デイヴ・ケリーの音作りも“Party Hard”以外はアルバムの趣旨を汲み取ったかのようなプロダクションが中心となり、アルバムとして現場ユースと言える要素はむしろ希薄に思える。キーボードの音色を生かす持ち味を持ちながらもダンスホール・トラックを参照したハネを示す“Bad Girl”や、人気爆発の〈Diwali〉オケのハンドクラップを横目に見たような作りの“Bossman”など、ネプチューンズ制作のトラックがかえってダンスホール的で耳を惹く。
bounce (C)一ノ木裕之
タワーレコード(2002年09月号掲載 (P90))
うっかりしていたら、ビーニ・マンはグラミー賞を取ってすっかりメジャーになっていた。もとよりレゲエ界では〈超〉が付く人気者で、ステージ上でのエンターティナーぶりといったら国宝級の実力の持ち主ではあったのだが。前作『Art And Life』の成功を引っ提げて、われらが〈ドクター〉はみーんなの憧れの的、ジャネット・ジャクソンをシングル“Feel It Boy”で呼び寄せるわ、前作からの仲であるネプチューンズに3曲も作ってもらうわ、UKガラージの大所帯グループ、ソー・ソリッド・クルーのメンバーを招くわ、DJクルーにリル・キムやジャ・ルールを売り出したアーヴ・ゴッティまで招き、実に華やかでやりたい放題なのである。もちろん、ジャマイカ・サイドのルーツも忘れるはずもなく、世界中から集めた音に芯を通すのは彼のヤーディー魂。比較的わかりやすい発音のパトワ、メロディー重視のプロダクション――シング・ジェイどころか、今回のビーニは本気で歌っている――など、さらなる地球規模での成功のための工夫は見られる。だが、これをヤワになったと捉えるのは大間違い。実はかなり〈進んだ〉音楽であるダンスホール・レゲエの現在最新進行形を示しただけの話だ。例えば、ネプチューンズ曲の次にトニー・ケリーのジャマイカ産のプロダクションが来ても何の違和感もないのがその証拠。まさに〈熱帯暴風雨〉とはよくいったタイトルなのである。絶対必聴太鼓判・盤。
bounce (C)池城美菜子
タワーレコード(2002年09月号掲載 (P90))
何回か聴くと良さも出て来たのだがやはりコレはたまに聴くからこそ良い盤だなぁ…と思う。
個人的に何日か続けて聴ける盤では無いなぁ…
しかしそんな中でも『street life』は好きだが、Hip-HopとReggaeが巧く融合しているからだと思う。